歌も演奏も上手くなったけどキレイにまとまってちゃつまんない
──で、いきなり新作の話、『DISPERFECT DAYS <Self-cover Best>』から聞きたいんですが、セルフカバーは珍しいですよね?
NICKEY:去年まではセルフカバーは考えてなかったんですよ。セルフカバーってある程度のキャリアがあれば出す人も多いけど、なんかね、セルフカバー・アルバムに興味が持てなくて。それより新曲やりたいって思っちゃうから。でも40周年だし、今かなって。昔の曲で今もライブでやってる曲があるしね。
──初期のナンバーも入ってるし、キャリアの前期の曲が多いよね。
NICKEY:そうですね。たまたま(笑)。たまたまというか、今ライブでやりたい曲。今年は『40th ANNIVERSARY YEAR GIGS 2025』で何本かライブをやって、ファイナルが11月1日に渋谷Veatsであるんですけど。そのメンバーは今回のレコーディングのメンバーと被ってる人もいるし、ライブをイメージしたっていうのはありますね。11月1日のライブと、あと今後のライブにも反映されるようなライブ感のあるアルバムにしたいと。そういうことを考えて選んだ曲。バンドを長いことやってて昔の曲をやると、曲によっては当時のほうが下手だとしても勢いがあっていいって曲もあるんですよ。今、演奏は上手くなって歌も多少は唄えるようになった。でもキレイにまとまってちゃつまんない。そうならないように。今のほうがカッコイイって思えるものを作ろうって。だから曲選びは凄い時間かけて。
──あの当時と同じようにやろう、ではなく。
NICKEY:ないです。今のメンバーで今のWARRIORSのカッコ良さ。当時は当時のカッコ良さがあるしね。演奏は今のほうが確実に上手いんだけど、それを録ってもあんまり意味がないっていうか、上手いのをまとめましたってのはつまんないからやりたくなくて。今のWARRIORSはメンバーが流動的なんですよ。固定メンバーが4人のバンドってわけではなく。ずっと一緒にやってるKATSUJI(B)は固定メンバーで、牟田君(Ds)もほとんどの曲を叩いてくれていて。今作に参加してくれたのは歴代のメンバーで今もライブに参加してくれることがある人。ギターは大口君(The STRUMMERS / HOT & COOL)、LINA(LINDA / ex.COBRA)、TORUxx君(THE STAR CLUB)、本間章浩さん(KING BISCUIT TIME / ex.赤と黒)、CROSS(the LATHERS / ザ・サブタレニアンズ)。ドラムは牟田君(THE STREET BEATS)がほとんどなんだけど東川さん(ex.シーナ&ザ・ロケッツ)が叩いてるのが2曲。ベースはほとんどKATSUJI(the LATHERS / ナカスギロックス)だけど穴井さん(TH eROCKERS / ex.シーナ&ザ・ロケッツ)が2曲。あとキーボードに磯江さん(Vertueux / 小野正利)。だからね、ギターは「この曲はこの人に弾いてほしい」とか「このフレーズはこの人に合ってるな」とかいろいろ浮かんできて。ベーシックはこの人でソロはこの人って振り分けてみたり。「この人にコレは絶対いいよね」って感じで。
──固定メンバー4人ってわけじゃなく、ニッキーさんのもとにそれぞれ集まってきたからこその面白さ!
NICKEY:やっぱりみんなサスガでしたよ。
──そういう演奏の振り分けはニッキーさんが考えて? プロデューサーだね。
NICKEY:自分に関するプロデュースは好きなんですよ(笑)。細かいとこだったりは磯江さんとCROSSが頑張ってくれて。ホント、メンバーみんなサスガで。初期の曲もあるからセルフカバーっていっても演奏したことない曲をやるってことになったり。そういう中でみんな凄い頑張ってくれて。LINAも弾いてない曲がいっぱいあるけど、いろいろ弾き方を考えてきてくれて。大口君も弾いてない曲があるけど、昔からWARRIORSの曲を聴いてくれてるんで。
──大口君はWARRIORSのメンバーとしてライブに出る以前からのファンだったわけだ。
NICKEY:ファンなのかな?(笑) レコーディングはみんな凄かったけど、特に牟田君。牟田君はここ数年一緒にやることが多いんだけど、過去の曲は知らない曲もいっぱいあったと思うのね。それを短期間にバッチリやってきてくれて。
──オォッて思ったのが「WILD CHERRY」。最初期の曲で今も人気のあるストレートなパンクチューン。それがR&Rになってる。凄く変わったけど凄くカッコイイ。
NICKEY:これは最高ですよ。穴井さんと東川さんのリズム隊は最高。何カ月か前にライブでやったんですよ、このリズム隊で。凄くいいライブで。レコーディングも参加してくれるなら「WILD CHERRY」だ! って。
──「WILD CHERRY」を選ぶニッキーさんも凄い。
NICKEY:このリズム隊だからこそですよ。穴井さんのベースのドライブ感が凄い、わくわくする。高揚する。やっぱりあたしはめんたいロックが好きなんだなぁ。KATSUJIのベースは長いこと一緒にやってるから凄く安心感がある。演奏者が変わると唄い方も変わるなって。聴いてるほうはあまりわからないぐらいだけど、やっぱり違うんですよ。自分で面白いです。

















