時間の流れは本当にあっという間で気が付けば今年も残すところ2カ月。肌寒く感じる朝を迎え、街行く渋谷のお洒落さん達も上着を着はじめるようになった。
ここ数年間、わたしは“仕事で身につけるお洋服は汚れても良いもの”を身に纏うようになり、お洒落な可愛いお洋服に心がときめいても「仕事しかしてないんだから、買っても無駄。着る機会なんてない。」と諦め、封じ込めてしまっていた。(気が付いたときにはおろしたてのタイツが伝線していたり、お気に入りの白いシャツにケチャップが付いたりして凹んでる。笑)そんなときに、学生時代からの友人に一冊の本を紹介され、まさに“今、出会えて良かった!”と思えたので、同じような思いを抱いていたり、ちょっと自分に自信が持てなかったり、そんなあなたと一緒に、一歩前へ踏み出せたら嬉しいな♪
自分のご機嫌は自分でとる
“好きかも”にあふれる空間で今日がはじまる
松田未来「私が私らしく生きる美学」
双葉社 / ¥1,500+tax
InstagramやYouTubeで今、女性たちから圧倒的共感を集めるヘアメイク・松田未来さんの初エッセイ。
友人(美容師)から「この人、知ってる?」と聞かれ、見せてもらったInstagramが著者である松田未来さんのInstagramアカウントだった。投稿をするお写真の温かく柔らかい色合いや笑顔で映る姿に心がほっと緩むので是非、皆さんも眺めてみて欲しい!
今この時代、SNSの投稿をきっかけにたくさんの方が書籍を出版したり、一般の方でも前に出るお仕事など、どんどん可能性が広がり“芸能人のたまご”のような人たちで世の中は溢れている。正直、SNSを眺めるだけで疲れてしまう時期もあったんだけど、誰でも同じフィールドで参加でき、親近感を抱き、共感できる空間。そこで輝くSNS時代のクリエイターさんの活躍と勢い、発信し続ける才能を日々目の当たりにし、尊敬しかない。誰にでもできそうなんだけど、何かを続けるって本当にすごいことよね。(わたしは続けようと意気込んでも三日も持たない一日坊主なのである)
本作品の最大の魅力は“言葉”だと思う。
友人からの言葉のような、先輩からの言葉のような、姉妹からの言葉のような、
あなたを応援する者の言葉として、心にすっと入っていけたら。
―P.003『私が私らしく生きる美学』―はじめに
冒頭にもあるよう、松田さん自身が意識をしている“言葉”。その言葉選びがとても優しくて、心に寄り添ってくれる温かさを文字から感じる。真っ直ぐに読んでいる“あなた”へ向けた優しい伝え方や言い回しはもちろん、松田さんが自分自身としっかり向き合う真っ直ぐさ、誠実さを感じられるのも人気のひとつだと思う。
そして、お洒落本を手にしたとき共感してくれる人がいるかは分からないんだけど、わたしは“到底真似できない別次元”として眺めることが多い。紹介されているお洋服のお値段だったり、美容アイテムだったり、「このお値段は手に出来ない」と一気に現実世界に引き戻される。ただ、松田さんの“お気に入り”としてお家にある食器やコスメなども本作品内で一部紹介があるんだけど、すでに持っているアイテムだったり、知っているモノだったりで真似しやすい! “これがあると少しお洒落になれるかも!?” に一歩近づけた気分になれるのも嬉しい♪(笑)
1ページ毎に楽しめるカタチで作られているので(エッセイの魅力を最大限に活用している)、読書が苦手、本が好きではない、という方も“おまじない”のようなカタチで、今日の気分は~とパラパラとページを捲り、止まったところを読み、今日を始める、そんな楽しみ方ができるのも嬉しい。毎日の生活の中でやっぱり本を読む時間を作ることでゆったりと心にも余裕が生まれると思う◎
1日の始まりも終わりもハッピーかバッドかも決めるのはいつだって人生の主役は自分。時の流れも今この瞬間も誰にも止められない。自分をご機嫌にできるのは“自分”しかいないのよね、結局。(わたしは自分自身のご機嫌&モチベーションアップで、お洋服に合わせたネイルポリッシュと季節に合わせたアイラインの色味、書き方で毎朝テンションを上げて、鏡の中の自分をめちゃくちゃ褒めることを習慣にしている(笑)。)ゆったりとできる空間で『私が私らしく生きる美学』を読み自分と向き合う時間を過ごしてみてください。
あなたの今日がハッピーエンドでおやすみできますように。
文章:おくはらしおり Twitter:@okuhara1990