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編集無頼帖

顧みられることもなく、思い出されることもなく

2020.12.09

気がつけば師走だが、浮き足立った歳末感はゼロ。
今年はよくがんばったという充足感もないし、あるのはただぼんやりとした先行きの不安のみ。4月からずっとそんな感じ。
まあ、吹けば飛ぶような脚元の覚束なさは別に今に始まったことじゃないし、行けるところまで行くしかないのですが。
 

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週末はeastern youth初の配信ライブを鑑賞。
自宅のパソコンでeyのライブを観ること自体がSF的。
最新作『2020』収録曲がすでに往年のレパートリーと馴染んでいるのが印象に残った。特に「月に手を伸ばせ」。
バンドのライブを観るのは丸1年ぶりなのでそれだけで貴重なのだが、やはり現場で轟音と振動を感じたい。代替不可の「存在」をあらためて実感した。
 

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そして昨日は12月8日。あれから40年。
藤本国彦さんから近著を献本いただいたので、書評(のようなもの)を書いてみました。

人間は二度死ぬという。肉体が朽ち果てたときと、人々の記憶から消え去ったときと。
だけど死後に得る賞賛なんて、死んだ人に果たして届くのだろうか。
その人のことを忘れない限りその人は生き続けるというのは、たまたま生き延びたわれわれに必要な慰みで都合の良い考えなだけじゃないだろうか。
なーんてとりとめのないことを、中山加奈子さん言うところの「Heaven's Gig」をしている人々に思いを馳せながら考えている。

PROFILEプロフィール

椎名宗之(しいな むねゆき):音楽系出版社勤務を経て2002年1月に有限会社ルーフトップへ入社、『Rooftop』編集部に配属。現在は同誌編集局長/LOFT BOOKS編集。本業以外にトークライブの司会や売文稼業もこなす、前田吟似の水瓶座・AB型。

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