“表現する”ことの難しさ
── では、こういう活動をしていくにあたり、目標にしていた人はいるんですか?
TOMO:僕はUSのR&Bとかヒップホップが好きで、特にライアン・レズリーという人は、作家もやってラップもやって歌もやって、すごく憧れています。
KAZUKI:僕は、この人みたいになりたいという目標はないんです。歌うことが好きで、歌を仕事に出来たら一番幸せだなと思っていたただの少年でしたから。それで高校を卒業して、照明会社で働きながら密かにオーディションを受けて、3ヶ月ぐらい経った時にオーディションに合格して、仕事を辞めて滋賀から上京して今なんです。
EIKI:僕はファンク・ミュージックがすごく好きで、その中でPファンクというのがあって、ザップ&ロジャーというグループに影響されていて、そういう音楽を追究してきたんです。Vimclipでもそのエッセンスが出せたら良いなと思っています。それとトークボックスという楽器が得意で、ワンマンではソロでやらせてもらってます。
── トークボックスって何ですか?
EIKI:もともとはギターのエフェクターなんですけど、そのエフェクターにチューブとキーボードを繋いで、チューブを口でくわえて、口の中に響かせて音を出すんです。
TOMO:ウェッサイで使われているやつですね。でも、チューブを噛みながら弾くので、EIKIはイケメンなんですけど相当怖い顔になるんです(笑)。
── なるほど。REOさんは?
REO:僕はYouTubeとかで見たダンスの映像に影響されてます。ライブを見るのも好きで、見に行ってた当時は自分がライブをしたいという思いはなかったんですけど、いろいろと見ているうちに自分もライブしたいんかなって思い始めて。
TAKE:僕はB2Kにすごく憧れています。みんながこのオーディションをやってる時期に、僕はw-inds.さんのバックダンサーとしてツアーをまわらせてもらっていて、w-inds.さんってダンサーにもファンが付くんです。それに可能性を感じて、僕が前に立った時にB2Kみたいなことが出来るんだろうかという期待と憧れがあって。
── バックダンサーではなく、実際前に出るようになってどうですか?
TAKE:求められるものが全然違うので、まだまだ模索中です。これまでは、振り付け師の方の踊りをコピーしてキレイに踊るということをやってきたんですけど、今はもうひとつ先の“表現する”というところを求められてくるので、なかなか難しい。先生の言うとおりにやればいいわけではないし、自分が表現者としてどう伝えていくのかというところが全然違いますね。
── ダンスで言えばKAZUKIさんはVimclipに入って踊りを初めて経験したと思いますが、どうでした? …と言ってもまだ若いから吸収は早いですよね。
KAZUKI:若いっていうのが救いですね(笑)。
一同:(失笑)
KAZUKI:入ったのが19歳ですから。でも、オーディションに合格するギリギリ前ぐらいまで、踊るってことを知らなくて、合宿の時に「俺踊りを踊らされてるな」って思いながら。基礎もないのに踊らなければならなくて難しいなと思ってましたけど、歌が好きという気持ちが勝っているから頑張りました。
── 歌が好きとは言え、踊りはけっこうキツイと思ったことはないですか?
KAZUKI:あります。今も進行形で(笑)。
TOMO:でも、1年半前と比べたら雲泥の差ですよ。1年半前は、酔っぱらいのおじさんが入って来ちゃったっていうステージングで、見るに堪えない感じで逆に俺らが落ち込んでましたから。でも今は全然踊れないという感じはなくなりましたし、まだ二十歳なのでここからもっと上達するんじゃないかと思ってます。
── 踊るのは楽しいですか?
KAZUKI:楽しいと感じる時もあります。ライブの会場の空気で踊りが楽しく感じたりもしますね。
REO:大御所かっ!(←ツッコミ)
KAZUKI:でも、リードボーカルなので踊りと歌の両立が難しいんです。
REO:あとステージに立ってる時の立ち振る舞いや仕草ひとつにしても、普段とは全然違うものだからKAZUKIにとっては覚えることがたくさんあって大変んなんじゃないかなと思います。息の吸い方ひとつで見え方が変わってくるので。
TOMO:僕らはライブの経験がありますけど、KAZUKIはいきなりプロの世界に入っちゃって、僕らがこれまでに経験してきたことをデビューしていちから覚えているので、すごく大変だと思います。
── よく、それでもやろうと腹を括りましたね。
KAZUKI:括らされた感じですよ(笑)。でも、やりたいという気持ちは強かったです。