Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューCo/SS/gZ[コーパス・グラインダーズ](Rooftop2014年3月)

血まみれの超弩級爆音鬼、地獄の底から生還!
ジャンクもノイズも呑み込んだ尋常ならざる轟音、その復活の真意

2014.03.01

コーパスは意外と王道だったのかもしれない

copass_2014.JPG──今回の復活に合わせて、キングから発売されて長らく廃盤状態が続いていた『Kr/A/sH!』と『rock'n'roll』がそれぞれ<音圧鬼盤>としてリマスター再発されるのも大きなトピックのひとつですね。
ZERO:一応、名越君と俺が監修という形でリマスタリングに立ち会ったんだけど、ほとんど名越君にお任せだった。俺は所々で「ヨシ!」って言うだけ(笑)。『kocorono』のアナログ盤が出るって知って、デザインを手がけた俺は何も聞かされてなかったのよ。それで「これはどういうことよ!?」ってツイートしたことでキングの担当の人と知り合ったんだけど、それもようちゃんが「コーパスも再発まで持っていけや!」ってつなげてくれたのかな? と思ってね。
──それにしても、リマスター盤はどちらもlowがグッと際立って、轟音の立体感が見違えるほど増しましたね。音圧も凄まじく凶暴になっているし。
名越:ちょっとlowを出しすぎたかな?(笑) スタジオのラージ・スピーカーで聴くと、エンドもしっかり聴こえていいなと思ったんだけど、家に帰って小さいスピーカーで聴くと、低音域がちゃんと再生できないかな? と思ってね。でも、プレスしたらギュッとなってちょうど良くなるだろうから、まぁいいかなと。
──リマスタリングで重きを置いたのはどんなところだったんですか。
名越:『Kr/A/sH!』と『rock'n'roll』では、もともとの音質が全然違ったんだよね。『Kr/A/sH!』はどういうわけか下の音がなかったし、スネアの音も軽く録れてた。でも演奏した時の感覚は覚えていたので、それに近づけようとしたね。
──『kocorono 完全盤』のリマスター同様、今回も積み木(振動を抑えるための制振材)は大活躍だったんですか。
名越:『rock'n'roll』のほうで使ったね。マスターがアナログだったから。
──2枚とも貴重なボーナス・トラックが追加されて、合計トラック数も収録尺もほぼ倍になっているのが凄いですけど(笑)。
ZERO:『rock'n'roll』にはハックフィンのライブを丸々1本入れたんだよね。
名越:あのライブ音源の元はビデオ?
ZERO:うん。あと、9曲目の「SILVER」は7インチで出した『COBRA』のカップリング。
大地:音がポンポコ言ってるよね。「こんな練習用のカセットみたいな音だったんだ!?」と思ってさ(笑)。
名越:あれは『rock'n'roll』を録る前で、アレンジもちょっと違うんだよね。
──『rock'n'roll』は元の収録時間が短かったから、これだけボーナストラックを入れられたっていう話もありますよね。
名越:確かに、30分台で終わるもんね(笑)。
ZERO:しかも、「INVADER」なんて即興だったしね。「もっと他にないのか?」ってエンジニアに言われてさ。
大地:そうそう、尺を埋めるためにその場で作ったんだった(笑)。
──とてもそんなふうには思えませんけどね。今改めてこの2枚を聴き直してみて如何ですか。
名越:「こんなことやってたんだなぁ」って言うか、意外と細かいことをやってたんだなと思った。あと、「ここ間違えてたんだ」って気がついたところもあったね。違うコードのままレコーディングしてたっていう(笑)。
ZERO:大地が入って直後くらいだったか、「コーパスってライブで見るとデタラメみたいだけど、実はキメとか凄くちゃんとしてるんだね」って言われたのをよく覚えてるんだよ。
大地:ああ、それは言ったかもしれない。自分が入る前のコーパスは、もの凄くダークな印象があったんですよ。如何にも悪そうで怖い感じって言うか。それがいざ入ってみたら温和な雰囲気で、プレイも自由で、割と何でもやっていいんだなっていうのが意外でしたね。初めてアメリカへ行った時も伸び伸びとしてホントに楽しかったし。まぁ、名越君は「こいつ、何を勝手にやってんだよ?」ってピリピリしてたかもしれないけど(笑)。
──リマスター盤は音像が恐ろしくクリアになったせいか、音だけ聴いたら今のバンドのようにも思えますよね。
大地:確かに。古くさい感じはないですよね。コーパスって意外と王道だったのかもしれない。『rock'n'roll』は特にそういうアルバムじゃないですかね。昔、あるインタビューで「『J』ってエバーグリーンな曲ですよね」って言われたことがあるんですよ。
名越:あったね。「エバーグリーン? 何ですかそれ?」って聞き返してね(笑)。
大地:そうそう。で、「『時を経ても色褪せないスタンダード』ですよ」って言われて。確かにコーパスの曲っていつ聴いても「ウォーッ!」って気持ちが凄い盛り上がるんですよ。
名越:「J」は、俺はスライ&ザ・ファミリー・ストーンのつもりで弾いてただけなんだけどね(笑)。
ZERO:俺は最初のリフをハードコアのつもりで弾いてたの。でも、その後のドラムが俺の意図してないノリになったから「J」はあんな感じになったんだよ。
大地:レスザンTVの『TVVA』に入ってる「J」がすっげぇ格好いいんだよね。
名越:熊ちゃんが叩いたテイクね。ラジカセで録ったやつだ。
大地:あれを聴いて、コーパス格好いいな! と思ったんだよ。
ZERO:でもあれ、名越君がベースを差し替えてるから。だから格好いいんだよ(笑)。
 

