Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューmaster+mind presents 中島卓偉 × mitsu【完全版・後半】

芯を持つ2人のステージでのぶつかり合いで、どんな化学反応が起こるのか…。
是非お見逃しなく!!

2018.02.14

タイミングは大事

mitsu:夢っていう言葉は、自分の中ではちょっと語弊がある気がして。あの時に見てた夢っていうものの捉え方と、今の夢って捉え方が全然違うんですよ。あの頃は、大人はみんな夢だ夢だって口にしてたんですけど、今の自分の夢っていうものはだいぶすごく違うから、その言葉で表現するのは合っているのか分からないんですけど、目標というか、自分の目指すべき道を考えるきっかけ、それが別に音楽でもライブでもこういう会話でも何でもいいんですけど、それを常に探してる感はあります。目標はあるんですけど。

卓偉:いいと思います。探すっていう気持ちがある人とない人では、すごい差があってですね。やっぱりどんな世間を見てても、探してる人って面白いですし、強いっていうか。僕の周りの友達でも、ドラマーの石井悠也くんっていうのがいて、でっかいフォード車を買いたいって。それを買う前はボルボか何かに乗ってたんだけど、「やっぱりお金を貯めたいから、1回僕、軽バンに乗ります」って言って、本当に軽バンに乗り始めたのよ。プライドを捨ててね。やっぱりハコに軽バンで入るって、苦しかったと思うんだよね、悠也くんは。「いや、いいんです」って言ってて。その軽バンでドラム2台運んで仕事して、ちゃんと3年でお金を貯めてそのフォードを買ったんだよね。その時にみんなで、「悠也くん、やったね」って言って、みんな悠也くんと同じような気持ちで嬉しくなったんだけども。やっぱりそういうことができる人って強いと思う。だからね、人間本当に欲しいものがあって、こうしたいって気持ちをどっか後回しにするけど、例えばこのサングラスが欲しいと。このサングラスを欲しいけど、じゃあ人生何年あんだって考えた時に、このサングラスと共にある時間が50年ある人生と、金を貯めてから買って30年ある人生だったら、俺は前者の方が楽しいと思うんだよね。

mitsu:分かります。貯める時間よりもっていう。それはすごい分かります。

卓偉:そうそう。借金して人に迷惑かけたりするっていうのはダメだけれども、やっぱり優柔不断になってる暇はないというか。

mitsu:一歩の踏み出しが、スタートの速さが違うっていうのは、それはすごく分かります。

卓偉:だから、それは人生で自分の気持ちを潤わせることに繋がるんだったら、人間は買い物とか欲を満たすことが絶対に必要だと思っていて。

mitsu:変な意味じゃないですよ。今日は卓偉さんと対談するってことで、自分の中でメージを作るとか、リハーサルをするとかではなくて、卓偉さんってこういう人かなっていうのを想像してたんですね。ソロですけど、自分とは違っていろんな方が一緒に動いていると思うので、変な意味じゃなく、実際は分からないんだなって思ったんです。だから、こういうお話だったり、ステージの音楽人としての卓偉さんっていうのは、勝手に見てるファン的な真理でなんですけど、目的とかを先に…、分かりやすく言ったらその50年で、先に買って先に手にしてっていう考えを持ってるっていうのはすごく嬉しくて。嬉しいっていうのは自分が持ってるからじゃなくて、そういうこともやっぱりちゃんと考えていてって。

卓偉:いやいや、どんな人も、例えば流れ星が「ポーン」って来た時に、願い事を言えば叶うって時にすぐ出なきゃ嘘だと思ってるんですよ。

mitsu:目的を形に、言葉に出来るっていう。

卓偉:そうそう。だから、それがない人生とか、「夢って、何だっけな?」って言うって、ちょっと寂しいことだなって僕は思うんですよ。常日頃抱いてるものがあって夢だし。そういう感覚は常に貧乏くさいけど持っててですね。

mitsu:いやー、嬉しいです。自分、2年間絶望だって言ったのは、人それぞれあると思うんです。例えば数字が落ちるとか。僕はどっちかっていうとその2年間、夢がないって言ってたんですよ。すごい今じゃありえないっていうか。目標が見つからなかったんですよ。昔で言ったら、オリコンで1位とりたいとか、武道館でライブがしたいとか、メジャーデビューしたいとか、明確な…。明確じゃないんですけど、むしろ大雑把なんですけど、そういう漠然としたものがあったんですけど。今は、それが見つかってから数字も含めて上手く転がり出して。お客さんに言ってるかどうかすら怪しいところなんですけど、「それが出てるのかな、何かに」って思ってからは、目が変わったのかもしれないですけど。

