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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】BEAT CRUSADERS(2007年4月号)-"刹那さ"を殺せない! 遂に新境地を開拓した大人の哀愁ソング『GHOST』、ここに完成!!

“刹那さ”を殺せない! 遂に新境地を開拓した大人の哀愁ソング『GHOST』、ここに完成!!

2007.04.01

2万人の前でも200人の前でもやることは変わらない

──歌詞もまた意味深な感じになってますけど。

09_ap06.jpgヒダカ:歌詞は最近書いたんです。前はもうちょっとストーリー性を持たせようと思って書いてマシータけど、最近はストーリー性すらももういいのかなぁと思ってて…ちょっと不親切なモードにはなってますけど(笑)。前は誤解されないようにストーリー性を持たせてたんですけど、今はもう誤解されちゃってもいいかなっていう、そういう吹っ切りも出てきましたね…だって、ASPARAGUSの歌詞なんかメチャメチャ暗いんですよ…MCはあんなにふざけてるのに!!(笑) 最近なんかくまのプーさんのモノマネまでしてて(笑)…全然似てないのに!!(笑) わりとそれはどのバンドもそうで、YOUR SONG IS GOODもTROPICAL GORILLAも「暗いね」って言われちゃうような歌詞をちゃんと歌い切ってますよね。

──じゃあ、歌詞も吹っ切ったことにより、新しいヴィジョンが見えたと。

ヒダカ:そうですね。自分でもどっちが言いたいのか判らない時があるんですけど、それでいいんじゃないかニャ、と。いちいち結論を持って言わなくてもね、やりながら答えを出していけばいいんじゃないかなって思ってます。誤解を恐れて書いちゃうと上手く書けないモノってあると思うんですよ。

──それは、聴き手によっては取り方が全然違ってもいいっていう?

ヒダカ:はい。その結果「そんなことを唄うBEAT CRUSADERS嫌いだ」って言われてもいいじゃんってくらいの覚悟ですよね。リスナーって鋭いから、嘘を唄ってたらしらけちゃうと思うんですよ。だから、そこは正直に。

──今の気持ちをストレートに書いているということですよね?

ヒダカ:俺なりのストレートですけどね…青春パンク的なストレートとは違うと思うんですけど。でも、別にそう思った人がいてもいいし、どっちに取ってもらってもいいです。

──そのどう取られてもいいっていうのは1、2年前にはなかったんですか?

ヒダカ:なかったです。どうしても升が広がれば守りに入ろうとしちゃうじゃないですか? せっかく何万人の前でやるんだからみたいな発想になってしまっていたんですけど、結局2万人いても200人いてもやることは変わらないんだから、できるだけ等身大の自分たちをいつでも見せれるようになれればと。そこら辺の吹っ切りはできるようになりましたね。COUNT DOWN JAPANで2万人の前でTROPICAL GORILLAと共作曲をやったんですけど、ライヴハウスという狭い空間の中でやってたことが、2万人の前になったら急にいい子ちゃんになっちゃうってのはおかしいでしょ?

──おかしいですね。

ヒダカ:やっぱりそこはスプリットをやったバンドたちから学んだ姿勢ですね。J×J×なんかは何万人の前でやろうとMCが長いですからね(笑)。

──2万人の前と200人の前でやるのは気持ち的には違いますか?

ヒダカ: 演奏する緊張感は変わらないですけど、誤解される覚悟が違いますね。オマ○コールなんてそうじゃないですか? ウチを観に来た200人の前でやれば誰も文句は言わないと思いますけど、フェスとかの不特定多数の前でやれば誰かしら不快に感じる人はいると思います…でも、やると思いますけど(笑)。

たくさんの人に聴いてもらうにはハートを支える技術が必要

──2曲目の『SECOND THAT EMOTION』についても聞きたいのですが。これは、またもやセルフカヴァーという。

ヒダカ:はい。ASPARAGUSがカヴァーしてくれた曲ですけど、そのアンサー・ソングとして(笑)。

──インディーズ時代の曲ですよね?

