グランジ・五明拓弥さんをお迎えする第22回。コントライブで出会い、ラジオCMの現場で再会した2人の、ゆるやかな同級生トーク。芸人でありつつ広告に携わる五明さん、俳優でコントをする山脇、ミュージシャンで写真家のPANORAMA FAMILY。全員が2つの側面を持つ、1981年生まれの現場となりました。平成最後の夏、36歳の夜です。(撮影/PANORAMA FAMILY 文・構成/山脇唯)
髪の毛は短くなったし、体重も20kgくらい落ちてるんですよ。
五明:今日は、何も考えずに、嘘をつかずに、をテーマにいこうと思って。
山脇:すごい、さすが、ちゃんとしっかりとしたプランがあるんですね。
五明:やめてください、プランっていうの(笑)。
山脇:すごいお久しぶりですよね。去年の秋頃にラジオCMの収録現場で、数年ぶりにご一緒して。最初にお会いしたのは、2009年、ザ・プラン9の久馬さんのライブ『月刊コント』で。
五明:京橋花月。そうっすねえ。
山脇:なので、いま、髪の毛が短いのが......全然、印象が変わって、びっくりしました。
五明:当時から、髪の毛は短くなったし、体重も20kgくらい落ちてるんですよ。
山脇:ですよね、めちゃめちゃでっかいイメージがあったんですけど。
五明:だから、ねえ、よくわかりましたね。
山脇:収録の時は、もともと、私がラジオCMでいつもお世話になっている株式会社ビッグフェイスの森田さんから「今日の現場、五明さんいますよ」って伺っていたので。
五明:森田さんを介して、再会した感じですよね。あれは、TOKYO FMの『HUMAN CONSCIOUS』でしたっけ。
山脇:はい。やらせてもらって、ありがたかったです。楽しかった。
五明:僕と森田さんの2人で、言ってるだけなんですけど「夢プロ」っていう超ダサいプロダクションを勝手に持ってるんですよ。ただ楽しいことをするっていう、夢のようなプロジェクト、通称「夢プロ」。それの第1回めがTOKYO FM『HUMAN CONSCIOUS』で。......やっぱり夢プロで再会できるって素敵じゃないですか。
山脇:(笑)そうですねえ。
五明:そのあと、バッファロー吾郎A先生のコント公演『硝子細工の如く』に、山脇さんが出てるのを僕は観てます。
山脇:あの時、出演者の佐久間一行さんが、移動でちょっと遅れてるときで。みんな、大きい人が楽屋に入って来たから「あ、佐久間さんだ」って振り向いたら、もっともっと大きい人がいて(笑)。
五明:佐久間さんの規格じゃなかった。すみません、その節は。
山脇:いえいえ、ありがとうございました。
俺の記憶を呼び起こしてください。
山脇:最初にお会いした、2009年の『月刊コント』で、グランジは『我慢できない症候群』をやられていて。その後のブリッジコントで、五明さんがお医者さん、私がナース役でご一緒したんですよ。
五明:すごい記憶ですね、それ何かにメモってたりするんですか。
山脇:いや、実は、観にきてくれた方のブログを見つけて、それで。
五明:便利ですねえ。
山脇:今はほんとに便利です。あのね、お礼を言おうと思ってたんですよ。
五明:何ですか、改まって。
山脇:あのとき、『月刊コント』出るのが初めてで、芸人さんと共演経験もあんまりなくて。自分は面白いことができないから、間を繋ぐためにしっかりやらなくちゃ、って、引きの姿勢で......なんか引きって言葉が良くないんですけど。
五明:攻めの、引きの姿勢、ですよね。
山脇:防御を頑張ろう、と。
五明:ディフェンスを。
山脇:そうしたら、五明さんが本番で、めちゃくちゃ大きい声だしたんですよ。「うわあ、芸人さんって本番、違うんだなあ~」ってびっくりして。
五明:えー。俺、全然覚えてない。
山脇:リハのときは、あっさり合わせてたのに、本番になったらすごくて。グランジのコントが一旦終わって、暗転明けて、患者さんが帰った後にナースが呼ばれて話す、っていうシーンだったんですけど。
五明:や、ほんと、一緒にやった記憶はあるんですけど、細かいこと何も覚えてないです。俺の記憶を呼び起こしてください。
山脇:私がギブソンさんに二股かけられてることが発覚した設定で。お医者さんに相談したら、すごく怒ってくださって「僕も君のことが好きだから、許せない」っていう......
五明:じゃあ、2人のシーンで、本番までに何回か合わせて、でも本番の時はテンション違っちゃった、って感じですか?
山脇:もう、むっちゃ大きい声で、ドーン!! それが、めちゃくちゃ迫力があって。
五明:それはきっとお互い様で、僕も緊張してたんだと思います。なかなか行かない大阪、尊敬するプラン9さんのコントライブ、久馬さんが書いてる、すべるわけにいかない、失敗できない、どうにか爪痕残したい......色々あっての、でかい声。
山脇:本当にものすごくて、その声を受けて、演技とかじゃなくて、恐怖でがくがく身体が震えたんですよ。
五明:生き物としての反応ですね。
山脇:そしたら、それを見てお客さんが笑ったんですよね。ああ、こうやって笑ってもらうこともできるんだな、って。やろうとしなくっても。
五明:取りにいかなくても。
山脇:芸人さんがやったことを素直に受け止めていたら、お客さんは面白がってくれるんだな、って、それは自信になりました。なので、ありがとうございました。
五明:お礼を言われても、俺も意識的にやってることじゃないので......、本能で。だから、お互い、緊張してたってことですね。
山脇:ああ、お客さんが笑ってくれてよかったなあって安心しましたよ。
五明:へー、覚えてないなあ。その、ばかでかい声は。
山脇:京橋花月に響き渡ってましたよ。
五明:結構キャパありましたよね。いい劇場だったなあ。
五明:この山脇さんの企画、久馬さんも出られてますよね。
山脇:はい。
五明:今回、声をかけていただいて何が嬉しかったって、今まで出てる人、先輩でも後輩でも、尊敬できる先輩、面白いと思う後輩しか出てないんですよ。そこに出られるなんて、ラッキーラッキー。
山脇:わあ、さすがコピー書いてる人なだけあって、褒め言葉がキャッチー。
五明:いやいやいやいや、いじんないでくださいよ。
山脇:でも、それは嬉しいお言葉です。
五明:お話をいただく前から、サルゴリラの児玉あたりがアップしたのを読んでたんですよ。「すげえ児玉、かっこつけて写真撮ってんなあ」って思って。
山脇:「かっこつけてください」ってコンセプトだから(笑)。
五明:で、こないだラブレターズの塚本君と一緒になって、楽屋で言われたんですよ。「山脇さんとのインタビューで、五明さんの話しちゃったんですけど、すみません、何の報告もなくて」「ああ、全然、全然」みたいな話があって。そのあと山脇さんから「塚本さんが五明さん一番おしゃれって言ってました」って聞いたじゃないですか。あ、そんないじり方されたんだ、って。
山脇:いじったんじゃなくて、本当に「おしゃれだと思う」って言ってたんですよ。
五明:いや、口元ニヤけてたでしょ。
山脇:いやいや、自分も「どこで服買う」って、おしゃれについて語ったあとだったから、わりとそこはまっすぐに。
五明:本当ですか。そんなこと言ってくれたら、彼にも服あげたいですけど。
山脇:サイズがねえ。
五明:僕、189cmで。160cmくらいですもんね、塚本君ね。
山脇:え、そんなに小ちゃくないですよ、もうちょっとあるんじゃないですか。あ、でもそんなもんかな? 私よりは大きいはず。
五明:下手したら150cm台の可能性ありますよ、体感。
山脇:そうか、一緒に見えるんですね。
五明:みんな一緒ですよ。170cm以下みんな一緒です。
山脇:189cmの方からしたら、みんなチビか。そりゃそうか。
「なんで切ったの」って言われると困るから我慢してたんですよ。
山脇:髪の毛は、なんで切られたんですか?
