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INTERVIEW

トップインタビュー瀬音&kazu(STEREO.C.K)×桜井アヲ(LAB.THE BASEMENT)×ryo(HOLLOWGRAM)[web Rooftop2014年7月]

2014年8月2日、新宿LOFTにて開催される「STEREO.C.K & SHINJUKU LOFT presents STEREO.C.K 1st Mini Album【Switch】発売記念LIVE『slow butterfly 04』」出演の瀬音(STEREO.C.K)、桜井アヲ(LAB.THE BASEMENT)、ryo(HOLLOWGRAM)のヴォーカル3人にkazu(STEREO.C.K)を迎えた対談を決行!

2014.07.24

替えがきかないヴォーカル

──音楽のジャンル問わず、尊敬している人と、どういったところに惹かれたか教えてください。

アヲ:ギターで言ったらこの人ってなっちゃうけれど、ヴォーカルとして尊敬してるってなると、やっぱり限られちゃいますよね。当然、櫻井敦司(BUCK-TICK)大先生と、広石武彦(UP-BEAT)大先生と、遠藤遼一(SOFT BALLET)大先生は、日本三大神だと思ってるんで。書く歌詞やメロディ・ラインとか、とにかくヴォーカルの世界観がバンドを引っ張って行ってるなって。やっぱり3人とも替えがきかないヴォーカルですよね。最近は、ヴォーカルなのに華がなくて、後ろが強いから、上手くてこのクオリティを保てるなら、このヴォーカルじゃなくてもいいんじゃないっていうバンドって結構いますよね。

ryo:昔って真逆でしたよね。

アヲ:そうそう。このヴォーカルがいなくなっちゃったら、このバンドは絶対成立しないっていうのが、95年ぐらいまでのヴィジュアル系だったりするんですけどね。

kazu:なんだったら、なんでヴォーカルになろうと思ったんだろうっていう歌の人がヴォーカルですからね。

アヲ:それはやっぱり多いよね〜。ヴォーカルがそんなに上手くないっていうのは、ヴィジュアル系だけの文化だと思ってたんですよ。いろんなバンドを観るようになってから、とんでもなかったということを思い知りましたよね。

ryo:僕らは、僕らのシーンが詳しいからそういう所が目についただけって感じなんですかね。

アヲ:そうそうそう。普通のバンドってもっとみんなヴォーカル上手いって勝手に思ってたんですけど、そんなことはないですね(笑)。この世の果てみたいな歌い方をする人、いますよね。

一同:(笑)

アヲ:なんかズレちゃいましたけど、僕はやっぱりその3人を尊敬してます。

ryo:同意見です。僕はアヲさんが挙げた方々ももちろん尊敬してるし大好きなんですけど、そこに更に憧れを持って加えるなら、氷室さんとデヴィッド・シルヴィアンですね。スタイルとか音楽性も込みなんですけど、この人たちの声の質感ですね。ずっと聴いていられるんですよね。あとトム・ヨークも好きですね。

アヲ:声が全部濡れてますよね。

ryo:そうなんですよ。言ってみれば、氷室さんとかは割とバックボーンに西城秀樹さん臭が若干して、ちょっとハスキーな感じもあるんですけど、色気がすごいあって、ウエットな感じがするんですよ。深みがある感じの声の方々は、今名前を挙げた方以外の人も、すごい尊敬しちゃいますね。多分きっと持ってる声は、その人の持ち味だけじゃなくて、考え方や生き方が全部声に出てくるんじゃないかなと思うんですけどね。

アヲ:あと、替えがきかない声ですよね。僕が今挙げた人もそうだし、氷室さんとかもそうだし、思うんですけど、替えがきかない声じゃないですか。あの人しか出せない声ですよね。あの声の人って聴いたことがないんですよ。

ryo:昔は歌唱法とかトレーニングの仕方って、あんまり認知されてなかったんですよ。練習すればするだけ喉を潰す人とかもいっぱいいたじゃないですか。でも今の時代って、割とこうすると上手くなるっていうのが、昔に比べればだいぶ出来てきてると思うんですよ。ヴォーカルとしてはいい環境かもしれないんですけど、そういう人たちがすごくいっぱい出てきて、さっきアヲさんが言ったような個性の塊のような人たちがいるんでしょうけど、個性というより歌の上手い方たちっていう部分が前にフィーチャーされて、個性が突き抜けた人が目立たなくなってきているような気もしますね。

アヲ:ちょっと誤解を招く発言かもしれないんですけど、僕が好きだって挙げた人たちって最初っから上手かった人たちではなかったと思うんですよ。ちょっと矛盾するんですけど、上手いヴォーカルって最初っから上手いんですよ。だけど、上手いと格好いいって違うじゃないですか。なんかね、やっぱり格好よかったんですよ。ステージ・アクションとかも、今それやったらきっとダサイのかもしれないんですけど、80's独特のカクカクした動きが、格好いいんですよ。でも今はそういうんじゃないし、ライブビデオを観ていても、昔の方が面白かったからね。

stereo_03.jpgHOLLOWGRAM_03.jpgLAB.THE BASEMENT_03.jpgkazu:今のヴォーカルの人って似てますよね。声というか質感というか。

