いまはとにかく「バンド売れたい」
──2曲目はリード曲の「バンド売れたい」。まずこの単刀直入なタイトルの潔さがあっぱれですね。
ちゃこ:いまの思いそのままですね。とにかく売れたいんで(笑)。
──Aメロ、Bメロの重低音ヘヴィネスから一転、サビで一気にポップに突き抜ける構成がユニークですね。人間でいえば多重人格みたいですけど(笑)。
ちゃこ:狙い通りですね。サビはキャッチーにして、ドンピシャな感じで。
──整形したい、マジで痩せたい、お金が欲しい、超絶モテたい…という欲望丸出しの頭の歌詞から、サビで「oh! yeah! Happy Days」「let's party yeah!」という歌詞になるのもめちゃくちゃですけどね(笑)。
ちゃこ:サビはとにかくハッピーな感じにしようと思って。この曲に関してはハッピーやったら何でもええ! みたいな感じだったので。
──掛け合いのボーカルも聴き所のひとつですよね。
ちゃこ:あれはベースのよねが唄うところをお客さんみんなで唄ってくれたらいいなと思って。
──ああ、あの追っかけボーカルはよねさんだったんですか。てっきりハセさんかと思ってました。
ちゃこ:ハセはコラースしないんですよ。
ハセ:すっごい音痴なんで(笑)。
──25曲もあった候補曲のなかから選ばれたリード曲ですから、みなさんのなかでも大きな手応えがあったわけですよね。
ちゃこ:手応えはありました。ギターがメタルちっくなんで、その雰囲気をバンドとして押したいのもありましたね。
──BABYMETALのファンがうっかり引っかからないかな? とか。
ちゃこ:そうですね、あわよくば(笑)。
──3曲目の「ぴっぴちゃん」は他の曲と違ってストレートなラブソングのように聴こえますね。「10年後も好きと言って/こんな気持ちわかってくれたらなぁ」という歌詞ですし。
ちゃこ:まぁ、そういうこともあったらいいなぁ…みたいな感じというか。でもそんなことはないし、みたいな。最初は絶対そんなことないからみたいな体やったんですけど、思いのほかいい曲になったんで、そうしんとこうと思って。
ハセ:「ぴっぴちゃん」って最初、メルがつくったねんな?
メル:そう、ドラムはね。でも歌はつくれなかった。
──ところで、「ぴっぴちゃん」とはどういう意味なんですか。
ちゃこ:カレシのことです。最近の子は「カレピッピ」って言うんですよ。「うちのピッピがぁ…」みたいな感じで。
──勉強になりました(笑)。「ぴっぴちゃん」はそんなタイトルと裏腹にギターのリフが凄まじくエッジが立っていながらポップでカラフルでよね。ああいう耳に残るリフは自然に降りてくるものなんですか。
ハセ:自力で降りさしますね。
ちゃこ:これでも、あれちゃうん? 最初につくってからそんな変えてないやんな?
ハセ:そうやな。スタジオで合わして、バッキングがある状態で「じゃあ来週やろうか」みたいな段階でリフはつくるんですけど、わりかしそのときのままなんです。
──リフはけっこう変わるものなんですか。
ちゃこ:最初にやったときから変わる曲と、最初から「めっちゃええやん!」みたいな曲とありますね。
ハセ:「ドタキャン」はめちゃめちゃ悩んで何個もつくったんですけど、結局、最初のやつになったんです。
──その「ドタキャン」は、「MAJIDE」を「エム・エー・ジェー・アイ・ディー・イー」と唄うという、エス・エー・ジー・エー佐賀みたいな感じですよね。
ちゃこ:はなわリスペクトですね(笑)。
ハセ:(SHELTER UNITEDの)義村さんがプリプロのときにそういうアイディアを出してくれたんです。
──ドタキャンという行為は人としてどうなんだ? という曲なのに、この軽快な曲調とコミカルな歌詞では何の説得力もないところがいいですね(笑)。
ちゃこ:あえて軽い感じにして、そんなに重くない感じがいいと思って。
──歌詞が基本的に実体験ということは、約束の2時間前にドタキャンの連絡を受けることがあったわけですね。
ちゃこ:はい、よくドタキャンされます。頭おかしいんかな? って思うんですよ、ホンマに。2時間前に「今日無理になった」とか突然言い出すヤツがホンマにいて、何が無理なんかが全然わからへん。約束してんねんから来いや! ってなるじゃないですか。でもそういうのが通用しないんで。