4月4日に書いてます。いっつも〆切ギリギリなのに、ずいぶん余裕だ。
この文章がルーフトップに載るのは5月1日。これまたずいぶん先だ。
明日、4月5日に最終少女ひかさの1stアルバム『グッドバイ』が、全国のCD屋に並ぶ。はず…。なにもなければ、無事に明日店頭に置かれてる。
もうしばらくのあいだ。北海道札幌で音楽をやっています。音楽を作って、それを人前で披露する。それがなによりの生きがいでした。もうずっと。
人に自分の音楽を聴かせる方法は、いくつか選択肢があると思う。ストリートライブとか。ネット配信とか。
俺が選んだのは、ライブハウスで、ライブをさせてもらう。ホームページ調べてメール連絡したり。直接お店に行ってお願いしたり。
チケットが売れなけりゃ、お金はかかるけど。それでも、俺はライブハウスでいろんなバンドを見てきたし。そのステージに憧れてたし。なによりも、ライブハウスのステージに立つ自分を、いろんな人に見てもらいたくて仕方なかったから。
北海道外から、ツアーに来るバンドと共演する機会もあった。
ツアーをしてるってだけでも、なんだかすごいなって思ってたし。だいたいのバンドはレコ発のツアーだったりするから。全国流通のCDを出してたりして。
俺は、なんて言うんだろう。
もう、劣等感の抱き方が気持ち悪いぐらい異常で。常に人からの目が気になってて。カッコつけで。
コンプレックスの塊が歩いてる。みたいな…(笑)。
そんなんだから。全国流通してるバンドと自分には、すごい差を感じていた。なめられてるだろうなって思ってたし。昔はそれに噛みつく度胸もなかったし。むしろ、悔しいとかも感じてなかったかも。ただ自分が傷つかないように、あんまり興味ないフリしてた。
カッコ悪いとこ見せたくないって思ってたから。熱くもならずに。
全国流通。憧れてた。羨ましかった。本当は、すごくすごく。もう、本当にノドから手が出てくるんじゃないだろうかってぐらい。
どうやったらCD出せるんだろうかって。知りたかった。どうすればCD屋に並ぶの? って。
でも、誰かに聞くこともカッコ悪い気がしてたし。「お前にはどうせ無理だろw」とかって思われるのが怖かったし。なにより、ただ傷つかないように生きてきた俺には、そういうことを聞ける人がいなかった。説教してくれる先輩だとか。心を開いて語り合える同志とか。そういう対象が存在してなかった。
きっかけはなんだったんだろう。歳だけとっていってる自分に、いつも焦りを感じていた。
全国流通。俺は明日する。
全国流通盤を出してるバンドなんて。言い方は悪いが、本当に「腐るほど」いる。
その仲間入りするだけ。
「全国流通なんて、たいしたことないぜ」って、俺は明日から言える。してるから。
してねぇうちに言うのは、もうとっくにやめた。
「全国流通してるからなんなんだよ。偉そうにすんな」
確かになんでもない。俺そんなんじゃ腹満たされない。鼻伸ばすつもりもない。でも、過去の俺はしてない。明日の俺はしてる。過去の俺は行動すらしてない。
あの日の俺と同じように、何かが起こることに期待だけして、熱くなれない男がいるはず。
明日、俺、全国流通盤出す。なんも変わらない。そこに大きな差なんてないだろう。でも、誇りに思ってる。