ツイッターを開くと。
好きだったミュージシャンが、音楽を辞めると発言していた。大ファンというわけではないけど、カッコいいなぁと思っていたし。憧れて、尊敬していた。
周囲の反応を見ると、一時期の人気はもうなかったらしく。ピークは過ぎたって言葉をよく耳にした。
インターネットがあるからさ。そんな声を知ることなんて。自分がどう思われているかを知ることなんて、あまりにも容易い。少数意見だろうと多数意見だろうと。
どんな気持ちで、過ごしていたんだろう。どれほどの怖さを感じていたんだろう。どれだけ、その人のツイッターを読んでも、そこは想像も及ばない領域で。どれだけ感情移入した気になっても、その悲しさは体験はできない。
ステージに立つだけなら誰でも可能。生きていくだけなら誰でも可能。
ただ、僕らは異常な美意識を持っていて。それにずいぶんと苦しめられる。なりたい自分を諦められなくて、心が壊れそうになる。美しく歩こうとしては、その大変さとは見合わない仕打ちに、疲れてしまったりする。
それでも、生きていくことは簡単にはやめられないし。音楽に取り憑かれてしまった僕らは、それと同じように音楽をやめられない。
期待とか、諦めとか。もうそんなんでもないような気がしている。
どれだけ打ちのめされても、終わらないのか。
目の前の人が、みんないなくなったら。
その時には、立っていられなくなるのだろうか。
栄光を夢見ている。ある日突然、劇的に状況が変わらないだろうかって、過ごしている。
それだけじゃ満たされないと知りながら。でも、今日を笑って過ごしたい。
せめてそれぐらいがあれば、どんな日々も報われるような気がして。
苦しくても、悲しくても。