新宿LOFTでの忘れられないエピソード
——LOFTでの忘れられないエピソードを1つお願いします!
靖乃:そりゃもう、打ち上げしかなくない?(笑)
——なんでも大丈夫です(笑)。失敗談、トラブル、嬉しかったこととか。
seek:だってKraとのツーマンだけでもいっぱいしてますからね。
景夕:うん。
seek:今回、LOFTは3回目ですか?
——そうですね。
靖乃:LOFTでツーマンやんの、まだ3回?
景夕:3回。
靖乃:あっ、あれや。毎回seekさんが打ち上げにおるからもっとやってる感じや(笑)。
seek:俺が勝手に潜り込んでるからおる感じがするのと、地方でもやってるからっすね。
景夕:LOFTでのミックスとの思い出で、失敗談っていうほどじゃないですけど。1番最初にミックスの衣装を借りてアンコールに出た時に、seekさんのを借りたんですけど、この話はライブ中にも言ったんですけど、seekさんの衣装のマスクの鼻が塞がってるんですよね。歌う時に今まで無意識だったんですけど、どれだけ吐き出しつつ、同時に鼻から呼吸をしてたんだろうっていうのが、すごい分かった瞬間で。「あっ、俺だめだ! 鼻塞いだら歌えないんだ」って(笑)。
一同:(笑)
seek:ステージに出てからね(笑)。
景夕:出てから思って(笑)。
靖乃:そうか、被って楽屋で喋ってるレベルの感じやとそこまで。
景夕:ああ、ここ塞がってるんだな、くらいで済んでたんですけど。あれは、失敗談というかは、良い経験でしたね。
seek:Sさんはないんすか?
S:LOFTの思い出…。
seek:Sさんは各会場の思い出というか、会場を覚えないっすからね。
一同:(笑)
S:覚えない…。
seek:こんだけ一緒にツアーを回ってて、「明日はどこそこやったから、あそこから搬入やな」とか、「あそこの搬入大変やな」とか言っても、「全然覚えてないわ」とか言うから(笑)。
S:そうっすね。ただ、思い出じゃないですけど僕でも分かるのは、LOFTってロックの伝統だ、みたいなイメージがあって、そこでツーマンしたり、ワンマンしたりしていることに、なんか変な気持ちになることは多々あるんですよ。こんなとこ立ってええんや、みたいなのは、いつも思う。そういうのを思わせるライブハウスって、今までに僕は2つだけなんですけど。勝手に自分の中でなんですけど、それが難波ROCKETSとLOFTで。だから、難波ROCKETSに出た時と、LOFTに出た時は、LOFTに立ってるんやーって思っちゃう。
靖乃:あの伝説の場所に俺がいるわーって?
S:っていう気持ちに、毎回させてもらえるライブハウスかな、みたいな。
seek:LOFTのエピソード…、思ったほどオムライスを食べてないかもしれない(笑)。
一同:(笑)
seek:毎回、必ず打ち上げで出してもらってるのに、俺は気がついたらそないオムライス食ってないかもなって、いっつも帰りしなに思ってて。
景夕:確かに、お酒飲むとあんま食べない派ですよね。
seek:そうっすね。思い出がありすぎますからね、LOFTはね。日本のライブハウスの中で、Betaは泊まってましたから、多分泊まってないくらいじゃないですか、LOFTは俺ん中で(笑)。
一同:へー!
seek:バイトしてた時に、帰りの電車がなくて、バスドラを包んでる毛布に包まって寝るっていうのはしてましたね。いつもLOFTの階段を登った時に陽が出てたら罪悪感あるなっていうのは、ありますけども(笑)。あの陽を見て景夕さんが「もう1軒行きますか!」ってなった時に、「元気やな!」って思います(笑)。
一同:(笑)
景夕:いやー、俺それ、失敗談かもしれない(笑)。
一同:(笑)
景夕:何でしょうね、行きたくなっちゃうんですよね、次に(笑)。
seek:不思議な、やっぱり人が集まるのが分かるっていうか。っていうエピソードくらいで大丈夫ですか? もうちょっとちゃんとしたエピソードの方が…。
——大丈夫です(笑)。
靖乃:俺はもう、Sさんと近い感じで、「あの新宿LOFTに俺、出てるんやな」みたいな。Kraがさ、LOFTに出るようになったのって結構後やん?
