「ギリシャ政府が破産するんだってさ」で始まる歌詞を書いた。曲は高森ゆうきくんに書いてもらって。彼はロフトで先日一緒にイベントした仲間だ。そのときの対談で「ぼくが歌詞書いて…」なんて言ってたのが本当になった。
ギリシャ政府はEUに参加したかったのだが、借金が莫大すぎて入れる基準を超えていた。この莫大な赤字を隠さない限り、EUに加盟することはとても無理だったのだ。この借金を帳簿の外に追い出して隠す方法を教えたのが、ゴールドマン・サックスだった。ゴールドマン・サックスはアメリカの金融グループで、世界最大級の投資銀行だ。そこが「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)」という手法を使ってギリシャ政府の赤字を隠させた。この手数料で数百億円を儲けた。それだけではない。この債権を作っておきながら、ギリシャが破綻する側にカネを賭け、空売りして儲けた。手数料の数百億円より、さらに莫大な利益を得たのだ。自分で提案しておきながら、それがうまくいかないことを予想してカネを賭けるなんてひどい話だが、もっとひどいのはその先だ。この穴埋めは税金でされることになった。貧しいギリシャの人たちはさらに貧しくさせられたのだ。
そこで歌詞は続く。「だけど不思議だよな、破綻することが分かってる国になんでバンクはカネ貸したんだろう? HEY! お金持ち(Goldman)、SEXは楽しいかい? あんたの周りの人たちは誰もあんたを好きじゃない、あんたのカネが好きなだけだよ」。
フィリピンで運動が始まるとき、歌から始まる。世間に流れる曲は、恋愛の歌ばかりじゃないんだ。そんな歌が欲しいと思った。おじさんになっても歌える曲が欲しい。残念ながらキーが高くて歌えなかったけど。流行らせたいなぁ、こんな曲。だってゴールドマンのやり放題なんて許せないじゃないか。