今年で結成10周年を迎えたギルガメッシュが、自身初となるベストアルバム『LIVE BEST』を3月26日にリリースする。今作は、"ライヴ・バンド"ギルガメッシュならではの選曲となり、現在もライヴで演奏されている曲、オーディエンスと共に成長してきた19曲を最新のサウンドにリミックスして収録。これから出会うファンはギルガメッシュを知る1枚として、そしてこれまでのファンも新鮮な気持ちで聴くことが出来る作品ではないだろうか。
昨年は活動を休止してファンをヤキモキさせた彼らだが、この作品をリリースし、4月1日からは日本国内のツアーをスタート、5月・6月にはヨーロッパツアーに行なうことが発表されている。10周年を迎え、より精力的に活動をしていくとのこと。再びエンジンをフル回転した彼らの今年の活動から目が離せない!(interview:河西香織/構成:やまだともこ)
音楽に人生を変えられて、音楽に救われた10年だった
── 今回はバンドが結成して10周年ということでベストアルバム『LIVE BEST』をリリースしますが、まずこの10年を振り返っていかがですか? ようやく10年という感じですか?
Яyo(Dr.):あっという間ですね。
弐(Gt.):普通に10年と言ったら長い時間だと思いますけど、日々が濃かったのか、個人的には気付いたらここにいたみたいな感じです。早かったですね。
── 愁さんはどうですか?
愁(Ba.):僕もあっという間に感じてます。ここから10年後を想像するとすごく長いけれど、それを過ごしてきたんだなと思うと、弐さんが言っていた通り、その場その場で一生懸命やってきたから、あっという間だったのかなと思ったり。振り返る暇もなかったですしね。常に進み続けて来た感じもありますし、闇雲にひたすらトンネルを掘って、10年ってところで一旦ゴールに達して、その時にかき集めてきた金貨というか出来上がった曲を収録したベストアルバムという感じですね。
── そしたら今回のベストアルバムは19曲収録ですけど、それでも足りないぐらいですね。
愁:ほんとはそうですね。
── 左迅さんは10年を振り返ってどうですか?
左迅(Vo.):音楽に人生変えられて、音楽に救われた10年だったなって思いますね。音楽やってなかったら、ただのオタクだったんで。
── 何オタクなんですか?
左迅:アニメオタクです。最近まわりから、「音楽やってて良かったよね」って言われるぐらいヒドイみたいで(苦笑)。ほんとに音楽やってて良かったなってしみじみ思います(笑)。
── 結成した当時は、ここまでバンドが続く想像はしてましたか?
左迅:未来のことはそこまで考えていなかったですね。若かったし、心配もなかったし。根拠のない自信だけで突っ走ってたという感じです。ただがむしゃらに音楽をやり続けてきた10年間だと思います。
── もう今は続けていく以外考えられないというか。
左迅:ほんとそうですよ。
── 結成した当時に比べると、今バンドに向き合ってる気持ちって全然違うものですか?
左迅:全然違いますね。始めた当初は独りよがりで、自分の怒りやモヤモヤを全部音楽にぶつけてたんです。だけど、スタッフ、バンド仲間、ファンなど、関わってくれる人たちがどんどん増えて輪が広がってきて、責任感って言うんですかね。そういうものを背負っているところが、結成当初とは全然違うところかなと思います。
── バンド活動の転機としてはいつぐらいだったと思いますか?
左迅:3枚目のアルバムの『MUSIC』を2008年にリリースして47都道府県ツアーに回った時に、日本中にいるファンの声をたくさん聞いたんです。ギルガメッシュの音楽で人生変えられましたとか、ギルガメッシュの音楽があるから心が支えられてますとか。そういう言葉をもらって、せっかく音楽をやっているんだから、誰かの光になれる歌を歌いたいって思ったのがその時期で、それぐらいから責任を感じるようになって、曲や歌詞がどんどん変わっていきました。
── 昨年の活動休止期間も転機のひとつになったと思いますが、2008年の時に感じた気持ちとは全然違うものなんですか?
左迅:そうですね。2008年の時にあったバンドの結束力や反骨精神、そしてギルガメッシュのサウンドの根底にあるものをその期間で思い出して、昨年は煮えたぎっていた頃の感覚に一周回って戻って来た感じですね。反骨精神がバンドを突き動かす原動力であり、たぶんガソリンになってるんだと思うんです。常にそういうものと戦っているからこそ、バンドがやれてるんじゃないかなと思います。
── この10年の活動歴の中で、ベストアルバムのリリースは初めてになるんですか?
左迅:ベストは初めてです。10周年だから大きな節目として記念で出したいという話になって。ただ、シングル曲をまとめて出すという、所謂普通のベストアルバムには絶対にしたくないと思っていたんです。それでライヴでよくやる曲を今のサウンドにリミックスして、1枚にまとめたら昔からのファンの人にも楽しんでもらえるかなと思い、この作品が出来ました。
── やはりライヴを意識して選曲していったんですね。
左迅:そうです。昨年11月にリリースしたアルバム『MONSTER』を除いて5枚アルバムを出していて、その中で今でもライヴのセットリストに組み込まれる曲、オーディエンスと一緒に成長してきた曲ばかりが入っていて、この10年間のライヴで磨き上げてきた曲がこの19曲だと思います。
── 今作はこれまでの作品を最新のサウンドにリミックスしたとのことですが、特にどこに重きを置いてリミックスされましたか?
Яyo:原曲の雰囲気や印象は絶対あると思うんで、そこは崩さずに。ギルガメッシュをすごく聴いてくれているヘヴィーリスナーの人にも、「あっ、この曲こんな風に変わってる」とか思って欲しくて原曲の印象を残しつつ、今のサウンドでパワフルになって帰って来るみたいな、そういうイメージでやりましたね。あとはこれからギルガメッシュに触れる新しいお客さんにもわかりやすいようにを考えました。
── 今ライヴで演奏している形って、リリースした当時に比べるとちょっとずつ変わってるじゃないですか。
Яyo:そうなんです。なので、全部ライヴバージョンにしています。
── リミックスの作業はかなり時間がかかったんですか?
Яyo:いやぁ死にましたね、ほんとに。『MONSTER』を作り終わった直後から長い時間かけて。空いてる時間にやったり、地方でのライヴの合間を使って。この19曲を印象変えずに、きれいにバランスよく聴かせるというのは大変でしたね。『Future』って曲は配信限定だけだったので、敢えて手を加えていませんが。