五明:髪の毛ですか? 髪の毛は......本当の話していいですか?
山脇:嘘つかないって、今日は仰ってたから。
五明:変にボケることなく、いいですか。......乾かすの面倒くさくなっちゃって。
山脇:えっ、じゃ、なんで伸ばしてたんですか?
五明:僕、髪の毛に整髪料つけるのがすごく嫌いなんですよ。で、整髪料つけない方法は何かなって思ったら、髪をすごく伸ばしたらいいんだ、っていうのと。
山脇:なるほど。
五明:あと、189cm。これくらいデカい奴のロン毛ってあんま見たことないな、って。未だに覚えてます。LIVE STANDっていう、吉本が幕張メッセでやるでっかいイベントがあったんですけど、それに行く途中の電車で「デカいロン毛いないな~」って思いついて、「じゃあ伸ばそう」って伸ばし始めて、約10年ですね。
山脇:ほほう。
五明:で、10年たって、整髪料どうのこうのっていうのは忘れてしまって。とにかくもう、胸くらいまであったんで乾かすのに10分かかるんですよ。
山脇:はい。そうですよねえ。
五明:ずーっと、3年くらい、この時間なんなんだろうって思いながら。それでも、切った時に「なんで切ったの」って言われると困るから我慢してたんですよ。困るっていうか、面倒くさいじゃないですか。
山脇:まあまあ、ね。
五明:ある日突然我慢できなくなって、誰にも相談せず、相方にも言わず、切った。
山脇:ええー。それ、いつ切ったんですか?
五明:1年半くらい前ですかね。相方とか、びっくりしてましたよ。次の日、営業だったんですけど、えらいもんで髪切ったことに気づかないんですよね。バス乗り込んで、1時間くらいかけて神奈川まで行って。で、楽屋着くまで気づかないんす。楽屋着いて、俺の顔を1回みて、本当に『2度見ってこういうもんだ』っていう見本みたいな2度見して(実演)「......、......?!」って。
山脇:ははは!
五明:営業だから、いつも漫才やるんですけど、コントやるのかと思ったらしいんですよ。「なんでこいつカツラかぶってんだ......ええー!」って。
山脇:カツラに見えたんですね(笑)。
五明:一応、切った髪はとってあります。いつか筆にしようかな、と。趣味で水墨画やってるんで。
山脇:そうなんですか? 似合いますね、水墨画。
五明:そうですか。初めて言われました。
山脇:和のものと親和性が高いですよね。コントでお坊さんもやられてるし。
五明:(笑)本当ですね。ありがとうございます。
山脇:今はじゃあ、整髪料つけてるんですか?
五明:整髪料の話ですか(笑)? 記事になる感じですか? 整髪料の話。
山脇:なんでですか?
五明:いや、なんか、喋ったことねえなと思って。整髪料の話。
山脇:いや、でもみんなそういうのを知りたいだろうなと思って。
五明:俺の整髪料の話?
山脇:はい。つけてますか?
五明:しょうがないな~。......知りたいですか?
山脇:はい。
五明:あの......(小声で)つけてます。
山脇:それは、やっぱり......ワックス?
五明:あの、柔らかめのワックスを。美容師の友達からもらった柔らかめのワックスをかるーくつけて、形にした後、スプレーで固めると、一日もつらしいんですよ。
山脇:えー。それをやってるんですか。
五明:それをやってます。今日は写真撮るって言ってたんで。
日陰の世代ですよね。子役世代ですもんね。
山脇:同い年、ですよね。
五明:そうです。昭和56年生まれ。
山脇:写真家のPANORAMA FAMILY ゴメスくんもなので、今日は全員同い年です。
五明:えっ、同い年と仕事で会うって少なくないですか? ちょっとテンション上がりますね。なかなかいないですよね、同学年。
山脇:この学年って人数少ないのかなって思うくらい、現場で会わないです。
五明:この世代って、上に松坂世代がいたりだとか、広末涼子がいたりとかで、すごい、日陰の世代ですよね。子役世代ですもんね。
山脇:安達祐実、内山信二......大人になってから、そんなにバンバン出てこなくなる人が多い世代です。
五明:大人になったらスローライフされてる方、多いですよね。どうっすか、健康とか気遣ってますか?
山脇:どうだろ。でも、やっぱ、弱ってきましたよね?
五明:あのね、めちゃくちゃ弱ってきましたよね。お酒関係が特に。びっくりしました、俺。
山脇:ああー。
五明:おじさんってお酒飲んで寝るじゃないですか。昔はなかったんですけど、今、寝ちゃうんですよ。あと、朝までの仕事ができなくなっちゃう。次の日がもうやっぱ無理なんですよね~。
山脇:ラジオは? 朝方までやられてますよね?
