候補者による『選挙妨害』によって従来の日本の選挙の形が揺らいだ衆院選東京15区の補欠選挙。大音量のスピーカーで他の候補者へ罵声を浴びせ、候補者の主張や、有権者の聞く機会を奪われる事態となった。その東京15区補欠選挙を振り返るトークライブがネイキッドロフトにて5月19日に開催された。
トークライブでは選挙取材を25年以上続け、全候補者を平等に追い続けるジャーナリストの畠山理仁さん、統一教会問題に切り込み続ける鈴木エイトさん、弁護士で現役の東京都議会議員として活躍する五十嵐えりさんの3者が登壇した。
政治家側として語られる五十嵐さん視点の畠山さんの存在や出会いなどの話に始まり、東京15区における各候補者の実際の選挙運動の雰囲気など、それぞれの取材で得た写真や動画などを参考にしたトークで会場は盛り上がる。また『選挙妨害』に遭わないための工夫をされた各陣営の対策やこれから始まる東京都知事選についても語られた。
トークライブでは今回の補欠選挙で注目された『選挙妨害』に対して、選挙期間中から各候補者や政党からの公職選挙法改正への言及に出演者は危惧していた。実際に『選挙妨害』を行なった陣営は選挙期間が終了したのち逮捕され、現行法でも対処可能ということが明らかとなった。
この一連の公職選挙法改正の動き対して、何が一番まずいのかと鈴木エイトさんに問われた畠山さんは語る。「どこからが妨害なのかすごくあいまいで判断が難しい。その判断をするときに、権力者側が嫌な言論をする人を締めだせるきっかけに使われるようなものを増やすのはよくない」
続けて「今回、現行法で逮捕されましたけど実は問題は全然解決されていない。一番大事なのは選挙の期間の間に候補者が有権者に訴え、有権者がその訴えを聞く権利が侵害され聞けなかった。ちゃんと演説する機会を確保できないまま選挙が終わってしまった」と選挙現場に25年以上取材を続けた畠山さんの言葉は重くのしかかる。
トーク内容は『選挙妨害』だけに留まらず、実際に選挙取材の現場で起こった陣営の珍対応(!?)や、候補者側の選挙の楽しさも合わせ約2時間30分のトークが繰り広げられた。さらに会場では実際に使用されている型の投票箱や本人と書かれたタスキも展示されており、撮影スポットも設置され、選挙を身近に感じるような工夫がされていた。
今回のトークライブは有料配信もされており、6月2日までネイキッドロフトのツイキャスにて視聴可能である。選挙の現場で起こる機微な人間の喜怒哀楽の一部をぜひ堪能してみてください。【Text:宮原塁】
【アーカイブ配信情報】衆院15区補選 振り返りトークライブ!
出演:畠山理仁(ジャーナリスト・選挙亭漫遊師匠)/ 五十嵐えり(武蔵野市選出都議会議員・弁護士)/ 鈴木エイト(ジャーナリスト・作家・『やや日刊カルト新聞』主筆)
配信視聴チケット¥1,500
配信視聴チケット¥1,500
※購入受付期間:2024年6月2日(日)21:00まで
※アーカイブ:2024年6月2日(日)23:59まで視聴可能