景夕:うん。
靖乃:だから、やっと出してもらえるようになったんやな、みたいなさ。別に拒まれてたわけじゃないんだろうけど、たまたまタイミング的にみたいな。
seek:俺らもなんかやっぱりLOFTに対して、ヴィジュアル系の敷居が勝手に高いってすごく思ってて、どのバンドも多分言うと思うんですけど、なんかあったんすよね。でも、よくよく話を聞くと、やっぱり早い段階で幸也さんも出られてたりとか、MALICE MIZERさんが出てはったりとかで、「そういうヴィジュアル系のバンドさんも出てはるんや」みたいなのを後で知るというか。俺らがヴィジュアル系でバンド始めましたみたいな時は、「ヴィジュアル系はあんま出させてもらえへんらしいで」じゃないけど、そういうイメージが勝手にあって。
靖乃:ギターロック系のフェスと同じような感じで、ちょっとお断り感なのかな、みたいなのを勝手に俺らの方で考えてもうてたんかもしれへんけど、それこそずっと10年来バンドをやってきてんのの中で出る機会があまりにもなくて。それまでに渋公(渋谷公会堂)とか、野音(日比谷野外音楽堂)とかやっててっていうのよりも、すごい遠い場所やった感じがしてたというか。俺の中で新宿LOFTって名前を聞いて、頭ん中でバンって直結してたのは、黒夢がライブをやっててライブ中に停電して、っていうののあのエピソードとあの音源のそのイメージが、すごい鮮烈に残ってたから。初めて出させてもらって、中に入れてもらって、ライブするってなった時に、すごい変な言い方やけど、思いの外、「あっ、そんなにだだっ広いとこって感じでもないんだな」って思ったっていう部分で、結構ホームな感じがするというか、暖かさをめっちゃ感じたっていうのと、それと同時にやっぱり新宿の歌舞伎町っていうところでこれだけのスペースがあるっていうスケールの広さをずっとキープしてきはったっていう、その老舗の強さみたいなのを同時に感じてみたいな、そういうとこかな。勝手にね、すごい作り上げたユートピアみたいなとこやったんすよ。どこのライブハウスよりも、1番イメージできてなかったかも。実際ね、もう今は何回も出してもらってるから知ってるし、「あっ、ここね」って分かんねんけど、そこに辿り着くまでの道のりが結構長かったから、勝手に自分の中での想像図がすごくて、1番初めはそれとあんまりリンクせーへんかったかな。「あの新宿LOFTに!」みたいなとこで言うと、ほんと一緒。多分そんな感じ。
——この世代はそうかもしれないですね。働いてる自分が言うのもなんですけど、私も「あの新宿LOFT」って思って働いているので。
S:あの床の黒と白を見た時に、「おぉー!」って思いましたもん。初めて出た時に。
靖乃:聖地に来たなって感じね(笑)。
S:そんな感じになりましたもん(笑)。
seek:僕はやっぱ、担当の河西さんのアレが大きいんじゃないんですかね。いろんなバンドさんのこの対談を読むんですけど、だいぶイエガーが浸透してきてるのも、河西さんの影響なんちゃうかなーと。
一同:(笑)
seek:河西さんがこの数年積み上げてきたものが、だいぶイメージついてきたんじゃないかなって。これから出るバンドマンは、イエガー飲まなあかんのかってなってるんやろうなって(笑)。
一同:(笑)
靖乃:体良うなってまうなぁって(笑)。
seek:っていうイメージは、だいぶついてきたんじゃないですかね(笑)。