五明:そうなんですよ、bayFMって局で、4月から、月曜の深夜1時半から朝の5時まで。その前、夜の9時から2時間を2年やらせていただいて。そこから朝の時間帯に移動するって聞かされた時は、ほんと白目むきましたけどね。絶対無理だと思って。まあ、やってみたら、どうにか。
でも俺は、もっと寝たいんですよ。
五明:あの、ラジオやり始めてちょっと思ったのが。
山脇:はい。
五明:帰って寝るのが朝8時くらい。若いころだったら、そのまんま夕方まで寝られたんですよ。なんかねえ......起きちゃうんですよ。もうびっくりしちゃいますよ。12時くらいに起きちゃうんですよ。でも俺は、もっと寝たいんですよ。
山脇:気持ちは寝たいんだけど、身体が寝てられない。
五明:なんすか、あれ。
山脇:12時間くらい寝てましたよね、若い時は。
五明:「一日無駄しちゃった、へへへ」なんかやってましたけど、寝られないんですから。でも起きてたら、なんか眠いし。あれムカつくんですよね。寝たいのに......。楽しいですね、同級生のトーク。「昔と違うな~」みたいなこと、なんかないですか。
山脇:そうですね、昔はザルみたいに飲めたのが......
五明:え、山脇さん、お酒飲むんですか?
山脇:めっちゃ飲みます。
五明:え、イメージないな。じゃあ、今コーヒー飲んでますけど、本当はそれがビールだったらよかったな、って......?
山脇:ビールだったり、ワイン、日本酒......。ロフトプラスワンだったら、ウォッカのソーダ割りを頼みます。
五明:ええ?! あ、あれですね、さては、ギャップをうまく使ってる女ですね。
山脇:え? よくそんなこと正面切って言いますね!(笑)
五明:どうですか? その意識あります? だって、飲まなそうな人がウォッカ飲み始めたら「お?」ってなりますよ。
山脇:そんなの初めて言われました。
五明:じゃあ、今日、居酒屋とかのほうがよかったですね。お酒飲みながらの対談は、ないんですか。
山脇:そのパターンはないです。記事にできないことばっかりになりそうなので......。
五明:飲むときは、わりとぐいぐいいくんですか?
山脇:親が同じこと何度も言うの「なんだよ~」って思ってたんですけど、そうなりつつある。同世代の友達と集まると、もうみんなそうだから、みんなでずーっと同じこと言って、毎飲み会おんなじ話題。
五明:そう。平成ノブシコブシの徳井さんと家が近くて、よく飲むんですけど、お互い、結構飲むんで、記憶飛ばすんですよ。2時間くらい、何を話したか覚えてないんですけど......多分ですけど、毎っ回、同じ話してんですよ。毎回それで笑って「お疲れさまでしたー!」って。それでいいっすもんね。
山脇:プラスもマイナスも......
2人:ない。
五明:お金だけなくなる。でもストレスもなくなりますしね。
山脇:五明さんは、そんなめっちゃ飲むんですか?
五明:だから、最近、意識的にセーブしはじめました。ダメなときは毎日飲んでて......飲む目的もよくわかんないんですよ。一人でも飲みますし、一口目も全然おいしくないし。で、飲み始めたら、飲むじゃないですか。次の日、後悔するんですよ。1人で飲んで、酔っぱらって、なんだったんだろう、って。で、「そういうのやめよう。体調も、寝起きも良くないしな」みたいなことで。今は、週2くらいに。
山脇:ええー? 本当ですか、立派。
五明:俺もね、立派だと思いました。絶対無理だと思いますけど、できますよ。
だから、恋っていいですよね。
山脇:痩せられた理由は、何かあるんですか?
五明:年齢が30になったときに、デジタルの体重計に乗ったら『100』ってなったんですよ。
山脇:えええ~!
五明:やっぱ結構な衝撃だったんですよ。本当に『100』って表示されるんだ、って。で、30歳のタイミングだし、30で100だったら60で200じゃないですか、単純計算。色々考えたら怖くなって。
山脇:だんだん痩せにくくなるっていいますしね。
五明:あと......今、別の話で隠そうとしちゃったんですけど、恋をしたっていうのがありましたね。
山脇:え、恋を?
五明:すいません、嘘つかないって言ったんで、言います。当時好きだった人に「どういうひとがタイプ?」って聞いたら「ルパンみたいな体型がタイプ」って言ったんですよね。
山脇:細い~ほそながい~。
五明:だいぶ細いじゃないですか。だから、ランニングしたんですよ。
山脇:でも、素敵な動機。
五明:そうです、そうです。本当に好きだったんだなって。そしたら半年くらいで20kg痩せて。結果、恋は実らなかったんですけどね。でも、感謝してます。
山脇:ねえ、健康的になられてね。
五明:だから、恋っていいですよね。恋はした方がいいです。
山脇:今まで、あまり恋について語ってくださる方っていなくて。
五明:ほんとですか。恋話、超好きですよ、俺。意外って言われるんですけど。
山脇:ほんと意外です。
その自分を俯瞰すると滑稽でしょうがないですよね。「なんで俺ずっとこの人に敬語なんだろう」とか。
五明:これも勝手なイメージですけど、山脇さんは、恋話あんま好きそうじゃないですねえ。
山脇:うーん。結婚したから、もう恋話ではなくて、惚気であったり愚痴であったり、っていう別ジャンルに入った、っていう感じです。
五明:でも、恋を一生できないと思ったら、寂しさはないですか? あのドキドキがもうないと思ったら。
山脇:この前、既婚の方とそういう話は一瞬出ました。後輩たちが「今こういう子が好きで」とか「好きな子と食事に行って」とか、恋の話を教えてくれて。
五明:一番楽しいときですよね。つきあう前が一番楽しいんですから。
山脇:やいやい言いながら「ああーもう自分らはそういうのがないんですねー」って。
五明:できないんですよね、もう恋は。幸せなんですけどね。
山脇:「このLINEはいいLINEでしょうか」って、この返事はありかなしか、とか聞かれたりするのは楽しいですね。
五明:あれね、不安になるから聞くんですよね。誰か、相談役がほしいんですよ。
山脇:「そんながんがん返事送っちゃ駄目!」とか言ってます。
五明:でもね~! 送っちゃうんだよ、我慢できなくて。
山脇:「会えない」って言ってるんだから「次の休みは?」とかばんばん聞いたらうっとうしいですよ、って。
五明:でも、したらいつ会えるかわかんないじゃないですか。
山脇:予定が合わないってことは、無理をしてでも会いたい相手ではないってことなんですよ。
五明:そんな辛いこと絶対言っちゃだめですよ。俺キレちゃうな、「なんでそんなこと言うんですか!」って。
山脇:だって、本当に会いたかったら代替案だしますよ。それがないってことは、そういうことですよ。
五明:わかりますよ、だから、両思いじゃないってことですよね。
山脇:現時点ではね。
五明:今まで、両思いじゃない所から両思いに持っていけたことってあります?
