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INTERVIEW

トップインタビューシーナ&ロケッツ - 結成46周年突入とシーナの誕生日を祝して今年も新宿LOFTでロケット発射! それでもなおバンドの歩みを止めない意志と原動力

結成46周年突入とシーナの誕生日を祝して今年も新宿LOFTでロケット発射! それでもなおバンドの歩みを止めない意志と原動力

2023.11.08

お父さんだったらどうするだろう?

──鮎川さん亡き後のロケッツでユニークな試みだと感じたのは、さる10月21日(土)に高塔山野外音楽堂で行なわれたほうの『高塔山ロックフェス』なんです。ここではベースが穴井仁吉さん、ドラムが金崎信敏さんという、細野晴臣さんがプロデュースした『@HEART』(1997年発表)リリース前後のメンバーでライブを敢行されましたよね。

LUCY:あれはお父さんとお母さんが引き合わせてくれた、巡り合いのような機会だったと感じています。奈良さんと川嶋ベリーが神戸でライブがあってどうしても出られないということで、穴井さんとかなちゃんにお願いすることにしたんです。

奈良:あの日、マコちゃんとシーナはだいぶ忙しかったと思いますよ。若松と神戸を何度も行ったり来たりして(笑)。

LUCY:穴井さんとかなちゃんは、バンド・メンバーがいなくなってお父さんとお母さんが凄く苦労していた時期に支えてくれた2人なんですよ。

純子:お2人はウィルコとのジャパン・ツアーでも支えてくれましたね。

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ウィルコ・ジョンソンとのジャパン・ツアー『Going Back Home 1999』(1999年5月)

──1999年5月ですね。移転前の新宿LOFT最後の日にロケッツがワンマンをやってくださった2カ月後なので、よく覚えています。

LUCY:今回の穴井さん、かなちゃんとのライブはとてもスリリングで面白かったです。特に穴井さんは遊びゴコロがあって、ライブ中に思いついたことをすぐやるので、突然初期のマニアックなテイクを弾いたり、笑っちゃってドキドキさせられました(笑)。「THE JUNGLE OF LOVE」[『ROCK THE ROCK』(2000年発表)収録]や「GET IT ON BABY」[『ROKKET SIZE』(1984年発表)収録]といった滅多にやらない曲を一緒にやれたのも楽しかったですね。

純子:「GET IT ON BABY」をLUCYが唄うのは今回が初めてで、凄く嬉しかったです。パンクでもありガールズロックでもあり、とても新鮮に聞こえました。

LUCY:私が中学生くらいの頃にまだ20代だったかなちゃんがバンドに入って、むちゃくちゃタイトで速いドラムだったんです。シナロケが一番パンクだった時期と言っても過言じゃない時代だったので、このあいだの『高塔山ロックフェス』ではわりとパンクで速いセットを心がけたんですけど、実際のプレイがもうびっくりするくらい速くて(笑)。奈良さんと川嶋ベリーの安定感とはまた違う面白さがありました。

奈良:その日、僕と川嶋が下山淳と一緒に出たチキンジョージの『ロックンロール・ジャンボリー』はマコちゃんを偲ぶライブで、高塔山と同じ時間にマコちゃんの曲が奏でられるというのが面白かったと思うんです。若松と神戸の二都市でマコちゃんの曲が同時に披露されるなんて、マコちゃんとシーナが導いてくれた巡り合わせですよね。神戸は神戸でスリリングで面白かったですよ。下山が「スーツケース・ブルース」のコードを覚えてなくて(笑)。

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『SHEENA's 46th BIRTHDAY LIVE ─シーナ&ロケッツ  46回目のバースディライブ─』のフライヤー

──さて、来たる11月23日(木)には新宿LOFTで3年連続でシーナさんとシーナ&ロケッツが誕生したWバースディライブを開催していただきます。今までのように活動する予定はないとするLUCYさんも、このライブだけはやっておきたいと考えてくださったということでしょうか。

LUCY:お父さんだったらやろうとするんじゃないかと思って。お父さんが亡くなってから、シーナ&ロケッツが集まったときはいつも「お父さんだったらどうするだろう?」と考えて動くようになったんですよね。それに去年の11月23日、お父さんはあの病気の状況下で45周年ライブをやれたことを凄く喜んでいたんです。あの日を迎えて無事終えられたことがとても重みのあることだったし、お父さんなら47(シーナ)周年まで絶対に続けたいだろうなと思うので、今年もこの日だけはぜひ新宿LOFTでライブをやらせていただきたくて。