卓偉:絶対そっちの方がいい。例えばじゃあ武道館って言ったけど、僕も憧れはあるけど、武道館立ちたいっていう感覚と、本当に自分のことを愛してくれるファン10000人が入った武道館に立つのとは、意味が全然違うし。

mitsu:全然違いますね。

卓偉:そうそう。武道館で出来て、お客さんが埋まってるけど、ミーハーな人たちで埋まってる武道館でいいの? とか。そっちの方が最短距離で行けて、簡単に叶うことだってあるかもしれない。だけど、何年先か分かんないけど、本当に自分を支持してくれた人で埋まった武道館で、最後の引退ライブが武道館でしたってなるならやっぱりそっちをとりたいって思うんでね。だからものの価値というか真意というか、そういうことを冷静に受け止めるれようになると人生はすごい楽で。そんな2年絶望だったっていう言い方がポップに言えるのはすごくいいと思うけど、そんなこと言ったら僕なんか、と21から33まで人生絶望だったからね(笑)。

mitsu:えー、そうなんですね。

卓偉:思い通りにならなくてね。でもその時に腐らずに、自分で言うのもなんだけど、ちゃんと勉強し続けてきてたからこそ曲も書き続けられるのかなとも思うし、探し続けてきたからこそ今があるのかなと思うし、だからね。

mitsu:でも、そう思うってことは、自分はまだとか、何か自分に信じてるものがあったからそう思うわけじゃないですか。自分を信じてなかったら、絶望も何も別に今でいいや、みたいになっちゃうと思うから。

卓偉:そうそう、だから詰まるとこ、自分しか信じてないよね、音楽論に関しては(笑)。

mitsu:それはやっぱり、自分の中の中島卓偉さんっていう像にすごくははまってるなーって思って、勝手に嬉しくなります。

卓偉:いやいや、漢字とかあんまり書けないけど、自信って自分を信じるってことじゃん? 自分を信じれなくて、何が出来んのかっていう自問自答なんですよね。4年くらい前に喉を潰して、お医者さんに声が戻るか戻んないか、申し訳ないけど50%だよってとこまでやっちゃったことがあって、その時はすごく落ち込んだよね。これは自信喪失だなと思って、歌えなくなったら、性格上きっぱり諦めんのかなって、そういうことも考えてたんだけど、やっぱり自分を信じることによって奇跡的に…、先生にも「これは奇跡だよ!」って言われるくらい回復も。リハビリもしたんですけどね。そういうことがあって今に至るので、よっぽど喉のケアとか、ステージに立つために自分がどういう努力をしたらいいかとかを考えるようにはなったんですけど。やっぱり自分を信じてる人の音楽を聴きたいじゃないですか。自分を信じてる人のステージを見たいですし。それはラーメン屋でも寿司屋でもいいんですよ。「このラーメンが一番美味いと思うんですよ。どうですか?」って言ってる店長が作ったラーメンを食いたいって思うから。それだけで絶対美味しいと思うしね。「この味、どうですかね? 美味しいと思うんですけど」って言ってるラーメンなんて食いたくないってね。

mitsu:ライブが終わった後に「どうでした?」って人にいう人とかね。

卓偉:そうそう。

mitsu:あー、分かります。以前に卓偉さんのツーマンのお話を河西さんから頂いた時に、サポートメンバーのスケジュールが合わなかったんですけど、卓偉さんはきっかけをもらった人っていうのもあるし、自分勝手に自分じゃなきゃ見せれないもの、自分が見せたいものじゃなきゃやだみたいなエゴもあったんですね。それで今回のお話を頂いた時に、自分のマインド的に楽しくっていうとちょっと幼稚ですけど、やっと楽しく出来るようになって、失礼かも知れないんですけど、あの時じゃなくて良かったなって思ってる自分もいます。

卓偉:いや、タイミングはありますよね。

mitsu:だからすごい今回が嬉しいです!

卓偉:人間関係もそうですし、いろんな運もそうですし、全てにおけるスケジュールとかって、絶対タイミングってあって。僕も20代の絶望的だった時期ってのは、その時期は学ばなきゃいけなかったことだったのかなみたいな。もう、大殺界が13年くらい続いてる感じですよ(笑)。でも別に楽しくなかったかって言ったら、それはそんなことないですし、その中でも楽しさを見つけてれば、楽しくなるわけじゃないですか。そういう人の巡り合わせっていうのは、やっぱり全部いいタイミングっていうのがあるんでしょうね。

mitsu:自分も最近はそれをすごく信じてます。

卓偉:いや〜、いい話ですね。

mitsu:すみません、質問をまた脱線しちゃって。

一同:(笑)

 

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LIVE INFOライブ情報

Shinjuku Loft「master+mind」presents【Rock is Culture 2018】

2018年02月15日(木)新宿LOFT

OPEN 18:15 / START 19:00

前売り 4000円 / 当日 4500円(共にドリンク代500円別)

※未就学児童入場不可

【出演】

中島卓偉 / mitsu(50音順表記)

【前売りチケット:発売中!】

・ e+一般(Bチケット)

・ LOFT店頭(Bチケット)

・ ローソン(Cチケット/L:73077)

【入場順】

1. Aチケット(e+プレオーダー/受付終了)

2. Bチケット(e+一般・LOFT店頭)の並列

3. Cチケット(ローソン)

【主催・企画・制作】

新宿LOFT / master+mind

【協力】

ライカエジソン / 自主盤倶楽部 / ZEAL LINK / ブランドエックス / little HEARTS.

【お問い合わせ】

新宿LOFT 03-5272-0382

 
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