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Kr/A/sH!≪音圧鬼盤≫

キングレコード KICS-3049
定価:2,500円+税
2014年4月23日(水)発売
初回プレスのみ紙ジャケット仕様
*ジャケットは仮のものです。変更となる場合があります。
オリジナル盤:1996年3月23日発売/KICS-534(廃盤)

amazonで購入

【収録曲】
01. Ne/H/eL
02. COBRA
03. MONGOOSE
04. BAT
05. JUICE(*1)
06. KRASH!
07. MONEY
08. OGRE
09. J
10. 四畳半の神様
11. LOST
12. 血まみれ
13. Bitch! Bitch! Bitch!【BONUS TRACK】(*2)
14. SURFING VIETNAM【BONUS TRACK】(*3)
15. COBRA【BONUS TRACK】(*3)
16. GOLD YOUTH【BONUS TRACK】(*3)
17. REVOLVER【BONUS TRACK】(*3)
(*1)オリジナル盤のTrack99 にあったバージョン
(*2)『シンデレラV.A. I HATE DANCE....Why?』(KICS-535)より
(*3)COPASS GRINDERZ / SURFING VIETNAM 7'Vinyl(PUSMORT-600674)より

rock'n'roll≪音圧鬼盤≫

キングレコード KICS-3050
定価:2,500円+税
2014年4月23日(水)発売
初回プレスのみ紙ジャケット仕様
*ジャケットは仮のものです。変更となる場合があります。
オリジナル盤:1997年10月22日発売/KICS-647(廃盤)

amazonで購入

【収録曲】
01. rock'n'roll
02. SILVER
03. BOOSTER
04. REVOLVER
05. MONSTER
06. INVADER
07. HEY HEY, MY MY
08. ANSWER(SUPER STAR)
09. SILVER【BONUS TRACK】(*1)
10. rock'n'roll【BONUS TRACK】(*2)
11. SILVER【BONUS TRACK】(*2)
12. BOOSTER【BONUS TRACK】(*2)
13. REVOLVER【BONUS TRACK】(*2)
14. MONEY【BONUS TRACK】(*2)
15. J【BONUS TRACK】(*2)
16. ANSWER(SUPER STAR)【BONUS TRACK】(*2)
17. COBRA【BONUS TRACK】(*2)
(*1)Co/ss/griNDErZ//『COBRA/SILVER』7'Vinyl(T/7-01)より
(*2)1997年9月14日、名古屋HUCK FINNでのライブより

Yes, We Love butchers 〜Tribute to bloodthirsty butchers〜
「Night Walking」

日本クラウン CRCP-40366
定価:2,857円+税
2014年3月26日(水)発売
*Co/SS/gZは「7月/july」で参加。また、名越由貴夫はueken butchers projectの「august/8月」にも参加。

amazonで購入

【収録曲】
01. ART-SCHOOL「ファウスト」
02. bed「ソレダケ」
03. Co/SS/gZ「7月/july」
04. Discharming man「no future」
05. eastern youth「Never Give Up」
06. きのこ帝国「discordman」
07. MO'SOME TONEBENDER「ロスト・イン・タイム」
08. 少年ナイフ「ファウスト」
09. SiNE「燃える、想い」
10. タルトタタン「ピンチ」
11. ueken butchers project「august/8月」
上田健司(b)、Chara(vo)、名越由貴夫(g)、暴動[グループ魂](g)、ASA-CHANG(per)、小松正宏(ds)

LIVE INFOライブ情報

TASTE presents LIVE AKTION 1 “WHO KILLED...?”(ONE-MAN)
2014年5月25日(日)東京都:新代田FEVER
OPEN 18:00/START 19:00
前売 1,800円/当日 2,300円(共にDRINK代別)
チケットはローソン(Lコード:78838)、e+にて発売中
【問い合わせ】FEVER 03-6304-7899

TASTE presents LIVE AKTION 2 “WHO KILLED...?”
2014年6月28日(土)大阪府:心斎橋Live House Pangea
with:GREENMACHiNE(from KANAZAWA)/ANYO
OPEN 18:00/START 19:00
前売 1,800円/当日 2,300円(共にDRINK代別)
チケットはぴあ(Pコード:222-478)、ローソン(Lコード:59656)、e+にて発売中
【問い合わせ】Pangea 06-4708-0061

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