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トップインタビューシーナ&ロケッツ - 結成46周年突入とシーナの誕生日を祝して今年も新宿LOFTでロケット発射! それでもなおバンドの歩みを止めない意志と原動力

結成46周年突入とシーナの誕生日を祝して今年も新宿LOFTでロケット発射! それでもなおバンドの歩みを止めない意志と原動力

2023.11.08

 バンドの顔役である鮎川誠が今年の1月29日に他界した後も、いや、だからなのか、全国各地で相次ぐ追悼ライブの開催、ドキュメンタリー映画『シーナ&ロケッツ 鮎川誠 ~ロックと家族の絆~』の公開、それに伴うDOMMUNEでの公開記念特番の放映、『真空パック』の貴重なデモテープ音源『1979 DEMO』のリリースと、変わらず活況を呈しているシーナ&ロケッツ。その結成46周年突入と稀代のボーカリストであるシーナの誕生日を祝うWバースディライブが、今年も来たる11月23日に新宿LOFTで行なわれる。
 ギタリストに澄田健を迎え、ボーカル:LUCY MIRROR、ベース:奈良敏博、ドラムス:川嶋一秀という布陣でシーナ&ロケッツとしてライブを継続する真意や葛藤、今後の活動指針などについてLUCY、奈良、LUCYの実姉でシーナ&ロケッツのマネジメントを務める鮎川純子(ロケットダクション)に話を聞いたこのインタビューは"46回目のバースディライブ"のパブリシティ的側面ももちろんあるが、主要メンバーが不在でも存続させるバンドの在り方、その是非をすべてのロック好きに問う内容に図らずもなっている。
 鮎川誠とシーナのいないシーナ&ロケッツを受け入れられないという声があるのを残されたメンバーは充分に心得ているし、中心人物が世を去ることで自然消滅するバンドは多い。だが、僕には今のシーナ&ロケッツという集合体そのものが苦難を抱きながら歩みを止めないロックの新たな試みのようにも感じる。つまり、主要メンバーの肉体が滅んでもその不朽不滅の楽曲群や様式美、アンサンブルの妙味、そのバンドにしか体現できない尊い精神性はステージという一期一会の場で至高のライブ・パフォーマンスとして変わらず披露、発揮されることに挑み続けているのではないか(シーナ亡き後の鮎川はそれを実践してきた)。
 鮎川とシーナの愛娘であり二人の血を受け継ぐLUCY、半世紀にわたり鮎川に薫陶を受けた奈良と川嶋が現役である以上はこの先もずっとシーナ&ロケッツとしての活動を続けてほしいし、天国の鮎川とシーナもきっと同じことを望んでいるはず。ロックと家族と仲間の絆を紡ぐ物語はまだまだ続くのだ。(interview:椎名宗之)

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鮎川誠の残した楽曲は残されたメンバーにとって宝物

──去年もこの時期にわれわれのインタビューに応えていただき、新宿LOFTでの45周年記念ライブへ向けて意気込みを語ってくださいましたが、鮎川誠さんは昨年5月に膵臓癌が発覚、医師から余命5カ月ほどと宣告されていました。いま思えば、LUCYさんと純子さんは常に万が一の事態を想定しながらライブに臨むという綱渡りにも似た日々を送っていたんですね。

LUCY:不安は常にありました。ライブはずっと続ける気ではいましたけど。

純子:次のライブができるかできないかは当日の朝になるまでわからなかったし、ライブが始まっても無事終えることができるのか心配も絶えずありました。だから「また次のライブができますように」と祈るような日々でしたね。

──奈良さんと川嶋さんは、鮎川さんから病気のことを知らされていなかったんですよね?

奈良:全然知らなかったです。

──それは、同じバンドのメンバーであっても鮎川さんが心配をかけたくなかったというのが一番の理由だったんですか。

LUCY:そうみたいですね。奈良さんと川嶋ベリーには言おうよとお父さんを説得していたんですけど、やっぱり心配させたくない気持ちが強くあったみたいで。

奈良:痩せたなとは思っていたんですけど、気はついてなかったです。宮古島へ行ったときにだいぶ疲れとるなあ…とは思ったんですが。

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新宿LOFTで行なわれた『45回目のバースディライブ -45周年記念LIVE-』(2022年11月23日)