ヒダカ:シングルのカップリングはインディーズ時代のリメイクという暗黙の了解があったので、何やろうかって考えてた時にASPARAGUSが『SECOND THAT EMOTION』やってたから、これいいんじゃないかってことで。俺たちが本物だってとこを見せようと思ったんですけど、意外とやってみたら難しかったっていうね(笑)。

──あれ? そうなんですか?

ヒダカ:ルーフトップ読者の方々は、インディーズ時代のBEAT CRUSADERSを知ってると思うんですけど、前のドラムのarakiの完コピは、マシータもできなかったんですよ…ASPARAGUSの一瀬もあのドラムは難しいって言ってました…あんなに上手いのに。arakiが下手すぎて逆に難しいっていうね(笑)。

マシータ:究極の一筆書きドラムです。たぶん、本人も二度と同じように叩けないんじゃないかと(笑)。

──芸術作品みたいなものなんですかね?

マシータ:あれは芸術ですね!

ヒダカ:インディーズの善し悪しですよね。味で上手くいく時もあれば、逆にちゃちく聴こえる時もあるというね。インディーズ時代のBEAT CRUSADERSはその危ういバランスの上で成り立っていたんだなって(笑)。今は味でごまかしちゃダメだっていう厳しさが、大人になるにつれて出てくる感じです。

──今は確かな技術を持ってないとってことですよね?

ヒダカ:そうそう。アートをちゃんとした技術で描かないとね、いけないワケですよ。ハートだけだったら、リスナーがそっぽ向いちゃうと思うんです。だって、メジャーにいて「できるだけ多くの人に聴いてもらおう」ってつもりでやってるんだったら「そっぽ向かれてもいい」って思ってやるのは矛盾した考えだと思うんで、1人でも多くの人に聴いてもらうには、そのハートを支える技術がないとまずいということで、マシータさんをスパルタ教育してたら…去年足を壊しちゃったと(笑)。

──(笑)大変ですね。この曲をカヴァーするにあたって、何か狙いみたいなものはありましたか?

ヒダカ:なるべくやってることを変えないで、どれだけ鳴りが違うものが作れるかってところに注意しました。だから、レコーディングの録り音とかはじっくりやりましたね。で、プレイはサクッとやって…一筆書き感覚でね。

──ちゃんと現代版BEAT CRUSADERSナンバーにはなってますよね。

ヒダカ:はい。そこに翻訳した感じがないとカヴァーしている意味がないので。マシータさんなりの一筆書きは出たんじゃないかと思います。

マシータ:はい。おそらく。

ヒダカ:珍しくパンチ・インしなかったみたいな(笑)。

カトウ:マシータの新たな一面ですね(笑)。

──まさに一筆書きで録れたと。

ヒダカ:普段はガンガンパンチ・インするんで、1回エンジニアさんに呆れられたんですよ(笑)。

マシータ:「どんだけパンチ・インすれば気が済むの! どぉんだけーっ!?」みたいなね…もうパンチ・インだけの別料金取ろうかってくらいに怒られて(笑)。

──え? そうなんですか? 聴いてるとマシータさん上手いな~。タイトなドラム叩くな~って思いますけどね。

マシータ:あららららら! それは嬉しいお言葉ですけど、現場じゃすっごい怒られながらやってるんすよ…どうやらリズム的に突っ込み癖があるらしくて。

──個人的にノリが凄い好きなんですけどね。

ヒダカ:それは、俺のノリが好きだってことですよ(笑)。

──(笑)そうなんですね。話は変わりますが、5月末にはアルバムの発売も控えているという。

ヒダカ:はい…遂に禁断の(?)フル・アルバムが発売されます!

──これがまた大ボリュームで、19曲も収録されるんですね?

ヒダカ:初回盤はスプリットの共作曲が1曲づつ入るので、通常盤は16曲です。それでもBEAT CRUSADERS史上最大のスケールとボリュームですよ。さらにかなりの濃厚さなので、是非とも聴いて頂けたらと思います。

──では、スプリット3部作を経ての集大成がここにすべて入っていると。

ヒダカ:そうですね。それがもうカオティックに無秩序に入っているので(笑)、是非! 楽しみにしていてください!!

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