というわけで、今日11月14日はbloodthirsty butchersの最新作『youth(青春)』の発売日です。
まずは何の先入観もなくまっさらな気持ちで、その瑞々しく情緒豊かな轟音と歌を全身で受け止めて下さい。
そして、聴き終えたら是非この作品の素晴らしさや感じたことを誰かに伝えて下さい。
ブッチャーズの豊潤な音楽をまだ知らない人に伝えて下さい。
きっと語りたくなることがたくさん出てくると思うので。
その時の参考資料としてRooftopのインタビュー記事が役に立てば、こんなに嬉しいことはない。
ウチだけではなく、『音楽と人』の射守矢さん単独インタビュー(グッとくる!)や『indies issue』の健さん&順さんのW谷口対談(愛情たっぷり!)も非常に読み応えがあるのでおすすめです。
あ、次号の『FOLLOW UP』ではなぜかぼくがブッチャーズについて語るという大胆にも程があるインタビューが掲載される予定ですが、それはどうか無視して下さい(笑)。
アルバムと同時発売される菊池茂夫氏の写真集『bloodthirsty butchers「青春」』も必携です。
バンドが全幅の信頼を置いていた菊池さんだからこそ撮れた写真の素晴らしさは言うまでもなく、表紙に箔押しと特色をあしらった豪華な装幀、写真の映える高級な紙を贅沢に使った製本も秀逸。ズッシリと重い実物を手に取れば間違いなく欲しくなるはず。
それにしても、写真集のページをめくるたびにいろいろと感慨にひたってしまう。
Rooftopで取材した時のフォトセッションを始め、自分が企画したロフトでのライブやトークライブ、司会を務めた映画の舞台挨拶の写真も数多く掲載されている。この横に自分がいるな、みたいな写真も多々ある(朝一で吉村邸集合で同行したAIR JAM東北の写真なんて、まだ去年の話だもんなぁ…)。
吉村さんがひで子ママと化した打ち上げの写真にぼくが同じフレームで収まっているのもある。
考えてみれば、吉村さんと一緒に写った写真はほとんどない。
普段から頻発に会ってる人と写真を撮ろうなんて発想がまずない。その前に、一緒に写真を撮るなんて照れくさい。
だからある意味、とても貴重な写真とも言える。
その写真がとても象徴的で、傍から見れば吉村さんとぼくの関係性はああいう北野武と高田文夫みたいな感じだったんじゃなかろうか。バウバウ言ってる感じの(笑)。
でもまぁ、まさかこんな形で当時ブッチャーズや吉村さんと関わった記憶を回顧するとは夢にも思わなかった。
「明日ライブだよ!来る?」という深夜のメールがライブのたびにある生活がずっと続くものだと思っていた。
当たり前だと信じ込んでいるものがいつまでも続くものではないという至極当たり前のことを、菊池さんの写真集から強く感じた。
そしてその喪失感と笑顔の絶えなかった日々の追憶をこの先もずっと携えて生きていくのだなぁと、諦めにも似た境地で感じたりもする。
こうした作品と出会うたびに、映像や写真といった視覚的な力の前では平伏すしかないなと愕然とするが、自分にしか為し得ない活字表現をもっと頑張ろうと純粋に思ったりもするのだ。
28年目の11月14日に
2013.11.14