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SHINJUKU LOFT 14TH ANNIVERSARY LOFT×ROOFTOP presents APRIL FOOL FOR YOU 大江慎也×向井秀徳アコースティック&エレクトリック ライブレポート

2013.04.02

SHINJUKU LOFT 14TH ANNIVERSARY LOFT×ROOFTOP presents
APRIL FOOL FOR YOU
2013年4月1日(月)新宿LOFT
出演:大江慎也/向井秀徳アコースティック&エレクトリック


文:椎名宗之
写真:大参久人

“Happy time fantastic world”へようこそ


oe_mukai_flyer_A_02.jpg大江慎也と向井秀徳。
ともに九州出身であり、15歳の差はありながらも、大江はTHE ROOSTERS、向井はNUMBER GIRL〜ZAZEN BOYSという日本のロック史に屹立するバンドをそれぞれ牽引してきた顔役という共通点がある。
だが接点はない。ないなら新宿LOFTとROOFTOPが接点になればいい。そんな単純な発想から、歌舞伎町へ移転して今年で14周年を迎える新宿LOFTのアニバーサリー公演として2人の競演を画策した。

その画策は、ハマり過ぎるほどハマッた。
や、我々の期待を十二分覆すほどの威力があった。

OMI_2904.jpgOMI_2969.jpgOMI_2999.jpgOMI_3021.jpgOMI_3044.jpgOMI_3085.jpgOMI_3105.jpgOMI_3162.jpgOMI_3173.jpgOMI_3198.jpgOMI_3292.jpgOMI_3302.jpgOMI_7432.jpgOMI_7447.jpgOMI_7512.jpgOMI_7554.jpgOMI_7569.jpgOMI_7628.jpgOMI_7692.jpg先攻、向井秀徳。
アコエレでは、NUMBER GIRLの楽曲を惜しげもなく披露されるのが何と言ってもグッと来てしまう。
何せ頭の一曲から「SENTIMENTAL GIRL'S VIOLENT JOKE」なんである。ザックザクのキレッキレのギターでこれである。これでグッと来ないほうがおかしいだろう。
それ以降、「WATER FRONT」「SAKANA」を挟み、「TATTOOあり」「鉄風鋭くなって」「PIXIE DU」と来るのだから堪らない。
時折缶ビールを煽りながら、リラックスしたムードで緩急のついた唯一無二の向井ワールドをまざまざと見せつける。
アコエレならではの妙味を感じさせる「はあとぶれいく」、新曲の「前髪」が続き、「THE DAYS OF NEKOMACHI」のフロアをまるっと呑み込むような真に迫る力演には思わず身震い。それでいきなり「性的少女」だ。何という選曲の配剤。締めはお馴染み「自問自答」で、名人の至芸の如き滋味深さ。大江と共演できた光栄さを述べつつ、継いで登場する大江に花を持たせるMCも実に粋だった。

OMI_3392.jpgOMI_3395.jpgOMI_3413.jpgOMI_3448.jpgOMI_3450.JPGOMI_3487.jpgOMI_3549.jpgOMI_3642.jpgOMI_3760.jpgOMI_3792.jpgOMI_3808.jpgOMI_3823.jpgOMI_3868.jpgOMI_3896.jpgOMI_3921.jpgOMI_3946.jpgOMI_3949.jpgOMI_3988.jpgOMI_4055.jpg転換10分を挟んで現れたスーツ姿にサングラスの大江慎也は、この日を意識してか「FOOL FOR YOU」をやにわに披露。そして「GOOD DREAMS」「ROSIE」「GIRL FRIEND」と不滅のルースターズ・クラシックスを矢継ぎ早に唄うのだから盛り上がらないわけがない。「ライブには必ずブルース・ナンバーを入れる」という信条通り、「RIDING WITH THE KING」、リズムマシンを用いた「I'M A KING BEE」、ハープを冒頭で披露しつつの「SWEET VIRGINIA」(ローリング・ストーンズのカバー)と如何にも大江らしいナンバーが続く。イントロだけで大歓声が湧き起こる「CASE OF INSANITY」は、2月のルースターズのライブと同様に後半日本語詞で唄われる一幕も。個人的にはこの「CASE OF INSANITY」が白眉で、弾き語りならではでオリジナルよりも性急に唄われる凄味が尋常ではなく、大江の表現者としての立脚点を見た思いがした。
その「CASE OF INSANITY」の感傷さを吹っ切るように唄われた「恋をしようよ」、常にブルースを心根に置く大江らしい「LITTLE RED ROOSTER」と「SWEET HOME CHICAGO」という定番に継いで、いつかルースターズとして発表して欲しい新曲「I LOVE YOU」で本編を締め括るという構成も粋に感じた。

OMI_4166.jpgOMI_4202.jpgOMI_4206.jpgOMI_4208.jpgOMI_4216.jpgアンコールの大江は、この日限定発売された新宿LOFTとのコラボレートTシャツに着替えて登場。「MONA (I NEED YOU BABY)」「I'M READY」と一撃必殺のブルース・ナンバーを連射し、イギー・ポップの「TONIGHT」を披露した後、ここでまさかの向井秀徳を呼び込み。これは当日のリハーサルを終えた後も全く予定のなかったことで、まさに想定外。そして披露されるは、世代を超えた2人での「SITTING ON THE FENCE」。向井のリード・ギターに導かれて大江が唄い、しゃにむに間奏を弾く。しかも終盤、向井が大江に近づいてリフを掻きむしる。鳥肌が何度も立って仕方なかった。この瞬間を目にした人たちは果報者と言う他ないだろう。
新宿LOFTの大塚店長が「今日これだけのものを見せられて、ブッキングに携われてホントに良かったです!」と満面の笑みで話してくれたのが個人的にも嬉しかった。市松模様のステージ上で丁丁発止と渡り合った両者が弾き語りという装飾を排した剥き出しのスタイルで拮抗してくれたのだ。不世出のヴォーカリスト&エンターテイナーである両者のまたとない競演に感謝せずにはいられない。

大江慎也×新宿LOFTのコラボレートTシャツをご購入の上、打ち上げにも参加してくれた宮藤官九郎も手放しで称賛していた今日のライブ、後年語り継がれる一夜になることは間違いないと思う。

OMI_4241-2.jpgこうしてまた、新宿LOFTの歴史は切り開かれていく。
積み重ねた歴史と、そこにケツを蹴り上げるような威勢のいい新参者の登場を心待ちにしながら。

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