横浜のオルタナティブロックバンド、レイラと下北沢SHELTERによる3ヶ月連続企画ライブ『Lucky Seven』の最終回が、3月7日(金)下北沢SHELTERで開催された。今年1月より毎月7日に開催され、初回はDear Chambers、UNFAIR RULEをゲストに迎えた。第2回はつきみの出演が予定されていたが、Vo&Gt.ににちゃんの体調不良により出演がキャンセルになった為、急遽板歯目との2マンライブを開催。そして最終回は、2021年に解散するも昨年再結成した滋賀のロックバンド街人。レイラのメンバーが18、19歳の頃からの旧友との久しぶりの共演は、今年に入ってSNSなどで思い悩む言葉を綴るレイラのGt&Vo.有明の苦悩を丸ごと全肯定する優しさに溢れたものだった。
先攻は街人。「コニカ」、「月になるから好きになってよ」など、疾走感のあるサウンドでみんなの苛立ちを代弁するように叫び、開放していく。MCではVo&Gt.奥が「18、19歳の頃の有明は全く人を信じていない目をしていた。今はすごく明るくなったけど、少し心配です。無理に笑わなくていい。疲れたらこっち側に戻ってきていいんだよ。みんなもね。クソにはクソって言っていい」と、新曲「クソみたいなバンド」を披露。‟クソ”という言葉を放つ度にとても愛情を感じたステージだった。

有明が苦悩している理由について「善意でもらったアドバイスに頭がいっぱいになってしまった」と語った。愛情が元にあるからこそ突き放すことが出来ず憂鬱になってしまったと涙を流しながら語る姿に、自分も無意識にそういう発言をしていないだろうかとあの場にいた人は内省したはず。「でも、チャレンジはしないとダメじゃない?ってメンバーに怒られたんで、レイラはチャレンジし続けていきます。次のチャレンジは、O-Crestワンマン!」と、5月23日(金)渋谷Spotify O-Crestにて9周年記念ワンマンライブを開催することを発表。奥が一番好きな曲という「アパートの中で」を披露し、本編が終了。アンコールでは、ステージでは絶対飲まないと決めているビールを手に登場。再び「透明少女」を演奏し(セットリストでは違う曲が予定されていた)、さっきとは違うポジティブで温かい空気に満ち溢れた。
SNSでの有明の言葉から日々生きずらさを感じている苦悩は痛いほど伝わってくる。しかし、そういう痛みや苦しみ、ポジティブもネガティブも全てを味方につける力がレイラにはあり、それが天性の強味だとライブを観る度に思う。昨年末の野音でのトラブルから有明の真摯なMCで観客を一気に引き込んでいったあの感じ。「大丈夫君はね 愛されているし 泣かなくてもいいよ」客席に向けて精一杯歌う「透明少女」のこの言葉をそのまま送り返してあげたい気持ちでいっぱいだった。(Text:小野妙子 / Photo:稲垣ルリコ)
【街人セットリスト】
1.ハリネズミのテーマ
2.コニカ
3.月になるから好きになってよ
4.SOS
5.こんなよく晴れた日は無性になきたくなるよ
6.怪獣
7. 織姫
8.トーキョーフロート
9.クソみたいなバンド
10.シオン
【レイラセットリスト】
1.透明少女
2.SEASIDE
3.feedback
4.Emma
5.あなた色に染まりたいの
6.戦争が起きたら
7.ヒットソング
8.WONDERLAND
9.このまま
10.アパートの中で
en.透明少女
Live Info.
レイラ 9th Anniversary ONEMANLIVE『精一杯走って』
2025年5月23日(金)
渋谷Spotify O-Crest
OPEN19:00 / START19:30
前売¥3,500 / 当日¥4,000 / U-18¥1,500(1ドリンク別)
発売日:3月8日(土)正午
※U-18チケットはイープラスでの前売販売のみ。入場時顔写真付身分証の提示が必要。