このコラムは、800字〜1,000字程度の文字数でお願いされている。だが、もう1時間後には提出しなければいけないこのタイミングで、まだ200文字しか書けていない。絶望的。
ということで、ラッキーヘル(私の所属する事務所)の社長に助けてもらおうとお呼びしております。
──では社長。お願いします。
「はいどうも。社長のキャット川口です」
──それではさっそく僕の書いた文章を、より良い文章にするため手直しをお願いします。読み上げていくので、気に入らない箇所があったら止めてくださいね。
「ストップ」
──いやまだ始まってないので。ベタなボケはやめてください。殴りますよ。
「どんどんいきましょう」
──チッ…。じゃあいきますね。【いやー、すっかり寒いですね。どうも、推し松はカラ松でお馴染みの、最終少女ひかさ但野正和です】
「はい止めて」
──あ、はい。なにか問題ありました?
「はぁ? 問題だらけだよ。まず出だしがパンチなさすぎ。ガツンと始まってよ。そんなんじゃ一生売れないよ? 冒頭はパンチ力が大事。あとはミステリアスなキャラ設定のほうが但野くんのキャラクターが引き立つ」
──なるほど。
「でだ。パンチの代名詞と言えば裸。そして謎めいた台詞。つまり冒頭は【メロンパンの気持ちを知りたいか? なら、まずは裸になることだぜ。】となる」
──いやならないから。謎めいてるってか謎そのものだろおい。
「で、推し松はカラ松って何? おそ松さんネタ? とりあえず人気アニメの話題を出せば自分も便乗できるって思ってない? てかそもそもなんでカラ松なの? そこは十四松じゃない?」
── …確かに。すいませんでした。
「あー…でもやっぱ、松って言ったら松たか子だな。だから【推し松は、たか子でお馴染みの】にしよう」
──え…いやちょっと待っ…。
「で、バンド名もなんか気に入らない。変えよ」
──ええええ!! いやこのタイミングで!?
「君たちにはもっともっと大ヒットするバンドになってもらいたいの。超売れてるバンド挙げてみ?」
──ええと、自分が聴いてるのになってしまうけど。B'zとかサザンとかミスチルとか…。
「そう。正解。分かってるじゃん」
── …ありがとうございます(?)。
「ってことでバンド名は、ビーズチルドレンオールスターズでいこう」
──いや絶対ダメだろ。
「売れたくないの?」
──いや売れたいけど! 売れたいけどっ!!
「じゃあいいね。で、名前も変えよ。MA☆SAにしよう」
──その星はなんだコラ。
「文字数オーバーです」