山脇:片思いからですか? 一回フラれても、とかってことですか? 一回フラれた人とは、ないですね。そもそも気がありそうな人を好きになる。
五明:いっちばん楽なやつですね。
山脇:ちょっと好きそうにしてくれた人しか好きにならないかもしれないです。
五明:めちゃくちゃ楽してるじゃないですか!
山脇:だって全然自分のこと好きじゃない人を好きになっても。
五明:なっちゃうんですよ。でも、そういうひととは、絶対つきあえないんですよ。
山脇:(笑)たとえ20kg 痩せても。
五明:何しても、つきあえないです。なぜなら好きになっちゃってるから。会ってても、本当の自分じゃないんですよ。嫌われないようにしようとするんです。その自分を俯瞰すると滑稽でしょうがないですよね。「なんで俺ずっとこの人に敬語なんだろう」とか。「全然いつもの俺と違うじゃん」みたいなことで、いっつも、だめで。「あ~だめだったな」みたいなことが、やっぱりたくさんありましたね。過去に、いい女の場合は。
山脇:いい女ってなんですか。
五明:いや、その、本当に、ひと目惚れしたひとは。
山脇:ひと目惚れ......じゃあ、わりと面食い、面重視でいくんですか?
五明:面ですね。
山脇:よう言い切りますね。
五明:面は大事ですね......誰が言ってんだって話ですけど、言わせてくださいよ。タイプありますけどね。全員が全員、キレイ、だからこの人にいく、ってことじゃなくて、自分が「いいな」って思った人に。
山脇:どういう面がお好きなんですか?
五明:............。
山脇:なんで黙っちゃうんですか?
五明:......トータルすると、口が大きい人が、好きです。
山脇:芸能人でいうと、ドリカムの吉田美和さんとかですか?
五明:あー......違うなー......ガッキー。
山脇:え、ガッキー? 新垣結衣さん、口大きい印象あります?
五明:ガッキー、口大きいじゃないですか。(急に焦りだして)ちょっと待ってください。待った、山脇さん、待った。急に恥ずかしくなっちゃった。この企画で「ガッキー」って......。
山脇:「ガッキーが可愛い」って......
五明:そんなの俺、今まで読んだことないんだ。これは書かないでください。恋話、やめましょう。
山脇:でも、ガッキー、口大きい云々より、そもそもきれいですよね。
五明:そもそもキレイですからね。まあ、あの、そんな、色々なことを経て、結婚して。
山脇:おめでとうございます。えー、じゃあちょっと、本の話しましょうか。
結果、何かを始めようとする人に向ったというか。
山脇:五明さんが今年3月に出された『全米は、泣かない。』。ピース又吉直樹さん、谷山雅計さん、澤本嘉光さん、篠原誠さん、福部明浩さん、尾形真理子さん、関根忠郎さん、という言葉のプロの方々に、五明さんが「刺さる言葉」のつくり方を聞く、という本で。
五明:すごい先生方が、みなさん。
山脇:コピーライター、CMプランナーの方々のお話、なかなか聞けないので、めちゃくちゃ勉強になりました。
五明:僕もそうです。本当に聞きたいことしか聞かなかったので、僕もめちゃくちゃ勉強になったっていう。
山脇:聞き手が五明さんっていう、お笑いの人だからこそ、広告一本槍になっていないというか、視野や受け止め方が広くなってるところがすごく面白かったです。お笑いやりたい人も、広告やりたい人も、読むといい本。
五明:結果、何かを始めようとする人に向ったというか。
山脇:本当に、人生に大切なことが書かれてるんですよ。
五明:(本を見ながら)たくさん付箋を貼ってくれて。
山脇:「自分に向いてることを教えてくれるのは他人」っていうところに貼りました。
五明:谷山雅計さんですね。他人が褒めてくれたことが、意外と自分に向いてることなんじゃないか、って。
山脇:これは本当そうっすな~って思ったんですよ。
五明:褒められると嬉しいですもんね。
山脇:怒られてばっかの現場ではやっぱりね、へこんでくるし......あ「優秀なMCは優秀なコピーライター」ていうところにも貼りました。
五明:東野さんの話ですよね。尾形真理子さんって、ルミネのコピー書いてる方で。
「言葉と心中しろ」っていうところですね。
山脇:又吉さんが大喜利についてお話されている部分があって。私自身は、大喜利をやったことがないんですけど、バッファロー吾郎A先生やせきしろさんの周りにいると、触れることが多くて。
五明:超人の集まりですもんね、あそこ。
山脇:いつか大喜利をやる日がくるかもしれない......って思って読みました。
五明:そんな心構えをしてるんですか。すごい女優さんですね。
山脇:『すいているのに相席'18決断』で、日替わりゲストの方がモノボケするコントがあって。稽古中に代役で数回モノボケをすることがありまして......。
五明:初モノボケですか。
山脇:はい。やればやるほどわからなくなって。A先生からも「恥ずかしがるならやらないほうがいい」って、ガチの。
五明:刺さりますね。恥ずかしさが出てたんですか?
山脇:「ゲストさんが出るところだし、私は代役ですので」みたいな姿勢だったので、やっぱりよくない......それは、この本の中にある、又吉さんとの対談にも書いてありました。
五明:「言葉と心中しろ」っていうところですね。
山脇:心中してなかったな、やりきらなきゃいけなかったんだな、って勉強になりました。
五明:じゃあ、モノボケにもためになる。今からモノボケをしようと思った人は読んだ方がいい。
山脇:読んだ方がいいですよ。
五明:人生初モノボケ、ちなみに道具は何で、なんてボケたんですか?