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新宿LOFTで行なわれた『45回目のバースディライブ -45周年記念LIVE-』(2022年11月23日)

──LOFTとしてもとても有り難いです。スペシャルゲストがまた実に豪華ですね。現時点で公表されているのは、永井“ホトケ”隆さん、鈴木茂さん、アキマツネオさん、Plastic Treeの長谷川正さん、首振りDollsのJohnny Diamondさんという顔ぶれなのですが、幅広い世代と交流を育んできた鮎川さんとシーナさんらしい人選だと感じました【追記:11月20日に甲本ヒロトのゲスト出演が追加発表】。意外なことに、Plastic Treeの長谷川さんは奈良さんのお弟子さんだと伺いましたが。

奈良:昔、ベースを教えていたことがあるんです。彼もロケッツとサンハウスが好きなんですよ。

LUCY:いつもライブに来てくれて、凄いマニアなんです。

奈良:ヴィジュアル・シーンでロケッツを尊敬してくれるバンドはけっこういるんですよ。残念なことにこのあいだ亡くなってしまったBUCK-TICKのあっちゃん(櫻井敦司)もそうだし。

──ホトケさんと鈴木茂さんは鮎川さんとほぼ同世代なのでわかるのですが、元マルコシアス・バンプのアキマさんとも接点があるのは意外でした。

LUCY:お父さんと昔、アキマさんの工房にアンプを持っていってカスタムしてもらったこともあるし、父とは昔から仲良しです。『ギター・マガジン』の今年の5月号で鮎川誠の特集をやってくれたんですけど、そこでアキマさんにとても温かい言葉をいただいたんです。それにうるっときて、ぜひ今回のイベントにアキマさんをお呼びしたくて。この前のリハーサルでも「これ、本番やらなくてもいいから月に1回リハ入りたいな」と言ってくださって、演奏もシナロケへの愛が溢れていて胸が熱くなりました。

──首振りDollsのJohnny Diamondさんは、同じ北九州出身でロケッツに影響を受けた後進バンド枠の代表といったところでしょうか。

LUCY:そうですね。九州の新鋭のバンドで、ドラム&ボーカルのnaoさんはNHKのシナロケ・ドラマ『You May Dream』にも出演していたり、ジョニーさんはお父さんのお葬式のときもいろいろと手伝ってくださって、今回ゲストにぜひ呼んで一緒にやってみたいと思いました。

──せっかくなので、ホトケさんと鈴木茂さんについてもぜひ聞かせてください。

LUCY:ホトケさんは、お父さんとお母さんの古くからの盟友で、ブルースのセッションを昔からやっていた大切な仲間です。鈴木茂さんは、はっぴいえんどやティン・パン・アレーの頃からお父さんと交流があったギタリストで、お父さんの優しい笑顔が大好きだって言ってくださいました。私は初めて一緒にやらせてもらうので今からワクワクです。みんなシナロケの曲をやってくれるのも本当に嬉しくて。どうぞ期待していてください。

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LIVE INFOライブ情報

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SHEENA's 46th BIRTHDAY LIVE ─シーナ&ロケッツ  46回目のバースディライブ─
【出演】
シーナ&ロケッツ[LUCY MIRROR / 奈良敏博 / 川嶋一秀 / 澄田健]
SPECIAL GUEST:永井“ホトケ”隆 / 鈴木茂 / アキマツネオ / 長谷川正Plastic Tree)/ Johnny Diamond首振りDolls)/ 甲本ヒロト  ほか
【日時・会場】
2023年11月23日(木・祝)新宿LOFT
開場 18:00 / 開演 19:00
【料金】
前売¥5,500 / 当日¥6,000(共にドリンク代別)
【主催】ロケットダクション
【後援】ソニーミュージック、JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント・スピードスターレコーズ
【前売りチケット】
シーナ&ロケッツ オフィシャルチケットセンター
◉一般発売(PIALAWSONe+
【問い合わせ】新宿LOFT 03-5272-0382

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