レイラが8月にリリースしたEP『Summer days』リリースツアー『あの街に行こうねって約束覚えてる？』ファイナル公演となるワンマンライブを9月27日（土）下北沢SHELTERで開催した。下北沢Flowers Loftからスタートし、各地ゲストを迎えて行われたツアーの途中で、実は8年前から声帯結節を患っていたという有明（Vo/Gt）の声が出なくなり公演延期になるなどのトラブルに見舞われながらも、大事には至らずツアーを続行。レイラのホームであるSHELTERで無事ファイナルを迎えた。
轟音からの静寂と緩急の効いた1曲目「アパートの中で」から、すでにクライマックスのようにこみ上げるエモーショナルな演奏でスタート。続く「透明少女」で一気に溜め込んだパワーを爆発させる。誇張ではなく、ライブの回数を重ねるごとに威力を増すみうらたいき（Gt）とサポートメンバーたちのパワーに、それぞれの楽器とSHELTERの強度が耐えられなくなっている気がする。それぐらい起爆力のある演奏に、「楽しい夜にしよう！」と有明も伸びやかなボーカルを乗せる。軽快な「夏風邪」でのラララ～の大合唱はお馴染みの光景となった。
「途中、声が出なくなっちゃったりもしたけど、こういう状況だからこそ得たものがある」という有明のMCから、今回のEPの中で重心の低いギターサウンドが印象的な「ハイウェイ」や、「Flyaway！」、「いらない」、「戦争が起きたら」など、オルタナティブなサウンドが作り上げる深遠な世界観にぐっと引き込まれる。先日のインタビューの際に「今回のEPで一皮むけた」と話していたみうらのキレのある演奏やステージングには何度もくぎ付けになった。サーフロックな「このまま」や、カラフルなポップソング「ダンスホール」では、ミラーボールが回るパーティー感で重い空気を吹き飛ばす。「みんなそれぞれに違うレイラとの出会いや曲があって。みんなが少しでも豊かになったらいいなっていう気持ちで演奏します」という有明の言葉通り、ポップであり、オルタナであり、明るくて暗い、レイラの多彩な楽曲を次々に聴かせた。
「帰ってくる場所ができて、待っててくれる人がいて、聴きに来てくれる人がいるっていうことがこの9年間やってきたことの証。レイラと出会ってくれてありがとう」という有明の言葉からラストの「サマーエンズ」。切ない過去の恋愛の曲で始まって終わるセットリストにストーリー性を感じた。
アンコールでは来年1月18日（日）有明の27歳の誕生日当日に、毎年恒例となっている自主企画イベント『いとしの令和 2026』を新宿LOFT&BARで開催することを発表。大歓声が上がる中、「ふたりのせかい」、「最低」を披露し、ステージを去った後も歓声が鳴りやまず、「ちょうどもう一曲やりたいよねって言ってたところだった」と再びステージに登場し、「つまらない」を演奏。ツアーファイナルに相応しい盛大なラストを飾った。
ワンマンという長尺で曲数が多いということもあるが、MCで語る言葉よりも、本当に伝えたいことは歌や演奏で伝えようという気持ちがいつもより強かったように思う。ホームであるライブハウス、SHELTERだからこその安心感とともに、多彩な楽曲と威力のある演奏、そして伸びやかなボーカルは10周年を目前に、もっと大きなところを向いているのが感じられた。［Text：小野妙子 / Photo：稲垣ルリコ（X・Instagram）］
レイラ EP Release Tour 2025 “あの街に行こうねって約束覚えてる？”
2025年9月27日（土）下北沢SHELTER
【SET LIST】
1. アパートの中で
2. 透明少女
3. Ash
4. 夏風邪
5. ハイウェイ
6. ピンクの魚
7. Flyaway!
8. いらない
9. このまま
10. 話をしよう
11. あなた色に染まりたいの
12. 戦争が起きたら
13. ダンスホール
14. WONDERLAND
15. 神様
16. Emma
17. サマーエンズ
en1. ふたりのせかい
en2. 最低
en.3. つまらない
※画像をタップすると大きいサイズでご覧いただけます。
Live Info.
レイラ presents. "いとしの令和"
2026年1月18日（日）新宿LOFT ＆LOFT BAR
OPEN15:00 / START15:30
出演：レイラ / and more...
前売¥4,000 / 学生（大学生・専門学生）¥3,000 / 当日¥4,900
※1ドリンク別、学生チケットは入場時学生証提示
e＋一次先行：10月5日 23:59まで
＜高校生以下無料ご招待！＞
申し込みはこちら
（10月31日まで）
問い合わせ：HOT STUFF PROMOTION 050-5211-6077
