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岸本ゆめの、ワンマンライブ『避難囂囂』下北沢SHELTERで開催

2025.11.11

岸本ゆめのが、11月10日(月)に東京・下北沢SHELTERでワンマンライブ『避難囂囂』を開催した。
 
2023年11月につばきファクトリーを卒業し、2024年4月から本格的にソロアーティストとして始動した岸本。自ら作詞し、楽曲制作とライブ活動を重ね“岸本ゆめのの音楽”を追い求めてきた彼女は、11月18日に初のCD作品となる1st EP『四半世紀 – EP』をリリースする。岸本は、ロックバンドの聖地である下北沢SHELTERに初めて立ち、4ピースの生バンド編成で新作EPの楽曲をフィーチャーした熱いライブを繰り広げた。
 
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ソールドアウトとなった会場は超満員。開演時間になると、期待感高まる観客の前に岸本とバンドメンバーが登場する。岸本とともにステージに立つのは、彼女の音楽タッグパートナーであるVOLA & THE ORIENTAL MACHINEの楢原英介(G)、えらめぐみ(B)、短パン(Dr)。このメンバーは、今年5月のワンマンライブや8月の音楽フェス『LuckyFes'25』など、数多くのステージを岸本と一緒に作り上げてきた強力な布陣だ。
タンクトップにデニム衣装の岸本はマイクを握り、シンセポップチューン「おいでませ四半世紀」からライブをスタートする。キャッチーなメロディで爽快に観客を盛り上げると、ギターを手にした岸本は「心にSUNNY」でスウィンギンにポップにフロアを楽しませる。流れるように、新曲「しかくい雲」をバンド編成で初披露。彼女は透き通るようなボーカルでメロディアスなミディアムチューンを観客に届け、会場は大きな拍手に包まれた。
 
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「本気で会えてうれしいです! 来てくださって、ありがとうございます!」と元気に観客に挨拶した岸本は、ライブに戻ると「Delete」で切なくも心地いい世界観を響かせる。続けてソロデビュー曲「BLUEMOON BLUES」を披露し、迷いの中にある希望感を感情を震わせエモさたっぷりに熱唱した。「ユーアーアイ」はライブでよりグルーヴ感あふれるアレンジとなって届けられ、観客の心をしっかりロックした。
 
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MCタイムで岸本は「11月18日に初のCD、1st EP『四半世紀 – EP』が発売になります! 今まで配信だけで曲をリリースしてきて、ちょっと手焼きでCDをマネージャーさんと作ったりしてたんですけど、今回初めて業者さまに発注してCDを作っていただきました。みなさんが自宅の近くのレコードショップで受け取ったり予約したりしていただけるっていうのが初めてなんですよ」と、ソロとして初CD作品完成の喜びを露わにする。「だから今日は、このライブで全曲やります!」と声を上げ、観客も大きな歓声で呼応した。
 
ライブを通じて様々なカラーの楽曲で楽しませる岸本は、「静電気パチリ」で渋谷系ポップを下北沢に響かせる。「しあわせはっぴい」で優しいメロディを奏で、「まだ熱のある君は」では穏やかなミディアムサウンドを届ける。スローチューン「泣きたくはない」では、人の強さと弱さを温かく力強く音楽で表現した。
 
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MCタイムで、岸本は25歳になっての思いの変化を語っていく。「今回のEPで5曲作って全部歌詞を書かせてもらったんですけど、歌詞を書くと自分の生活を振り返ることになるんですね。今、25歳だから『四半世紀 – EP』ってタイトルなんですけど、最近強く思うことがあるんです。親に長生きして欲しいってことなんですよ」「前は、自分は何歳くらいまで生きられるんだろう?って自分のことしか考えてなかったけど、今は自分が歳を重ねて自立して行けば行くほど、“親よ、いつまでも私と変わらぬバランスでいつまでも歳を取り続けてくれ、永遠に”って思っちゃうんですよ。じゃないと、私が85歳のときに書く歌詞をあなた聞けないんですよ、ってことを今日電車でここへ来るときにふと考えました」「でも、みんなも同じだから。私はこれからもっともっと強靭になっていくんで(マッチョポーズをとる)、明日にはまた明日の私がいるんですよ。だからどうかみんなも生き続けて、私とともに一生歳を取り続けましょう!」と、岸本はあらゆる人の長寿を願い、観客も大きな拍手で賛同を伝えた。
 
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気づけばライブもラストスパートに突入。岸本が作詞作曲したミッドテンポのギターチューン「Youlinyang」(読み・ユーリンヤン)を披露したあと、「ラストスパート、みんな拳を振り上げましょう!」の掛け声から「TEKKEN(♡)」をドロップ。ソリッドなギターリフがドライブするアップチューンで観客はヒートアップ。疾走感たっぷりの「り:すたーと」で会場の熱量をガンガンに高めると、続けざまに「なぐさめないで」を投下。岸本は、ダイナミックなサウンドで、どんな状況でも諦めずに前進していく思いを熱唱。全観客のテンションをアゲまくりライブ本編はフィニッシュとなった。
 
まだまだアツアツの観客はアンコールの声を上げ続ける。岸本とメンバーがステージに再び登場すると、彼女たちはオルタナティブなギターロックナンバー「シカゴ」をブチかまし、会場の熱気をさらに高めた。
 
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MCタイムには、1st EP『四半世紀 – EP』のリリース記念イベントが、11月20日にタワーレコード渋谷店、11月30日にタワーレコード池袋店で開催されることが発表された。
そして岸本は「終わるからこそ、また次会えると私は信じております。正真正銘最後の曲やらせていただきます!」と観客に語ると、ラストナンバー「辛くないハッカ」を披露する。タイトに疾走していくサウンドの上で、岸本は現状を抜け出したい思いと眠れない夜に浮かぶ感情を絡めて熱唱する。気迫たっぷりのステージに観客もブチアガり、会場は熱い盛り上がりとなった。
最後に岸本は「いやぁ、少し泣きそうだよ。来てくれてありがとう!」と感慨深げに観客に感謝を伝える。「でも今は泣かずに、10年後に涙を見せようと思うんで、みんな10年後までコンスタントによろしくお願いします! ありがとうございました、岸本ゆめのでした!」と声を上げ、観客も大きな拍手を送りライブは締め括られた。
 
伸びやかで強さと憂いと優しさを持つ岸本のヴィヴィッドなボーカルは、観客の心をがっちり掴む説得力に満ち溢れていた。息の合った4人の演奏で繰り広げられるステージは、正々堂々と音楽に向き合ってきた岸本のミュージシャンシップをしっかり感じさせる熱さがあった。岸本ゆめのの音楽の旅はここからさらに勢いを加速していく。岸本の今度の活動に期待して欲しい。

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