『塚本功の音楽鑑賞会』
2018年10月17日(水)ROCK CAFE LOFT is your room
「演奏以外の仕事はやらないと決めているんだ」
ロックを語るというコンセプトの「ROCK CAFE LOFT」が出来たことを塚本さんにお伝えし、何かやりませんか? と提案すると、「DJのような仕事はしません」とお断りされた。
それならば、音楽を語るという「ROCK CAFE LOFT」のコンセプトと、塚本功のポリシーを掛け合わせた企画を考えてみようと思った。
塚本さんがよくライブで演奏されている曲の原曲を聴いてから、塚本さんがどうカバーしてアレンジを加えていったのか解説するイベントはどうですか? と提案してみた。
「ワークショップみたいな感じかな。それならおもしろいかもね」
これは「ROCK CAFE LOFT」の中では新しい切り口のイベントなのではないかと思った。
塚本さんのギターは独特で、どんな曲も塚本さんが弾くと塚本功の曲になってしまう不思議な現象が起こる。そのアレンジはどうやって思いつくのか。イベント内で塚本さんの脳内を覗かせてもらった。
【プレイリスト】
01. ナット・キング・コール「Stardust」
02. ハース・マルティネス「Altogether Alone」
03. チリー・ゴンザレス「Gogol」
04. チリー・ゴンザレス「Papa Gavotte」
05. アストル・ピアソラ「Libertango」
06. 岡村靖幸「カルアミルク」
07. マジック・サム「I Feel So Good」
08. ザ・ベンチャーズ「Apache」
09. カウント・オジー「Way Back Home」
10. スライ&ザ・ファミリー・ストーン「Hot Fun in the Summertime」
11. シャカタク「Night Birds」
12. RCサクセション「よそ者」
13. カーペンターズ「(They Long to Be)Close to You」
14. デューク・エリントン「Caravan」
15. ナット・キング・コール「Caravan」
16. ザ・ベンチャーズ「Caravan」
17. 斉藤由貴「卒業」
18. グレン・ミラー「Moonlight Serenade」
19. レナード・ローゼンマン「East of Eden(エデンの東)」
ギター1本でどこまで表現できるのか。何年も弾き続けている1曲から、今はもう弾かなくなってしまった曲。
「滑らかに弾けるようになってくると、傍から見てると簡単そうに見えるんだよね。そんなことはないんだけど」
まず、曲の大きな枠組みを作って、そこに聴き込んだ楽曲のエッセンスを盛り込んでいく。サックスの音、ドラムの音、シンセサイザーの音。ところどころ聴こえる作曲者のこだわりをギターで再現していく。
1日にどのくらいギターを弾いてるんですか? との質問に、
「うーん。まちまちかな。昨日は20分くらいだったね。1日中弾いてる日とかもあるよ」
弾きたい曲が見つかったらそれが体に馴染むまで何週間も同じ曲を弾き続ける。
「今は、時間が有り余ってるからね。ギターを弾くだけで生活してるから」
塚本功に影響を与えた曲を聴くのではなく、塚本功がギターで弾きたいと思った楽曲を聴くというイベントだった。
いつかは塚本功さんに影響を与えた楽曲を聴くイベントを開催したいと思った。[取材・文:山崎尚哉(Asagaya / Loft A)]
Live Info.
塚本功ギター教室
10月21日(日)東京 吉祥寺エアガレージ
カマタミズキ×塚本功
10月22日(月)東京 日暮里Bar Porte
開演20:00 料金¥3,000