歌詞を書く根源にあるのは怒り
──1曲目の「チャラ男まじファッキンビッチ」からして曲名を連呼するサビが一度聴くと耳にこびりついて離れないし、不思議な中毒性がありますよね。
ちゃこ:感覚的なものですけど、「これ絶対キャッチーやん!」みたいなメロを心がけてます。メンバーが一緒におって、メロを口ずさんでたら「あ、これキャッチーなんや!」とか、そういう感じで。
──そのキャッチーさは4人で共有しているわけですね。
よね:メロは全部ちゃこが考えてきてくれるんで、それが大きいですね。あと、ちゃこの書く歌詞もすごいんですよ。「チャラ男まじファッキンビッチ」なんて言葉、よく出てくるなと思って(笑)。
──そうですよね。「天に召されて地獄に落ちろ」(「またね、なわけないさようなら」)とか(笑)。
ちゃこ:歌詞はぜんぶ実体験なんです。「ぴっぴちゃん」だけは想像上の世界なんですけど。こんな感じなんかな? みたいな。あとはすべて自分の実体験から生まれた曲です。
──あまり男運に恵まれてこなかったような実体験というか(笑)。
ちゃこ:そういうつもりでもないけど、そんな曲ができちゃいます。自分が歌詞を書きたい根源にあるのは怒りなんです。怒ってるときにしか曲できへんし。
──ちゃこさんいわく「私の説明書みたいな歌詞」は小難しい言い回しを使わず、感情と直結したストレートなものだから女性は特に共感しやすいでしょうね。
よね:他のガールズバンドなら書かへんやろなっていう皮肉っぽいところとかが逆にいいんやろなって思います。
──せっかくの機会なので1曲ずつ話を伺いたいのですが、まず「チャラ男まじファッキンビッチ」。このあまりにもパンチのある、むしろパンチしかない発明品のようなタイトルは、メロに呼ばれてすらっと出てきたものなんですか。
ちゃこ:めっちゃ考えました。何回も出てくる単語を曲名にしたかったっていうのもあったんで。なんか語呂のいいやつがいいと思って、「チャラ男まじファッキン」までは出てきてたんですよ。そのあとに「ビッチ」が来るのは文法的にはおかしいので、それをつけるかつけへんかめっちゃ悩んだけど、やっぱり「ビッチ」の語呂が良すぎたんでつけることにしたんです。
──この曲もそうですが、どれも曲の展開が目まぐるしいじゃないですか。1曲のなかに2、3曲くらいのアイディアを詰め込んでいるというか。
ちゃこ:すぐに変えたくなるんですよ。飽きっぽいのかな。
ハセ:2番も一緒やったらおもんないな、もういいやん、っていうのはよくありますね。
ちゃこ:曲の原型が何の変哲がなくても、だんだん変わってきてどんどんすごい方向になっていくんです。いまはまだ全然マシなほうなんですけど、むかしはあまりに展開がすごすぎる時期があったんですよ。
ハセ:あまりにオルタナティヴすぎて、お客さんが全然乗られへん(笑)。
メル:むしろそれがかっこいいと思ってた(笑)。
──まぁ、「チャラ男まじファッキンビッチ」もかなりのオルタナティヴだと思いますけどね(笑)。
よね:変わったリズム案をギターのハセがよく出してくれるので、そこがポイントなんかなと思います。
ちゃこ:そうやな。リフをヘンなとこに入れるから、それでいろいろと変わっていくんですよ。
──それ、覚えるの大変じゃないですか?
ちゃこ:めっちゃ大変です。最初に聴いて、はぁ? ってなるようなことがいっぱいあるので。