2年半ぶりの開催となる、28回目を迎える日本最大規模の子ども国際映画祭『28thキネコ国際映画祭』が、二子玉川の街を舞台に3月18日(金)~3月22日(火)の期間でiTSCOM STUDIO & HALL二子玉川ライズと109シネマズ二子玉川を中心に、「玉川髙島屋S・C」「二子玉川商店街」にもエリアを拡大して開催中。
映画祭会期中となる3月21日(月・祝)に、本映画祭のジェネラル・ディレクターである戸田恵子と、スペシャル・サポーターの横山だいすけによる「ライブシネマ」イベントを実施、戦争を描いたノルウェーのアニメーション作品『マレーネとフロリアン』の生吹替え(ライブシネマ)とトークセッションを行なった。
短編6作品を上映した今回のプログラム。最初に、本映画祭のために集結した声優チーム「KLA’s(クラス)」によって2作品が上映されると、続いてジェネラル・ディレクターの戸田がステージに登壇。
「18日から始まった今回のキネコ国際映画祭。なんと28回目となります! 以前は東京都内を転々としていましたが、ここ数年は二子玉川の緑豊かな街で地域にバックアップしていただきながら、定着した感じとなっております。海外の子ども映画祭にもよく勉強に行きますが、海外では地域が一体となって子どもたちの映画祭をやっているんですね。日本でもそういうことが出来ないかなと皆で力を合わせてここまでやってきました。これからもどんどん、大きな素敵な映画祭をやっていきたいと思いますので、どうぞご協力をお願い致します。テレビでは毎日不穏なニュースばっかりですよね。コロナ禍ということもあり、感染者数のニュースや地震のニュース、そしてなんといっても戦争のニュースがテレビで見られるような日になりました。毎朝、仕事に出かける前にテレビでウクライナの状況が映ると、どうしたって涙が出てきます」と今の情勢について言及しつつ、本映画祭では「たっぷりと映画に浸っていただきたいと思います。思い出をたくさん作ってください!」と、観客へ向けて挨拶した。
「18日から始まった今回のキネコ国際映画祭。なんと28回目となります! 以前は東京都内を転々としていましたが、ここ数年は二子玉川の緑豊かな街で地域にバックアップしていただきながら、定着した感じとなっております。海外の子ども映画祭にもよく勉強に行きますが、海外では地域が一体となって子どもたちの映画祭をやっているんですね。日本でもそういうことが出来ないかなと皆で力を合わせてここまでやってきました。これからもどんどん、大きな素敵な映画祭をやっていきたいと思いますので、どうぞご協力をお願い致します。テレビでは毎日不穏なニュースばっかりですよね。コロナ禍ということもあり、感染者数のニュースや地震のニュース、そしてなんといっても戦争のニュースがテレビで見られるような日になりました。毎朝、仕事に出かける前にテレビでウクライナの状況が映ると、どうしたって涙が出てきます」と今の情勢について言及しつつ、本映画祭では「たっぷりと映画に浸っていただきたいと思います。思い出をたくさん作ってください!」と、観客へ向けて挨拶した。
続いて2作品の上映が終わり、再び戸田が登壇。「さて、このプログラムはなかなか難しい社会問題を集めていますが、難しい社会問題をテーマとした映画に優しい声で一緒に取り組んでくれる素敵なお兄さんを紹介したいと思います。横山だいすけお兄さんです!」と、本映画祭のスペシャル・サポーターを務める横山を呼び込むと、会場の子どもたちからも拍手が。コロナ禍で約2年半ぶりの開催となった今回。戸田が横山に対し「お久しぶりな間に、パパになりました!」と改めて祝福を送る場面も。
戸田と横山がライブシネマを行なう『マレーネとフロリアン』(2001)は、キネコ国際映画祭では昔から上映しているノルウェーのアニメーション作品。子ども目線で戦争を描いており、35ミリフィルムでの上映となった。
