Rooftop ルーフトップ

REPORT

トップレポート映画『ジョン・レノン 失われた週末』、オノ・ヨーコを撮影した松本路子(写真家)と藤本国彦(ビートルズ研究家)によるトークイベント開催。「オノさんは『(失われた週末は)"試練の時"なのよ』と言った」

映画『ジョン・レノン 失われた週末』、オノ・ヨーコを撮影した松本路子(写真家)と藤本国彦(ビートルズ研究家)によるトークイベント開催。「オノさんは『(失われた週末は)"試練の時"なのよ』と言った」

2024.05.30

ザ・ビートルズのファンには周知の事実ながら、本当の事情はよく知られていない、ジョン・レノンとオノ・ヨーコが別居していた「失われた週末」と呼ばれるプライベートな日々。その時期、ジョンはどこで、誰と、どんな生活を送っていたのか──。
「失われた週末」は本当に「失われ」ていたのか。その真実に迫る奇跡のドキュメンタリー『ジョン・レノン 失われた週末』が現在、角川シネマ有楽町、シネクイント、新宿シネマカリテ、池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺ほか全国の劇場で絶賛上映中だ。
 

5月29日、『ジョン・レノン 失われた週末』の公開を記念して、シネクイントにてオノ・ヨーコと親交のあった写真家の松本路子、ビートルズ研究家・藤本国彦が登壇するトークイベントが開催された。

『ジョン・レノン 失われた週末』大ヒット記念トークイベント

フォトセッション.jpg

【日時】2024年5月29日(水)
【会場】シネクイント
【登壇者】松本路子(写真家)、藤本国彦(ビートルズ研究家/字幕監修)※敬称略
 
ジョン・レノンがオノ・ヨーコと離れていた時期、後に「失われた週末」と語られることになった1973年秋からの18カ月間。この時、ジョンはメイ・パンという女性と共に過ごしていた。その時、ジョンはどこで、何をしていたのか…。メイ・パンの証言をもとに、ジョンの素顔と知られざる真実に迫る奇跡のドキュメンタリー『ジョン・レノン 失われた週末』が大ヒット上映中だ。
 
5月29日(水)、『ジョン・レノン 失われた週末』の大ヒットを記念してシネクイントにて18時40分の回の上映後に写真家・松本路子と、本作の字幕監修を務めたビートルズ研究家・藤本国彦 登壇によるトークイベントが行なわれた。
 

松本路子.jpg

オノ・ヨーコとも親交があった松本は、1974年の「失われた週末」の時期にダコタハウスに滞在、ヨーコを撮影した写真家だ。
作品を観た松本は「当時、オノさんが『ジョンは私と離れる必要があって、今は私が与えた“試練の時”なのよ』とお話しされていたのが記憶に残っています。その“試練”の時期のジョンの様子が垣間見られて興味深かったですね」と、ヨーコの言葉の背景を映画を通して知ることになったと語った。
 

藤本国彦.jpg

藤本は「見方によって印象の変わる、それぞれの人生や人間模様が伝わってくる映画。ジョンとヨーコのアルバム『ダブル・ファンタジー』に、ヨーコが74年に書いた『Hard Times Are Over』という曲があって、Hard Timesというのはまさに“試練の時”という意味合いだと思うんですけど、様々な思いがヨーコさんにもあったのだろうし、メイ・パンさん、ジョン、ジュリアンにもそれぞれあったのだということが伝わってくる」と指摘した。
 
写真家を目指し始めた頃に、周囲から「女性がカメラマンになるのは難しい」と言われたことで“女性の生き方”に興味を持ち、様々な女性の写真を撮り始めたという松本は、「最初はオノさんのお話が印象に残っていたので、この時期にジョンは何をしていたのかな? ということが気になっていましたが、映画を観終わったときに、これは一人の女性の物語でもあるなと胸に迫るものがありました。メイさんが背負ってきた18カ月の重みに気持ちが寄り添っていくような気がしました」と語る。
松本は、現在映画監督として、フランス系アメリカ人のアーティスト、ニキ・ド・サンファルの作品と生涯をたどる映画制作を進めており、ひとりの女性にフォーカスした映画に関心があるからかもしれないと補足した。
 

1974年ダコタハウスにて撮影オノ・ヨーコ 1©撮影 松本路子 .jpg

©撮影 松本路子

1974年ダコタハウスにて撮影オノ・ヨーコ2 ©撮影 松本路子.jpg

©撮影 松本路子

1974年ダコタハウス入口にて撮影オノ・ヨーコ 3©撮影 松本路子.jpg

©撮影 松本路子

藤本も「初めて見る写真がたくさんある」と驚く、松本が撮影したオノ・ヨーコの写真とともに、「失われた週末」の時期に松本がヨーコと共に過ごしたダコタハウスでのエピソードも紹介された。
「映画では違う言われ方をしていましたが、滞在中にジョン・レノンから電話がかかってきたことも何回かありました。『カメラマンを家に泊めて大丈夫か?』とジョンに言われたのよ、と笑いながら言っていました」という知られざるエピソードが飛び出すと観客からは驚きの声が上がった。
 

松本路子2.jpg

藤本国彦2.jpg

その後、1980年代にワシントンやニューヨークで偶然出会い、90年代以降も何度かヨーコを撮影する機会があった。ダコタハウス滞在当時は20代だったという松本は、当時のヨーコの年齢になった頃から彼女の言葉が実感され、特に「『自由っていうのにも枠があって、その枠はどんどん外していけるのよ』というヨーコさんの言葉に励まされてきた」と語り、イベントを締めくくった。
 
1973年秋からの18カ月、ジョンはどこで何をしていたのか──。「失われた週末」は本当に「失われ」ていたのか。
その真実に迫る奇跡のドキュメンタリー『ジョン・レノン 失われた週末』は大ヒット公開中。

商品情報

映画『ジョン・レノン 失われた週末』

監督:イヴ・ブランドスタイン、リチャード・カウフマン、スチュアート・サミュエルズ
出演:メイ・パン、ジョン・レノン、ジュリアン・レノン、ポール・マッカートニー、デヴィッド・ボウイ、エルトン・ジョン
2022年/アメリカ/英語/94分/カラー/1.85:1/5.1ch
原題:The Lost Weekend:A Love Story 字幕:松浦美奈 字幕監修:藤本国彦
配給:ミモザフィルムズ
© 2021 Lost Weekend, LLC All Rights Reserved
2024年5月10日(金)より角川シネマ有楽町、シネクイント、新宿シネマカリテ、池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺ほか全国上映中

関連リンク

このアーティストの関連記事

RANKINGアクセスランキング

データを取得できませんでした

休刊のおしらせ
ロフトアーカイブス
復刻