山脇:チャンバラの刀を使って......まず刃をつかんで。
五明:白刃取りみたいな感じで?
山脇:「りどはらしんけんし!」って言いながら刀を離して、「逆再生すると、真剣白刃取りになりますよ」っていう......
五明:すごい考えるモノボケですね。頭いいモノボケですね。
山脇:バトルオワライヤルの土肥ポン太さんに憧れてたんです。
五明:え? なんで芸人にならなかったんですか。ポン太さんに憧れてたらNSC入るでしょう。
こじんまりしてるとき、守りにいってるときって、120点は出ない
山脇:この本で「すごいな」と思ったのが、五明さんが提出した課題を添削されるところ。
五明:これはつらかったですねえ。又吉さん以外の、対談相手の方から課題をいただいて。
山脇:書いたものに、添削される、いわゆる"赤を入れられる"というページが。
五明:僕、広告の仕事をやらせていただいたのが、ラジオCMだったんです。ラジオCMって、コントとかネタに似てる部分があって、ボツネタからできた、みたいなことがあって。なんか運良くできたんですよ。
山脇:会話というか、かけあいが。
五明:でも、フタを開けてみたら『30個キャッチコピーを書いてください』とかいう課題で。キャッチコピーって、俺やったことなくて。30個なんて浮かばないと思って、似たようなことたくさん書いて。そうしたら添削で全部バツ!
山脇:「実質5、6個ですね」っとコメントが......
五明:「これは全部同じことです」って。あ~、これ一生残るのか、ってね。
山脇:それをまた、ちゃんと本に載せて。それがすごい。
五明:正直言うと一回本気でかけあいました。「やっぱり載せないでくれ」って。これは本気で。でも、だめ、ってなって。
山脇:やっぱり、これがあることで、ガチ度が上がるっていうか。
五明:そうっすね、僕が怒られてるところを読者にみてもらって、こういうことしちゃいけないんだ、って。似てるのをたくさん書いちゃいけないんだ、って。
五明:澤本さんからの「五明さんは当てに行こうと思ったら極端につまらなくなります」「思いっきり振り切ったときが、自分の味が出せるんじゃないですか」っていうコメントも、勉強にすごくなりました。さっきの心中の話じゃないですけど、こじんまりしてるとき、守りにいってるときって、120点は出ないというか。
山脇:そうですね、まったくそうです。
五明:『○』か『×』かで、ガッシャーンって全力で飛び込まないとね。
山脇:確かに、舞台に出てても、間違えないようにしているときは、よくない。それを超えた所でやらないとって最近思ってて。"恐る恐る"の雰囲気って、お客様に伝わっちゃうんですよね。
五明:間違える、間違えないで、本来、仕事してないですもんね。......いい話してますね。さっきの恋話ゾーンが嘘みたいです。この本、買っていただいたんですか?
山脇:買いました、買いました。Amazonレビューも書きますね。
五明:是非お願いします。
ちょっと褒められるんじゃないかな、って想像した自分を殺したいですもん(笑)。
(PANORAMA FAMILY:(本をめくって)本当だ、がっちりダメだしがあるんですね。)
五明:そうっすね、この、福部さんも......。
山脇:福部さん、厳しい。
五明:むちゃくちゃ怒られてますね、俺。「このラジオCMには全てが無い」。これはやっぱねえ、僕も、素人ながらに何個も考えて、そのなかで「これ出そう」と思って全力で出したじゃないですか。やっぱねえ、すっげえ辛かったです(笑)。へこみましたね。
山脇:ははは。
五明:「これくらいのユーモア感が広告にはちょうどいいでしょ、って感じで書かれてる気がしました。辛口でスイマセン」って謝らせちゃったのも申し訳ないですし。
山脇:でも、このコーナーがあって成立している感じがします。面白いですもん。
五明:別にね、教え子でもないのにありがたいですよね。むちゃくちゃお忙しい方なんですよ。MATCHとかdocomoとかやられてる方で。
山脇:自分の部下や後輩に教えるくらいの熱量で、現場並みに添削されてて、すごいなあって思いました。
五明:そうっすね、先生には、やって頂いて申し訳ないんですけど、やっぱ厳しいこと書かれたら「うわああ」ってなる(笑)。こっちから頼んでおいて。
山脇:こんなに赤を......って。
五明:ちょっと褒められるんじゃないかな、って書いてる時に想像した自分を殺したいですもん(笑)。
山脇:ははははは! でも、そうですよね。
五明:人間って本当に自分に甘いから「これで、また仕事増えるんじゃないかな」とか思っちゃうんですよ。で......めちゃくちゃ怒られてる(笑)。
山脇:でも現場にいないと『こうやって作るんだ』っていうのはなかなか見られないので、その考え方を知ることができて。
五明:そうですね。
山脇:商材を見る目線の位置を変える、とか。誰から見るのが一番面白いのか、とか、めっちゃ勉強になりました。
五明:続きはAmazonレビューで。是非、皆さん、お買い求めください。
「本を出しませんか」とお話があって
山脇:この本をつくろう、ってなったのはどのタイミングなんですか?
五明:まず一番最初に、澤本嘉光さんっていう、ソフトバンクのCMを作られてる電通の方が、相方を通してラジオCMの話をくれたんですよ。それで、東京ガスさんのラジオCMを作ったら、運良く広告の賞をとれて。今まで他業種の人が賞を取ったことない、芸人が取った、ってことで、出版社の人がきて「出しませんか」と。
山脇:ほえー、なるほどー。
五明:それが大変だったんですよ、出すまでが。
山脇:きっと、そうですよね。
五明:その、なんつうんでしょ、それが、そういう大変じゃなくて。
山脇:ん? 何が大変だったんですか?
五明:あの......出版社の担当の人が変わった方で「こんな人いるんだ」っていう。
山脇:え?