──去年の新宿LOFTでのライブはそんな体調不良を微塵も感じさせない、バンドの集大成と呼ぶに相応しい本当に素晴らしいライブでした。今年の鮎川さんの誕生日にはライブDVDもリリースされて、その出来もまた秀逸で。

純子:DVDとして残せたのは本当に良かったと思っています。

LUCY:DVDは“鮎川誠 LAST LIVE”というタイトルにしたんですけど、実際は“LAST LIVE”ではなかったんです。シナロケとしてはその後に沖縄と宮古島、チッタでの『LONDON NITE』でライブをやったんですけど、LOFTでのライブが凄く良かったのであえて“LAST LIVE”と銘打つことにしたんです。

──しかもLOFTでは、アンコール時にLUCYさんが鮎川さんに盟友であるウィルコ・ジョンソンの訃報を伝える一幕もあり、一層忘れることのできない一夜となりましたね。

LUCY:去年のLOFTは9月に康ちゃん(ジュークレコード店主の松本康)が亡くなったこともあって、康ちゃんが作詞した曲を重点的にやってみたんです。その康ちゃんの訃報は、九州ツアーが終わった日に聞いたんですよ。ライブが終わるまでは知らせないでほしいという意向があったみたいで。それで康ちゃんが亡くなったことを知ったお父さんは、ライブが終わった疲れと一緒にだいぶ落ち込んでしまったんです。その姿を見て心配だったので、LOFTのアンコール前の楽屋でウィルコの訃報を知ったときはお客さんのいるライブ中に伝えようとしたんです。一人でいるときだとまたがっくり落ち込んでしまうし、ライブの翌日に知らせると心身に良くないと思ったんですよね。

──鮎川さんが今年の1月29日に他界され、5月2日に下北沢で追悼ライブ音楽葬が行なわれて以降、シーナ&ロケッツ名義でのライブがこれまで5回ほどありましたね。

LUCY:たとえば久留米の『サマービート '23』は「鮎川さんを追悼したいし、シーナ&ロケッツがいないとイベント自体の開催ができません」とオファーを受けたんです。『高塔山ロックフェス』も同じようなケースだったし、各地でお父さんを追悼したいという意向に応えてライブをやってきました。でも、こんな感じでライブをやれるのは今年くらいかな? と思っているんです。まだわかりませんけど…。

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──下北沢での追悼ライブの後、LUCYさんはSNSで「今までのように活動するつもりはありません」と発信されていましたね。

LUCY:お母さんが亡くなった後、お父さんがギターを弾き続ける以上はシナロケの音を止めたくなくてボーカルをやってきたんですが、お父さんがいなくなってしまって未だに茫然としているところがあるんです。でもシーナ&ロケッツの曲はやっぱりいいなと純粋に思うし、奈良さんも川嶋ベリーも健在なので葛藤はありますね。

──奈良さんもバンドを継続させたいと思うのでは?

奈良:このあいだの(大分と福岡で行なわれた)“Play The SONHOUSE”でも、「雨」とか何曲かサンハウスの歌を唄ってみたんです。全然唄えずにボロボロでしたけど(笑)。でも自分の歌はともかく、やっぱり曲が凄くいいんですよ。坂田(“鬼平”紳一)も言ってたけど、マコちゃんの残してくれた曲は僕らにとって財産なんです。だから“Play The SONHOUSE”は折を見てまたやろうと話してるし、そういう曲の良さに改めて気づけるのがライブのいいところですね。

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LIVE INFOライブ情報

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SHEENA's 46th BIRTHDAY LIVE ─シーナ&ロケッツ  46回目のバースディライブ─
【出演】
シーナ&ロケッツ[LUCY MIRROR / 奈良敏博 / 川嶋一秀 / 澄田健]
SPECIAL GUEST:永井“ホトケ”隆 / 鈴木茂 / アキマツネオ / 長谷川正Plastic Tree)/ Johnny Diamond首振りDolls)/ 甲本ヒロト  ほか
【日時・会場】
2023年11月23日(木・祝)新宿LOFT
開場 18:00 / 開演 19:00
【料金】
前売¥5,500 / 当日¥6,000(共にドリンク代別)
【主催】ロケットダクション
【後援】ソニーミュージック、JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント・スピードスターレコーズ
【前売りチケット】
シーナ&ロケッツ オフィシャルチケットセンター
◉一般発売(PIALAWSONe+
【問い合わせ】新宿LOFT 03-5272-0382

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