昨年、NICKEY & THE WARRIORSで『ONE FROM THE HEART』をリリース。今年の5月にNICKEYのソロ作品がリリース予定だったがコロナ禍で延期。いくつかのライブも中止となったが、こんな時だからこそ! と6月にシングル「LOVE×HURTS」を急遽発売。そしていよいよ、『太陽はひとりぼっち』が満を持してリリース!
ソロとしては7年ぶりとなる『太陽はひとりぼっち』は森重樹一とのデュエット曲を含む全5曲。「デボラ・ハリーとイギー・ポップをイメージして作った」という表題曲や、ドラマチックなバラードにバッドボーイズR&Rにヴェルヴェッツ。それらが鮮やかなポップとなっている。キラキラしている。
インタビューを読んでいただけたらわかると思うが、NICKEYさん、その時その時を実にポジティブに生きている。これまでもこれからも常に今であり、今を楽しんでいる。パンクロックってこんなに輝けるんだよー! って言っているような、"Queen Of Punk" NICKEY。NICKEYが輝いているように、聴けば誰もが輝くことができる。そんな作品。(interview:遠藤妙子)
どんな状況になっても必ず切り抜ける方法があるはず!
──5月リリース予定だったけどコロナ禍で延期になっていた『太陽はひとりぼっち』がいよいよリリース。おめでとうございます! 作品の話の前に、まずリリースが延期になりライブもやれなくなった、その頃の心境は?
NICKEY:ありがとうございます。やっと発売することができてホント嬉しいです! 『太陽はひとりぼっち』は去年の8月からレコーディングがスタートして発売までに1年かかりましたね(笑)。今年は、ウォリアーズは春からスタークラブとの7、8カ所のツアー。そしてソロのCDリリースとソロバンドのスタートの二本立てで考えていたから、CDもライブもすべて延期や中止になっちゃって、正直凹みましたね。
──でもシングル「LOVE×HURTS」を急遽6月にリリース。素晴らしい瞬発力! きっかけは?
NICKEY:コロナの自粛期間中、早朝散歩するようになって、毎日15,000歩近く歩いてたんですね。もともと何かで行き詰まった時に、泳いだり散歩したり、リフレッシュして発想の転換をすることも多かったんだけど、「あーっ! そーだー! これだ!」と思いついたのが、「LOVE×HURTS」を緊急シングルとしてリリースすることだったんです。散歩しながら口ずさんでいるうちに、こんな時にこそ明るいポップな曲をみんなに聴いて元気になってもらいたい! と。もちろん、あたし自身を盛り上げる意味でもね(笑)。そしたら居ても立っても居られなくて、散歩中にスタッフサイドに連絡したんですよ(笑)。あたしって実は逆境に強いタイプなんです! 「LOVE×HURTS」は榊原秀樹がアレンジを詰めてくれた曲で、彼が一番驚いていましたね。「えー、シングル!?」と。今時シングルってあまりないですからね。
──カップリングの「EMPTY STREET~廃墟の街から~」は流麗なメロディで、夜の街を走っているイメージ。
NICKEY:「EMPTY STREET」は数年前から作っていた曲で、アコースティックでラフィンノーズのLINAがギターを弾いてライブでやったりしてたんですよ。何回かライブで試しながら徐々に固めていった曲。曲作りって、自分では「いい曲になる」と思っていても、ライブで反響がなかったりすると、だんだんと疑心暗鬼になるんだけど、所沢MOJOのライブで、楽屋で宙也が「あれ、いい曲だね」と言ってくれて、「そうでしょ!」って。
──「LOVE×HURTS」の“世界は悲しみでいっぱい”、「EMPTY STREET」の“争いや憎しみあう声が また 今日も 聞こえる”という歌詞があるけど、今の世界を歌っているようで。
NICKEY:なぜかコロナになる前から作ってた曲なのにね。“争いや憎しみあう声が”の部分は最初にクロスが作ってた時に詩になっていて。あたしの声質に合うフレーズをまず提示してくれて、そこからあたしが広げていくって感じかなぁ。
──「EMPTY STREET」の最後、“廃墟の街角に立ち あたしは ここから歌いはじめよう”って歌詞は決意表明って感じがしました。
NICKEY:そうですね。長くバンド活動してきて、うまくいかない時もあるし。でも、またリスタートだ! っていう気持ちを常に持っていたいじゃないですか。
──このシングルはポジティブな2曲だし、緊急リリースの発想や行動もポジティブ。
NICKEY:あたしは、どんな状況になっても必ず切り抜ける方法があるはず! って常に思っているんです。たとえ失敗に終わっても、じゃあ、次はこうしてみたらどうかな? とか、全く違う発想に転換したり。やっぱりタフでないと何事も続けられないなって思ってます。
──あと本誌Rooftopプレゼンツとして5月に新宿ロフトでトークに出演してもらって…。
NICKEY:そうそう、遠藤さんとのトーク配信! 楽しかったですよねぇ! 誘っていただけて凄く嬉しかったし、すべての予定が飛んでしまったあの時期に、素敵なプレゼントをいただけたような、そんな気持ちになりました。
──こちらこそ! 楽しかったよねー。8月のFlowers Loftでの「LOVE×HURTS」のレコ発では私が呼んでもらっちゃったし。その日のライブはアコースティックとバンドの二部構成。新しいライブのやり方や表現の方法を見つけたって感じで。コロナ禍においても活動を止めなかったですよね。
NICKEY:Flowers Loftでの遠藤さんとのトークも楽しかったし、楽しすぎてどんどん話題が違うほうに流れちゃって、それはそれで楽しい! みたいな(笑)。あたしも、遠藤さんにはとてもポップなパワーを感じているんですよ。男性でも女性でも、どんな状況であれ失敗を恐れず切り抜けていこうとする力! そんな人に惹かれるし、自分もそうでありたい! と常に思っているんです。