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トップレポート【新宿LOFT歌舞伎町移転25周年記念レポート】新宿LOFTの歌舞伎町移転25周年を記念して、石野卓球とKERA率いる有頂天が極上の2マンライブを開催! 有頂天がカバーする「N.O.」に卓球が乱入するサプライズも

【新宿LOFT歌舞伎町移転25周年記念レポート】新宿LOFTの歌舞伎町移転25周年を記念して、石野卓球とKERA率いる有頂天が極上の2マンライブを開催! 有頂天がカバーする「N.O.」に卓球が乱入するサプライズも

2024.05.18

 新宿LOFTが西新宿・小滝橋から歌舞伎町に移転して今年で25年。そのアニバーサリーとして“新宿LOFT歌舞伎町移転25周年記念”と銘打った企画が4月から連日展開されているが、エイプリルフールの日に『ろふとのせんべろ居酒屋スペシャル』なるイベントでスタートした上にまさかの大盛況(!)だったりもすれば、石野卓球×有頂天の組み合わせのように“新宿LOFTというライブハウスだからこそ実現できる”日もある。新宿LOFTというライブハウスが持つ多様性という振り幅と、培ってきた歴史があるからこそ実現できる企画が、この先も続々と発表になっていくことだろう。
 

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 では『SHINJUKU LOFT 25TH 2MAN SHOW 石野卓球×有頂天』の日を振り返ろう。チケットはソールドアウトで、フロアはスタート前から身動きを取るのが難しいほど幅広い世代のお客さまでいっぱいだ。
 定刻から5分ほど過ぎて会場内が暗転、ステージ前のスクリーンが上がるとスタンバイされたDJセットと石野卓球の姿。石野卓球と言えば昨年11月、新宿LOFTがZepp Shinjukuを会場に開催した『ATTACK FROM LIVEHOUSE2』にも出演していることも触れておきつつ、まずはムーディーな「電気グルーヴ32周年の歌」が鳴り始める。曲そのものはお洒落テイストな1曲から始まったものの、以降はおなじみ・いつもの石野卓球スタイル。時に釣りのリールを巻く仕草をしたり指でメガネのポーズをしたりギターを弾くマネをする等々、たとえるなら幼稚園児がふざけて面白がっているようなおちゃらけ姿を見せながらも、魅せる響かせる音の魔術とのギャップ。

MYM-0020.jpgMYM-2300.jpgMYM-2332.jpgMYM-2353.jpgMYM-2421.jpg 客席での位置にもよるかもしれないが、わたしがいた場所から見る石野卓球の姿が時に身体の左半分・右半分でちょうど青色・赤色に照明が光り、視覚的にも神がかり的なものがあった。四つ打ちで身体の内臓まで抉ってくるような爆音に身を委ねあっという間の約1時間、最後はKERA「犬」をプレイ。先輩へのリスペクトと共に、キャップを脱いで一礼、さらに一礼し、笑顔でステージを去った後にはあの黄色いネオンが煌々と輝き続けていたのであった。
 

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 石野卓球の後に登場するは有頂天。ポスターで見かけたアーティスト写真そのままの衣装でステージに登場し、「ピノキヲ」からスタート。続く「ホワイトソング」で一気に会場のテンションは爆上がり。新宿LOFTは約2年ぶりの出演になるそうだが、「本当は今、ライブをやってる場合じゃないんだけど」と言うや会場内にも笑いが。でも「卓球とラフィンだけは、断れない」そう。「80年代のロフトは小滝橋にあって、そこで主に育って、ほぼそこにいた」とも語るKERA、さらにこの日は「久しぶりにロフトにいる、を実感」とも語っていた。
 

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 ちなみにクボブリュ(b)はトイレ内で石野卓球のプレイを聴きながら「壁がゴゴゴ〜! って! 僕も興奮して聴いてました、今度クラブに行ってみようかな」と笑わせる。先日、SNSを通して病を告白していたが、「クボの髪の毛もメンバーが何とかするし、その分も髪の毛を立てた」といったKERAの発言には大拍手。ちなみに還暦を迎えても毛量も安心な上に「ちゃんと髪の毛を立てないと、力を抜いてるなと思われてしまう」といったことも話していた。
 

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 そんなこの日、一番の盛り上がりは何と言っても有頂天のライブ後半。「一緒に演ることは叶わないですが、せっかくなので」と、電気グルーヴ「N.O.」を演奏し始めるや、ステージにさっと飛び込んでKERAのマイクを奪う石野卓球! 本当にサプライズだったのだろう、マイクを奪われたKERAは使えるマイクを探しギター位置にあるマイクを外し持つ。事前に石野卓球には声をかけたそうなのだが、“DJの時はマイクを持つ時と違うから”といった体で断られたと話していたし、大盛り上がりで曲が終わった後にまず「出るなら言えよ、最初っから!」と声をかける。そもそもイントロで石野卓球が出てきた時も最初はロフトのスタッフが出てきたと思い、「何かあって演奏が止められるのかと思った」とも語っていた。見ている側としてはサプライズ感満載すぎて見ていて本当に最高! であったし、有頂天メンバー全員の名前を1人ずつ言いながら「大好きー!」と肩を組んで回る石野卓球の姿も微笑ましかった。
 

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 「千の病を持つ男」で本編が終わり、アンコールは2曲。「そんじゃ皆さま、バイバーイ!」と明るく「世界は笑う」で終了。音楽を続けているレジェンドの組み合わせをこの目この心に焼き付け、帰路に着く電車内でSNSを開くと、この2MAN SHOWのトピックが沸騰していた。2組で一緒に撮った写真も一気に拡散され、皆いい笑顔すぎで見ているこちらもニヤニヤ。有頂天は8月にピエール瀧をゲストに迎えてライブを行なうとの発表も(8月26日@CLUB QUATTRO shibuya/現状、ピエール瀧が何をするかも具体的には決まっていない、とライブ中に語っていた)、そして「卓球と瀧にはこのまま邁進して行って欲しい」とも語っていたKERA先輩。これは8月も見に行くしかないだろう。【Text:高橋ちえ(@djchie)/ Photo:MAYUMI(@SOxWHAT_88)】

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