アヲ:似てるー。質感も歌い方も似てるし、スタイルも似てるし。とりあえず目の前にまず台を置かなきゃいけないってところも。

kazu:見た目はともかく、歌って、ある程度誰でも同じように出来るんですか? ほんと似てるじゃないですか!

ryo:えっと…分かんないです(笑)。

kazu:それこそ90年代なんて、5バンドぐらいで対バンしたらヴォーカルはもうめちゃくちゃじゃないですか。

アヲ:いろいろいましたよね〜。

ryo:振り切ってる人たちばっかり。

アヲ:帰りの機材車の中で、「あれは酷かったよね〜、ゲラゲラゲラ(笑)」って。

ryo:今はなんでしょうね。なんて言うか…。

アヲ:うちらはそういった古い世代を聴いて育ってるじゃないですか。今20歳くらいの子たちって何を聴いて育ったかってことですよ。その「何」ですよね。みんながそれを聴いて育ったら、そりゃみんな似ますよね。当然その歌い方の元になってる人も、さっき話されたように歌唱法か僕は分からないですけど、そういう風な感じで自分のヴォーカルスタイルを確立していたら、自動的にそうなっていきますよね。なんか深いい話になってきちゃいましたね(笑)。

ryo:尊敬するというと、個性のある、格好いいっていうものを1番大きく持っているヴォーカルの方に憧れるし、尊敬もするし、そうなりたいなとも思いますね。

アヲ:なってるじゃないですかぁ〜。

ryo:いやいやいや。

アヲ:もうやだなぁ〜。

ryo:(笑)敵だ! 敵がいるぞー!!

一同:(笑)

kazu:後は、ちょうど最近ご一緒させてもらったんですけど、祐さんですね。

アヲ:新宿心音会(板谷祐)は、半端ないですよね。祐さんと言えばね、歌もいいし、格好いいし、かわいいし。素晴らしい!

──瀬音さんは?

瀬音:俺はヴォーカルを始めたきっかけというか、その時すごい大好きだったDIR EN GREYの京さんですね。

アヲ:ですよね〜。

一同:(笑)

瀬音:で、たまたまテレビを観てて『アクロの丘』のPVが流れた時に、「すごい華があるヴォーカリストだな、この人に会ってみたいな」って思って、憧れてずっとバンドやっていて、やっと出会えてライブを観させてもらった時に、「あぁやっぱりこの人を好きで良かった」って。声というか感情というか、歌に全部乗せてるなって。言葉に乗せて傷みが飛んでくるっていうのを味わって、「こういう人はすごいな、尊敬出来るな」って。今もそれは変わってないですね。

アヲ:素晴らしいですね。京くんって、僕ねDIRを聴いて思うんですけど、歩く楽器ですよね。あの声帯ってどうなってんだろうって。

ryo:いやー、真似出来ないですね。

アヲ:あれは多分、世界であの人だけじゃないかなって。

ryo:年代がすごく近くて、昔から知ってるヴォーカルの1人なんですけど、成長の幅も広いし、伸びしろもすごいし、びっくりしますね。素晴らしい。

アヲ:結構なオクターヴ出ますよね。シャウトも細いのから、ド太いのまで。どうなってるんだろうって。

ryo:全部、自分の喉でやっちゃうってのがすごいですね。彼も替えがきかないですね。

 

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LIVE INFOライブ情報

STEREO.C.K & SHINJUKU LOFT presents
STEREO.C.K 1st Mini Album【Switch】発売記念LIVE 『slow butterfly 04』
〜supported by master+mind〜

【日程・会場】
2014年8月2日(土)新宿LOFT
【時間】
OPEN 18:30/START 19:00
【料金】
前売 3,500円/当日 4,000円(共にドリンク代500円別)
【出演】
STEREO.C.KHOLLOWGRAMLAB.THE BASEMENT
【チケット発売場所】
Aチケットは受付終了。Bチケットは、LOFT店頭&e+&ローソン(L:77121)にて発売中!!
【入場順】
① Aチケット
② Bチケットの並列
【特典】
① 全バンドの各メンバーサイン入りイベント・ステッカーを抽選で5名様にプレゼント!!
② 入場者全員に「slow butterfly」特別フリーペーパー【STEREO.LOFT #04】をプレゼント!! 今回は瀬音、桜井アヲ、ryo、kazuの対談を掲載!(webにて掲載していない内容です☆)
③ 各バンド考案のオリジナルカクテル販売有り!

ALab RECORDS & SHINJUKU LOFT presents 【After Party of sb】
〜supported by master+mind〜

【日程・会場】
2014年8月2日(土)新宿LOFT ライブホール側のみ
【時間】
OPEN 24:00/START 25:00
【料金】
前売 3,000円/当日 3,500円(共にドリンク代500円別)
【出演】
DIMMDIVISION.TAG-eS-emmurée間瀬大(タケイミゼル)
【チケット発売場所】
LOFT店頭&e+&ローソン(L:74598)にて発売中!!
【入場順】
各前売りチケットの並列
【注意事項】
◎深夜公演の為、18歳未満及び高校在学中の方はご入場出来ません。
◎入場時にID CHECKを実施しております。顔写真付きで生年月日が記載されている身分証明書を必ずお持ち下さい。
◎20歳未満の方へのたばこ、アルコール類の販売は、一切お断り致します。

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