vol.29「大久保さん、春なのにため息ひとつ」

2012.04.12

　昨夜の自分のtwitterでのつぶやきに引く。
“気持ちよく異性と呑んできた。でも彼は、天変地異があっても一番に私を思わないだろうし、「精子くれ」と言ったら、一回、手の平で握りつぶしそうだし。草食ばっか…って思ってる鏡に映る私の顔がメスゴリラでした。おやすみなさい”だって。
だって…といいつつも記憶はある。うん7割方ある。
敢えて「精子」というなかなか口にしない単語を使ったのもおぼろげに覚えているし。
「精子」を手の平で潰す（精子を殺しちゃうという意味）という表現もよく考えたら文学的な感じもするから、多少文章を練ったりもした気がする。
でも何の感情・感傷でこんなつぶやきを。
　いや、つぶやいた時を振り返ったら分かりやすい精神状況だった。
昨夜、仕事が終わったのが夜中の0時過ぎ。
睡眠不足の中、苦手でプレッシャーを多々感じる大喜利的仕事をなんとか終えヘトヘト。
でも気持ち的には上がっちゃってギンギンみたいな女性版疲れマラ状況。
ここはアルコール入れて、一旦アップしてからのクールダウンして睡眠というコースをとりたく。
帰りのタクシーの中で、飲めそうな異性（女じゃダメな時あるのよ）の連絡先から探してはみるものの…。いつもは最後の切り札なんだけど、誰も思いつかないからいきつけのバー「ラブジュース」に、いの一番に連絡するが留守電。
では次は……。いない…。本当にいない…。
なんで、久しぶりに思い切ってAさんにメールしてしまったのが事の始まり。
好きなのに思い通りにいかない、要は片思いのAさんに久しぶりのアタック。
Aさんには痛い目に何度もあってるのに、どうにも諦めきれずで。
元来のストーカー気質が全面に出ちゃって、佳代子、困っちゃう♡
可愛く言ってみたものの、結構な粘着アロンアルファレベルのストーカー気質だからしつこいのなんのって。
Aさんには、何度もやんわりと、いや露骨に拒絶されてきたのに。
例えば、デートまでこぎつけ、とってもいい雰囲気だったので酔った勢いにまかせ、「家にシャンパンあるんで飲んできません？」と誘ってみた。
したらAさん、まさかの三文芝居で
「イタいイタい、胃がイタいよ〜ダメだ。あれ？どうしたんだ胃がイタい…」って急な胃の激痛を訴え出し。
あきれるほどのサル芝居に、やや引くものの再度「家で休んでいきません？」と言おうとすると、「休んでい」辺りでくい気味に「ごめん、帰るわ、家で寝るわ」と、絶対胃に響くだろうという全力競歩で去っていき。
あの後ろ姿、忘れないな。
あと、何度かデートしてくれていたのに、急に忙しいという理由で会ってくれなくなったから、ちょっと詰め寄ってしまった私も悪いんだけど…。
「ちょっとでいいから時間作ってよ。明日は？」
「明日は病院」
「じゃぁ、次の日は？」
「妹と会う」
「その次の日は？」
「うーん、友達の家の猫に餌をやりにいく」
嘘でしょ？猫の餌やりって…、もっとうまい嘘なかった？
嘘つくなら、もっとちゃんと考えてつくくらいの優しさはないの？
という訳で、ここまでバカにされたならもう二度と誘わないと思っていたのに、数か月ぶりの「飲まない？」メール。
そしたら、すぐに返信ありましたよ。
「3日前から下痢が止まらずで、今トイレから出れないんだ」と。
もうゲーリーゲーリーホームラン！ですよ。
ごめんなさい、何言ってるかわからなくなるほどのショックだった訳で。
疲れた身体に追い打ちダメージ。
このまま一人で家に帰るわけにはいかず、近所のいかがわしいバーヘ。
居合わせたサラリーマンやらオシャレ若者に
「大久保さん、キレイですよ」「俺イケますよ」
と言うおべっかをつまみに、まんざらでもない気持ちになり、回復できたかなと思い帰宅したんだけど。
一人になって、改めて自分には自分を一番に思ってくれるパートナーがいないんだと思ってしまい、あんなつぶやきを。
あら？これを書いている側のテレビには「ヒルナンデス！」で行ったディズニーロケがOA。
私、グーフィーの帽子かぶってドナルドとテンション高くお尻ぶつけ合ってるじゃん。
はしゃいでるな、私。
「精子」からの「ディズニー」。我ながら自分が不安になる春の日です。