五明:話すときに距離近い人っていません? 俺、人生で初めて会ったんですよ。よくお笑いのネタとかで「近いな」とかってあるじゃないですか。俺、経験したことなかったんで「どういうことなんだろう」ってずっと思ってたんですよ。
山脇:現実で、その経験がなかったんですね。
五明:はい。その担当の人、Aさんは男性なんですけど、距離が近くて、すごく近づいて来るんですよ。「あ、あれってあるあるなんだ」と思って。嫌だからこう、よけてたら、その人もやめないんで、追っかけっこみたいになって。「なんか距離合わないな」みたいなところから始まって......ここからは、全部、愚痴になるんですけど。
山脇:はい。
五明:......メールのレスポンスが遅いんですよ、とにかく。それがけっこうつらくて。2週間とかこなくて「ええ?」ってなって。あ、ちょっと、順を追っていいですか。
山脇:はい。
五明:担当のAさんから「本を出しませんか」とお話があって、「僕、吉本に所属しているので、企画書をマネージャーに通すので、お願いします」「あ、わかりました」ってなって、そこから2週間くらい連絡なかったんですよ。それで「すみません、企画書ってどうなってますか」「あ、すいません、ちょっとバタバタしてまして、1週間後には送ります」ってなって、また1週間こなかったんですよ。それ結構モヤモヤするじゃないですか。そこでもう3週間経ってますよね。「あのー、すいません、企画書ってどうなってますでしょうか」「あ、すいません、必ず1週間後の24時までには送ります」ってなって。初めて会ってから、1ヵ月経ってるわけです。でも、そんな経験が今までなかったから、指定の24時まわってこなかったら、本の話はなかったことにしよう、と思ったんです。スタートでこれだったらもうダメだ、と。
山脇:ええ。
五明:僕もそこはちゃんとやろうと思って、iPhoneで時間見て。そしたら、24時まわって連絡がなかったんですよ。じゃあ無い話かな、と思って。3日後くらいに単独ライブがあったんですけど、コントやってたら、連絡をよこさない編集者の方が2列目くらいに座ってたんですよ。俺、途中で気づいて「え?」って思って。で、終わったら、楽屋挨拶に来て。「あれ? きたぞ」みたいな。「大変申し訳ございません。1ヵ月ちょいお待たせすることになってしまって。ちょっとあの、企画書持ってきました」で、1ヵ月待たせる企画書って、ど~んなもんなんだ、て思うじゃないですか。
山脇:ねえ。
五明:したら、1枚の紙に4行くらいの文字だったんですよ。
山脇:ええ!!
五明:もう怖くなって「あの、マネージャーとちょっと話してください」ってマネージャー呼んで。今までの事情も話してるんで「ちょっとなんか一応話きいてください」ってマネージャーにやりとりしてもらって、みたいなことが始まりだったんですよ。で、そこから1年、Aさんとの珍道中が始まるんです。
山脇:それは長旅ですね......。
見えない所でまたパンチ打たれて。
五明:この本、対談集じゃないですか。Aさん、むっちゃ会話に入ってくるんですよ。
山脇:あら~。
五明:対談相手の先生も「え?」ってなって。1人目の対談終わった後に、吉本の方もいたんで「会話のリズム狂ってなかったですか?」「あー確かに、そうですね」「控えて頂くように言って頂けますか?」って話して、その人がAさんに言ってくれたんですよ。そしたら、次の対談の時は(実演して)「......落ち込んでます」って感じで。
山脇:あからさま(笑)!
五明:「嘘だろ、これはこれで変だわ」みたいな。相槌くらい打ってくれよ、みたいなこともあったり。むちゃくちゃ大変だったんですよ、そういうのが色々続いて。
山脇:大変だ。
五明:で、ただじゃ終わらないのが、ようやく本を出せるってなって、発売まで1週間くらいの時に、吉本の本社でAさんと2人っきりで最後の打ち合わせをしたんですよ。「今後、この本を売っていくにあたってどういうプランをお考えですか?」って、今までそういう話をしてなかったんで。そしたら「うーん......」って腕組んで、上を見ながら、マジで3分くらいフリーズしたんですよ。
山脇:はい。
五明:ずーっと、こう......なんか黒目だけちょっと動く、みたいな。1年前の俺だったら、優しさで「な~んかまあ、ありそうっすよね」みたいなことを言っちゃってたんですけど、その人への1年間のストレスもあるし、俺も鬼になって、何も言わないでおこうって思ったんですよ。吉本の本社で2人っきり、3分。無言の3分ってむちゃくちゃ長いんですよ。俺もずーっと待ってて、そうしたら、Aの黒目がゆっくり俺の方向いて、「なーんかありそうですよね~」
山脇:ははは。ないな~。
五明:「ないなこれ! うわマジか」って、見えない所でまたパンチ打たれて。で、次の攻撃が「あとひとつ、言い忘れた。お話しすること1つだけあって。僕、3日後に出版社やめることになりました」
山脇:え~?!
五明:「え、じゃあ担当どうなるんですか」「あ、担当、変わりますんで、宜しくお願いします」って。最後の最後で、嵐のように去っていった。びっくりしました。そういう人もいるんだっていう貴重な経験もさせてもらって。
山脇:ちゃんと本になってよかったですよねえ。
五明:途中からドッキリかなって思いましたけど。この中には載ってない気持ちが、つまってる本です。
「XXLサイズ作ってよ」って交渉しときました。
山脇:では、お洋服のお話を。ラブレターズの塚本さんが「僕は五明さんすごくお洒落だと思うんです」って仰ってたので、是非教えてください。
五明:塚本くん、かわいいな~。
山脇:かわいいですよね
五明:ラブレターズ2人ともフォルムがいいんですよね。フィギュアにしたらすごく売れると思うんですよ、あの2人。
山脇:漫画っぽい。単独のグッズとか、可愛らしい絵にしてるの、戦略的にすごくはまってると思います。
五明:溜口くんと、その話すごいしました。あのイラストレーターの方の、すごいいいね、って。だから「XXLサイズ作ってよ」って交渉しときました。
山脇:お洋服、大きいサイズでないと着られないですもんね。
五明:ちょっと難ありますから。
山脇:で、あの、お買い物はどこ行かれるんですか......?
五明:ちょっと笑ってるじゃないですか。
山脇:いやいや。
五明:古着も買いますし、そういうお店でも買いますし。
山脇:そういうお店っていうのはどういうお店ですか?
五明:えー......っと。
山脇:毎回聞くんですけど「お洋服どこで買いますか?」っていうと皆さん恥ずかしがるんですよ。
五明:ああ、確かに確かに。みんな嫌がりますもんね、ちょっとね。
(PANORAMA FAMILY:やっぱり皆さん恥ずかしがりますよね)
五明:なんでだろう、やっぱ、かっこつけるってことなんですかね、恥ずかしいっていうのは。
山脇:お買い物自体、より、よくなろうとしてるっていうことが......
