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INTERVIEW

トップインタビュー島キクジロウ(the JUMPS / 島キクジロウ & NO NUKES RIGHTS)×ISHIYA(DEATH SIDE / FORWARD)×遠藤妙子「"REAL VOICE REBEL ON" コロナ禍の時代に響かせなければいけない音楽、叫ばなければいけない言葉とは何か」(後編)

コロナ禍の時代に響かせなければいけない音楽、叫ばなければいけない言葉とは何か
【後編】個人が社会のための犠牲になってはならない、社会のために個人が埋没してはならない

2020.10.08

権力を跳ね返せる力が市民にあるか試されているとき

《前編はこちら

遠藤:換気もバッチリ。後半です。

ISHIYA:それでなんで弁護士になろうと?

島:それはねー、41歳の誕生日の朝に思いついたことで。16歳からバンドを始めて、もう25年やってきたんだなあって思ってさ。そこで気づいたんだよ、あと25年あるなって。バンドを始めて25年だけど、あと25年やれるなって、なんか分からんけど思っちゃったんだよね(笑)。こんな楽しい生活をまだ同じだけ続けられるって気づいて嬉しかったんだけど、同時に、これやってても世の中ひっくり返らんなって。このままでいいのか? って。それで、一回白紙にして立ち止まってみようって。

ISHIYA:ものすごいポジティブですよね。

島:で、その年から司法試験に環境法って科目が入るって新聞で見たの。

ISHIYA:ブレてないんですね。13歳の頃から41歳まで。

島:世の中をひっくり返したいなら政治家になったっていいんだけどさ…。

ISHIYA:確かにね。区議会議員から始めて。

島:それもあり得るんだけど、一度政治家になっても次の年にはプータローになることだってあるわけで。

ISHIYA:確かに確かに。

島:だったら弁護士として環境問題に関わったほうが。たとえば公共事業としての大型ダムや原発を止められる可能性もある。なおかつロック弁護士っていうキャッチフレーズを使えるなって。英語ならROCK'N' LAWYER。ロックンローヤーってね(笑)。

遠藤:それが言いたかった(笑)。

ISHIYA:パクられた経験のある人は弁護士になれるんですか? パクられた経験のある人っていろんなことを知ってますよ。勉強もしてる。司法試験を受けたらかなりイケますよ。受けられないんですかね?

島:俺の友達も何年間か入ってた奴がいて、そいつは司法試験に通った。

ISHIYA:受けられるんだ!

島:だけど、受かってから弁護士になる前に修習ってのを1年間やるんだけど、その修習に行けないの。務めが終わってから何年経てば修習に行けるか決まってないのさ。だから毎年書類を出して…。

ISHIYA:ああ、お伺いみたいなものを毎年出して、認められるか認められないかっていう。

島:そうそう。でもさ、そいつが修習を認められればとても希望があるよね。

ISHIYA:そうなれば素晴らしいよね。それができたら世の中ひっくり返りますよね。

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遠藤:島さん、原発関連の仕事っていうのは…?

島:弁護士になってずっとやってきたのは八ッ場ダムの裁判で。それをやっているときに東日本大震災と原発事故が起きた。環境問題、エネルギー問題としても原発はNGだと思ってたんだけど、それだけじゃなく、原発の存在って社会構造、経済構造そのものだってことが分かってきて。すべてが凝縮されとるなって。これは自分の一大テーマとしてもやってみたい、携わっていきたいと思った。

ISHIYA:爆発してバレたじゃないですか、一般人にも。

島:嘘だってことがバレたよね。安全神話はホントに神話だった。

ISHIYA:でも、今現在もこうじゃないですか。

島:うん。そうなんだよね。

ISHIYA:あんな事故があったのに、結局いまだにこんなありさま。いまだに安全神話がまかり通ってる。島さん、お願いしますよ(笑)。国にケンカを売る人がいないと。

島:国会デモとかさ、やっぱデモは必要で。集まる人もいないとね。

遠藤:島さんは弁護士になって再びバンドを続けて、反原発デモでも唄っていて。

島:反原発デモでは最初は弾き語りで出たんだけど、ギターがいたほうがいいな、サックスもいいな…ってどんどん増えて(笑)。

ISHIYA:俺、最初の頃のデモでパクられました。原発反対デモで始まって5分もしないうちにパクられましたよ(笑)。

遠藤:なんだっけ、ライブやるトラックから飛び降りたらパクられたんだっけ?(笑)

ISHIYA:トラックの上でのライブだったんだけど。イメージとしてはライブハウスが移動していくイメージ。俺らが最初でトラックの上でセッティングしてたら、警官がデモを待ってる人たちの中にドカドカ入ってきたんで、俺が止めて。続けてスタッフか誰かが警官を止めるだろって思ったら誰も止めなくて、まだ警官がバーッて入ってくるんで、俺、ダイビングエルボーをかましたら、そのまま連れていかれちゃった(笑)。そしたら連れていかれた部屋がスゲェ広い部屋で。後からどんどん連れてこられて。狙ってたんだね。ここでとっ捕まえようって。

島:それって弁護士は来た?

ISHIYA:来たんですけど使えない奴で、いつも知ってる人に頼んだ(笑)。今度なんかあったときは島さん、お願いします(笑)。

島:おう(笑)。国会前とかで何万人とか集まったときはさ、あ、変わるなって思ったじゃん。

ISHIYA:思った思った。

島:いよいよ日本も市民の力が結集して政治を動かすときが来たなって思ったんだけどさ、そんな甘いもんじゃないってことも経験したわけじゃん。

ISHIYA:そうなんだよな、変わってない。

島:その後にSEALDsも出てきて、おお! って思ったけど。

ISHIYA:SEALDs、良かったですよね。音楽も込みで良かった。

島:でもなかなか変わらなくて。日本は市民が声をあげることや、そういう文化みたいなものを作ってる最中なんだよね。たとえばフランスみたいに民主革命があって市民が勝ち取ったわけじゃないから、市民の声が社会を動かすっていう経験に乏しい。今の状況でも諦め気味になってる感じはあるけど、そんなもんじゃねえだろ! っていうさ。跳ね返せる力があるかっていう、それを試されてる気がするんだ。

ISHIYA:そうですよね。話を聞いてると、島さんは真正面から突っ込んでいく感じがよく分かります。島さんは真正面から闘う。俺は裏から闘う。

遠藤:そしたらあたしは下から闘う。

島:いろんな立場からいろんな闘い方をしていくことだよね。

 

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