crowzet(加藤慎一 from フジファブリック)のワンマンライブ『WALK IN crowzet vol.2』が10月5日に新宿LOFTで行なわれた。
crowzetは加藤慎一が4月にスタートさせた新プロジェクト。『WALK IN crowzet vol.2』は新宿LOFTのオープン50周年を記念したイベント『SHINJUKU LOFT 50TH ANNIVERSARY PRE-EVENT SINCE 1976』の一環として開催され、北澤ゆうほ(Vo / Q.I.S.、the peggies)、ほのん(Vo)、竹内サティフォ(Vo, G / ONIGAWARA)、谷川正憲(Vo, G / UNCHAIN)、オヤイヅカナル(Key / JINGRANG)、伊井宏介(B / ircle)、イ・インウ(Dr / HYUKOH)、箱木駿(Dr)がサポートメンバーを務めた。
ライブの幕開けを飾ったのは、タイトル未定の新曲。加藤はベースのみならずボーカルも担当し、飾り気のない歌声を誠実に響かせた。
ステージ前方へ躍り出た彼が、ベースを持ち上げてスナイパーさながらのポーズをとると、フロアは大盛り上がり。この動作はファンの間で“ベース銃”と呼ばれ、人気を博している。
ほのん、竹内、谷川の3人でボーカルを回しつつ、crowzetは次々に新曲を披露。加藤はほのんと知り合った経緯について「『すごくいい声の人がいる』とスタッフに言われて、ほのんさんの弾き語りライブをこっそり観に行ったんです。それからなんやかんやで今日、参加してもらいました」と話し、ほのんは「歌わせていただいて、幸せでございます」と微笑んだ。
ライブ中盤に設けられたのは、crowzet恒例のカバーコーナー。私立恵比寿中学「お願いジーザス」、JUDY AND MARY「散歩道」、サニーデイ・サービス「青春狂走曲」、サカナクション「新宝島」は原曲に忠実なアレンジで、キリンジ「エイリアンズ」と椎名林檎「丸の内サディスティック」はUNCHAINが過去にリリースしたカバーバージョンにならって演奏された。
続くフジファブリック「夜の中へ」では、加藤がベースを置き、ハンドマイクで飛び跳ねながら歌唱。ご機嫌なスカビートも相まって、場内にピースフルなムードが満ちた。
ここで突如、サポートメンバーは退場。1人きりになった加藤が「こうしてみんながいなくなって、私がやることといえば……“加トーク”!」と口にすると、フロアから黄色い歓声が上がる。“加トーク”はフジファブリックのファンにとっておなじみのトークコーナー。盛大な拍手を受けた加藤は「“加トーク”の人気、すごいなあ(笑)」と喜びをあらわにした。
今回のトークテーマは“新宿LOFTと私”。加藤はマイクを片手にふらふらと歩きながら「あれは2002年頃でしょうか……」と切り出し、「ロサンゼルスクラブ(志村正彦が働いていたライブハウス兼スタジオ)でリハをやったあと、志村と一緒にLOFTに向かったんです。新宿は、今もそうですけど、人が本当に多くて。だからずっと、縦列でしか移動しないわけです。ドラクエのサマルトリアの王子みたいに」と新宿LOFTに初めて来た日を懐かしむ。「そんなわけでLOFTにたどり着いて、それからいろいろなご縁が生まれて、イベントにたくさん出させていただいて。ただ、フジファブリックは当時から、なんというか、人と会話するのが苦手でございまして。打ち上げのときも、1回座ったらもう動かないんですよ」と語ったのち、「いや、金澤ダイスケさんは動いてたか(笑)」と付け足した。
その後、北澤、竹内、谷川、オヤイヅ、インウが合流し、バンドは6人編成に。新曲の切なくも前向きなメロディを、北澤はたゆたうように歌い上げた。加藤は「『夜の中へ』で飛び跳ねたら、意外と疲れてしまいました(笑)」と自身のパフォーマンスを回顧。ラストナンバーとなった楽曲ではベース、ギター、ピアノのユニゾンが朗らかに響き、crowzetの新宿LOFTワンマンは大団円を迎えた。[Text:安部孝晴 / Photo:MAYUMI]
▼セットリスト
01. 新曲(タイトル未定)
02. 新曲(タイトル未定)
03. 新曲(タイトル未定)
04. 新曲(タイトル未定)
05. お願いジーザス
06. 散歩道
07. 青春狂走曲
08. エイリアンズ
09. 新宝島
10. 丸の内サディスティック
11. 夜の中へ
12. 新曲(タイトル未定)
13. 新曲(タイトル未定)
14. 新曲(タイトル未定)