物語では、大の仲良しのマレーネとフロリアンが戦争によって引き裂かれる様が描かれる。戸田がフロリアンの声を演じ、横山がフロリアンの父親の声を演じた。戸田は本作について、「今まさに起きていること、戦争、本当にとにかく終わらせてもらいたい気持ちで毎日祈っていますが、誰もがそんな気持ちで心から願っていると思います。映画祭でいつも扱っているのは『子ども向け』ではなく、『子ども目線』で作られた映画を皆さんにお届けしています。楽しいものや、内戦が起きている国のお話、また差別の話など色んなことをテーマにして、子ども目線で描かれたものをお届けしています」と話し、横山も「本当に大人が見ても考えさせられる作品ばかりが多いですよね」と頷く。
『マレーネとフロリアン』の物語が今の情勢と重なることとなり、戸田も「観てて実は大人の方が考えさせられる作品の方が多かったりするのですが、平和な時に皆さんにお届けしているときは『戦争はいけない』と頭で分かっていたことが、今現実として毎日テレビでそういったことを見ていると、この作品をやる意義をますます感じます」と胸の内を明かし、横山も「今起きているからこそ、こういう作品に触れて、家族と平和についてもう一度考えられることは良いことなんじゃないかと思います」と強い眼差しで訴え、ライブシネマ(生吹替え)に挑んだ。
ライブシネマを終えると、戸田が「いかがでしたでしょうか、『マレーネとフロリアン』。とっても切なかったですが、こんな時だからこそ、みなさんの中にも強く残っていくものがあったんじゃないでしょうか」と会場のお客さんへ向けて話し、横山も「今の情勢を表しているような作品でしたが、僕の(家族の)友達が今ウクライナにいて、連絡が取れなくなってしまっています。その方も3カ月のお子さんがいて、本当に大変な状況だと思いますが、そのことを思うとこの作品を読みながら気持ちが高ぶってしまって胸が締め付けられるような想いです。今このような作品を観ることで、世界中のみんなが手を取り合っていくこと、私たちが平和を想っていくことが大切だなと。そういうきっかけになる作品だなと思います」と、自身のエピソードにも重ねた。
また戸田も「無力を感じることも多いと思いますが、何よりも寄り添う気持ちが大事だと思います。最後のシーンでマレーネとフロリアンが生垣のトゲトゲを雪で覆って、自分たちの前進する策を見つける子どもたちの姿に今回は痛く感銘しました。それでも前進していくんだとそんな気持ちを感じられました」と本作について改めて言及し、同じく横山も「子どもだからこそ、切り開いていけるというあのシーンはとても響きました」と共感していた。
最後には、戸田が「本来ならば監督をご招待したり、出演している子役の方たちが来てくれたり、楽しいことがありますが、今しばらく我慢ですね。キネコ国際映画祭、明日ももう1日あります。お時間あればぜひお越しください。今回は全部で57作品集めてみなさんにお届けしましたが、また新しい作品、そしてずっと観続けなければならない作品もこれからも上映していきたいと思います。ぜひ、注目しててください!」と本映画祭を大いにアピールし、今回で28回目を迎えた本映画祭について横山も「この映画祭に小さい時から通っている方もいるほどキネコは愛されているので、今回初めて来られた方も、ぜひキネコ国際映画祭を愛してください!」と笑顔で訴え、イベントは幕を閉じた。
映画『マレーネとフロリアン』
邦題:マレーネとフロリアン
英題:The Hedge of Thorns
監督:アニータ・キリ
制作国:ノルウェー
時間:14分
制作年:2001年
あらすじ:マレーネとフロリアンは大の仲良し。いつも二人で小川のそばで遊んでいる。そんな二人を引き裂いたのは戦争だった。二人がまたこの場所で遊べる日はくるのでしょうか? 戦争を子ども目線で描いた作品。
『28th キネコ国際映画祭』開催概要
※オフィシャルサイト:http://kineko.tokyo/
開催期間:2022年3月18日(金)~3月22日(火)
会場:iTSCOM STUDIO & HALL 二子玉川ライズ、109シネマズ二子玉川 ほか