五明:そうです、そうです。何をお前、よく見せよう、よくなろうとしてるんだ、っていうのを、喋りたがらない、っていう。みんな喋ってます?
山脇:いや、本当に、意気揚々と喋ってくださったの、しずるの村上さんくらいで。
五明:あ~出るわ~出てるね~。
五明:そうですね。僕は、やっぱサイズ問題ありますから。あのー、Porter Classicっていうブランドがあるんですけど、そこはね、XXLまで展開していて、それがもうかっこいいんですよ、メイド・イン・ジャパン。次の世代も着られる服っていうコンセプトで。
山脇:ほえー、それは素敵な。
五明:素敵なんですよ。鞄のPorter、あるじゃないですか。ご兄弟が何人かいて、何番目かの方が、もともとPorterでやってたんですけど辞めて、息子さんとつくったブランドで。いいっすよ。
山脇:大きな方向け?
五明:XSもありますし、レディースもありますから。レディースから、巨人まで。全部揃ってるっていう。いいですよ。だから、それもストレス解消ですよね。服を買うっていうのも。
山脇:そうですよね、ぱあ~っと使ってね。
答えたわりに、なんか反応が......。
山脇:音楽はどんなものを聴かれますか?
五明:音楽は、group_inouが、僕むちゃくちゃ好きで。今、活動休止してるんですけど、ピコピコ系の。その辺、好きですね。
山脇:一緒にトークイベントされたりしてますよね。Twin Tower Talk。
五明:そうです、トラックメイカーのimaiさんって方と。あと、山脇さんが対談で誰かと喋ってましたけど、エアジャムとかあのへんも好きですよ。それこそBRAHMANとか。
山脇:あ~同世代~。
五明:あの、BACK DROP BOMBって覚えてます?
山脇:はい!
五明:僕、超好きで。今でも好きなんですけど。ツインボーカルで、タカさんはオルフィックって靴のブランドをやられてて。もう1人、マサさんは高円寺で立ち飲み屋を経営されてるんですよ。この間そこに飲みに行って「うおーマサだあ」と思いながら......あんだけチケット取れないBACK DROP BOMBのマサがいま目の前にいる、マサの声で「生一丁」って言ってる~うわっお好み焼き焼いてくれてる~! って。そのへんとかは聴きますよ、いまだに。
山脇:なるほど~。
五明:どうっすか?
山脇:え?
五明:なんか、答えたわりに、なんか反応が......。
山脇:芸人さんって、色々エピソードまじえて面白おかしくお話してくださるけど、好きな音楽とファッションのときだけ、普通にお話されるんだなあ、って......
五明:(笑)ふざけんなよ、それはひどいよ!
山脇:普段、そこはあんまり繰ってないんだなっていうのがわかって......。
五明:だって初めて喋りましたもん。えー、なんか、エピソードですか?
山脇:いやいや、いいんです、いいんですよ。それが聞きたいので。
五明:やめてください、恥ずかしいんで。
五明:......Porter Classic、山脇さん絶対好きですよ。
山脇:わ、ほんとですか? じゃあうちの夫も好きかな。
五明:ちょっとそれは、旦那さん知らないですから。じゃあって言われても。
山脇:すいません。
五明:趣味が似てるんですか? 一緒にお買い物行ったりするんですか?
山脇:そうですね。今日着てるシャツは、共用です。
五明:旦那さん、結構大きい方ですか?
山脇:五明さんほどではないです。178cmくらいです。
五明:じゃあ、塚本くんと一緒くらいですね。
山脇:そんなに小さくはない。
五明:Porter Classic、伊勢丹メンズ館と、あと有楽町、GINZA FIVEにあるんで、是非行ってみてください。
山脇:行く機会があれば。
五明:絶対行かないでしょう......なんか、消化不良だなあ、このブロック。
BRAHMANのライブ行きたくて、2日間ぴあの前に並びましたもん。
五明:BRAHMAN、当時ライブとか行かれてたんですか?
山脇:高校生の頃は宇都宮にいたので、ライブなんて全然。行くなら、ジャニーズコンサートに行ってました。
五明:僕、19歳くらいの時に、BRAHMANのライブ行きたくて、2日間ぴあの前に並びましたもん。当時ネットとかないから。
山脇:わー、ぴあで買ってましたねえ!
五明:チケット取れるか取れないかは、ぴあのパソコン打つ人のテクニックにかかってる。マジでBRAHMANなんて一瞬でなくなるんで、その人にかかってるんですよ。で、金町の東急ストアにぴあが入ってて、そこで2日間並んで、ガラガラガラってオープンして、ぴあの所に立ってたのがもう、おばあちゃんだったんですよ。
山脇:ああ~。
五明:その瞬間に俺、マジで終わった、って思って。「完売です」って言われて。うあー、みたいな、エピソードはあります。
山脇:私も、19歳くらいかな、Coccoのライブに行きたくて武蔵小山かどっかのぴあ並びました。深夜に家出て、女の子3人くらいでかたまって。
五明:あれ、今思えば、体力あるし、暇だったんですよね。
山脇:いやー、チケットのためにいくらなんでも。
五明:意味わかんないじゃないですか。
山脇:だから、すごい時代の変化のなかで生きてますよね。ロッピーなんて、っていう。
五明:俺らが生きてる間でこんなに変わってるんですから。
それこそ、迷いなくやってるからじゃないですか。
五明:僕、今、関ジャニ∞のファンクラブ入ってるんですよ。
山脇:え! 私、横山裕くんが芸能人で一番好きかもしれないんですよ。
五明:ヨコが好きなんですか、顔ですか。
山脇:顔......たたずまい。すべてが好き。
五明:同い年ですもんね、ヨコと。
山脇:ヨコ、ヒナ、すばるが同い年ですね。
五明:お、結構好きですね。ヒナっていうと相当好き感が。俺はもう完全に嫁の影響で、コンサートあったらテンション上がって行く、くらいの感じなんですけど。エイトって、曲がいいんですよ。むちゃくちゃいい、最高。
山脇:安田章大くんが、非常に歌も演奏もよくて、縁の下の力持ちで、音楽の底上げをかなりしているなって思ってます。
五明:相当、分析してますね。一番好きな曲は何ですか?
