来春の大卒者の就職率は59%しかないそうだ。大学を卒業しても41%の人が失業する。さらに「就活自殺」なんて言葉もある。警視庁の統計によれば、2010年は46人が就活自殺したそうだ。それが信憑性あるデータだとは思わないが(実際にはもっと多いだろう)、こんな社会になっていること自体が腹立たしい。会社勤めが高嶺の花になったら、会社はさらにつけ上がる。今までだって奴隷労働に近いのに、これ以上悪化したらどうなってしまうんだろう。
やっぱり自立して食べられる仕組みが欲しい。これがヨーロッパなら、地域で自然エネルギーを始めて食べることもできるだろう。でも日本では、既得権益の保護と規制のためにちっともやれそうにない。がんじがらめの仕組みにうんざりする。でも、一方の若者側にだってやれることがあるんじゃないか。たとえば音楽シーンも、わずかな億万長者と、莫大な食えないミュージシャンしかいない。これは社会的損失だ。ものすごくいい音楽が、知られずに消えているのだから。しかし音楽にもニーズがあるだろう。自主ビデオを作ってバックに音楽を入れようと思っても、著作権がうるさくて使えない。それならマイナー音楽の有料ダウンロードサイトを作れないものか。試聴して気に入ったらカネを払う。だって有料メルマガですら、数が集まればそこそこの収入になるのだから、億万長者にならなくてもそこそこ食える仕組みなら作れるんじゃないか。
ライブの予約リストもあるといい。「オレ、行くかんね!」という人数が集まったら、ロフトでライブできる、みたいな。ぼくが考えるのはそんな仕組みだ。それが「従来メディア」を食ってしまうようになれるといい。テレビなんて面白くない。だったら思いっきり質のいいメディアをインターネットに立ち上げられないか。ミュージシャンとのやりとりをCDのライナーに載せられたら、とても楽しいCDができる。就活自殺を考えるぐらいなら、死ぬ気で今のシーンを変えてくれないか。「もっとチャンスを」と言う前に、根本から変えるパワーを持ちたい。社会は新たな力で再生するもんなんだから。