山脇:すばる最後の生放送ライブでやってた、あの......
五明:最後のね、関ジャムね。『LIFE~目の前の向こうへ~』、あれむちゃくちゃいいですよね。すばるが辞めるのを予言してたみたいな歌詞なんですよ。
山脇:別れを予感させる何かが常にあったんでしょうか。めっちゃよかった、関ジャム。
五明:『ズッコケ男道』もいいですし。本当に頑張らなきゃいけないときに聴くと、ちょっと元気になるというか。いいですよね。
山脇:ああいうお元気ソングって、ややもすると恥ずかしい感じになるけど、関ジャニ∞はまったく大丈夫なんですよ。そこがすごい。
五明:それこそ、迷いなくやってるからじゃないですか。心中してる感じありますよね。
山脇:潔いんですね。そんな関ジャニ∞も、すばるがいなくなって6人になって。
五明:次のコンサートどうするんだ、っていう。9月いきますよ、僕。
山脇:え! いいなあ!
五明:ただ、その日がキングオブコントの準決勝とかぶってて......どっち行こうか悩んでるんですよね......
山脇:えー。そ、それは言霊になっちゃうからなあ......。
五明:そうっすね、まずは準決勝にいくことが大切ですからね。ちゃんとしなきゃだめですもんねえ、ほんとに。
ラジオCMの仕事をすればするほど、芸人がやってること、それが意味がある、というか。
山脇:今、36歳。37歳になる学年で、五明さんは肩書きが2つあって。
五明:まあまあ、でも、芸人を軸としてやってますけども。
山脇:自分が将来こうなる、と想像してましたか?
五明:まったく、想像してなかった、それは。目黒のベローチェでPorter Classicの話をすることになるなんてまったく想像してなかった。
山脇:だから、一個の仕事、それ1本だけやってくって時代じゃなくなってるのかしら、って......。この企画の撮影をしてるPANORAMA FAMILYのゴメスくんも、音楽と写真をやっているし、私自身もこんなにコントに出たりするとは思ってなくって。
五明:でも、たとえば、コントやればやるほど、芝居を大切にしなきゃなって思いません? 僕も、ラジオCMの仕事をすればするほど、芸人がやってること、それが意味がある、というか。ゴメスさんは、ミュージシャンが写真やってることに意味がある。自分の軸の再確認ができるというか。
山脇:はい。演技はうまくなきゃ、芝居のこと色々と知っておかなきゃだめだな、とは色々思います。そういう年代なんでしょうかね。
五明:あー、でも、年齢はあるでしょうね。20代だと考えられないと思うんですよ。
山脇:昔だったら「他のことはやりたくない」とか言っちゃってたかもしれない。
五明:でも、そんなのも、僕の場合だったら、言ってらんないし、なんなら、今まで貯めたものが、どっかいい形で出ればいいな、とか思うじゃないですか。
山脇:やってきたことを武器にできるようになっている、っていう発見が。
五明:それが意外と、30代半ば......。
山脇:一個のことをちゃんとやってきてやってきてよかったな、とも思うし。
五明:そうですね。
山脇:......今、すごいいい感じの話ですね。
五明:マジでいいですね。
山脇:記事っぽくまとまってきた。じゃあ最後に一言、いただいてもいいですか?
五明:これ、アップされるのはいつ頃ですか?
山脇:8月頭予定です。
五明:じゃあ、8月24日が僕、誕生日なので。
山脇:あ、おめでとうございます。
五明:近いですよね。山脇さん、いつですか。
山脇:わたし、3日です。獅子座。五明さんは乙女座ですね。
五明:じゃあ、最後に一言......山脇さん、誕生日おめでとうございます。
山脇:ああっ、ありがとうございます。
五明拓弥(ごめい たくや)
1981年8月24日生まれ。千葉県柏市出身。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。身長189cm、体重80kg。血液型はB型。2000年に東京NSCに6期生として入学。 2005年に遠山大輔、佐藤大と共に、お笑いトリオ「グランジ」を結成。THE MANZAI 2011 認定漫才師。東京ガスのラジオCMを機に広告制作に携わるようになり、同作で2016年度TCC新人賞を受賞。受賞歴に第45回フジサンケイグループ広告大賞・メディア部門ラジオ最優秀賞、第11回ニッポン放送CMグランプリ、ACC TOKYO CREATIVITY AWARDなどがある。2018年3月に著書『全米は、泣かない。伝え方のプロたちに聞いた刺さる言葉のつくり方』(あさ出版)が発売された。
山脇唯
1981年8月3日生まれ。俳優。ヨーロッパ企画退団後はフリーとして舞台を中心に活動。2013年より「すいているのに相席」に参加、"ユーモア女優"の称号をバッファロー吾郎A、せきしろ両氏より賜る。NHK Eテレ「デザインあ」、NTTdocomo、Tokyo FM、東京ガス、他、ラジオCMを中心に声の出演も多数。2018年1月に座・高円寺2で行われた『アイアム映画祭』にて清水崇賞を受賞。7月31日に『すいているのに相席反省会・表』(新宿ロフトプラスワン)、8月11日(土)にはバッファロー吾郎A主催ライブ『朗読オムニバス~蜜柑~』『朗読オムニバス~檸檬~』(チャラデ阿佐ヶ谷)に出演する。
PANORAMA FAMILY
2006年頃結成。2009年1月、3MCから1MCへ。以降はゴメス1人のユニットとなる。 渋谷Organ.b第1火曜日mixx beautyを中心に、年間60本ペースで精力的にライブを行う。remix、客演、ビールケースの上から幕張メッセ(countdown japan fes 3年連続出演)まで、大中小規模なイベントに参戦する他、トラック、楽曲提供など活動は多岐に渡る。レぺゼン宮城県女川町スタイル。2014年から写真家として活動。SLIDELUCK TOKYOの第一回ファイナリストに選出。雑誌STUDIO VOICEでとりあげられる。2016年3月写真集「fastplant」発売するも即SOLD。
2017年12月に個展『PARANOIA SLAPPYS』を行い、同タイトルを冠した写真集を発売。新作photo zine『Don't mind others, your dance is awesome/周りばっかり気にすんな、お前のやり方で大丈夫だから』発売中。