GOLLIPOP RECORDSから新作をリリースした経緯
──面白いですね。さて、ニューアルバムですが凄く良かったです。
Nan:あ、良かった。ありがとう。
──ここのところ作品を小出しでリリースしててどれも良かったんですが、こうしてアルバムを聴くとそれらは「今の」SMASH YOUR FACEを出し切れてなかったんじゃないか? と思うくらいです。
Nan:なるほど。
──SHELTERでの企画でやってきたことのフィードバックや、今付き合いのある人たちとの関係性、刺激、影響だったりも形になってますし。今のメンバーでできる新しいこと、簡単に言うとハードコアにスクラッチが入ってる必然性と意外性の両方があって。スクラッチもこれまではサウンドとして馴染んではいるけど、果たして馴染んでいいものかっていうのもあるじゃないですか?
Nan:ああ、わかる、わかる。
──自然に聴こえてたけど、今回はスクラッチの異物感もわかってとても良かったです。さて、レーベルはGOLLIPOP RECORDSですがこれはどういう経緯で?
Nan:今は自主で出すのが当たり前だから次も自主でやるつもりでずっと作ってたんだけどね。完成が近づいできた時、ゴリポ(GOLLIPOP RECORDS)に頼んでみたんだよ。なんかアイドルのレーベルから出すって面白いじゃん? ってことで。
──たしかに面白いです。
Nan:ここ1、2年ぐらいでめろん畑 a go goを観るようになって対バンもしたしね。レーベルオーナーのキーボーさんも自身がやってるThe Monster a Go Go'sとSMASH〜は合うと思うんですよねって言ってくれて、また一緒に面白いことやっていきたいですみたいな話もしてくれてたからさ。じゃあ一回相談してみようっていうことで。キーボーさんはうちから出すのも自主もそんな変わんないですよ、むしろ逆に身入りが減っちゃうかもしれないから自分たちで出したほうがいいんじゃないですか? って優しさで言ってくれたんだけど。俺はお金のことよりも面白いことがやりたいからさ。向こうが迷惑じゃなければ出してみたくて。それで盛り上がりたいじゃないですか。
El Hemp|Vocal & Bass
32|Vocal & Guitar
──収支の計算だけでは計れないというか、新しい可能性もあるかもしれないですし。しかも今回、流通はメジャーなんですよね。
Nan:そうそう、しばらく経ってからキーボーさんから“流通は徳間ジャパンなんですけどいいですか?”って話があって。
──徳間といえば『GREAT PUNK HITS』じゃないですか!
Nan:あとはINUの『メシ喰うな!』だったりね。俺は今まで全然メジャーっていうのを考えたことがなくて、そもそもハードコアでメジャーっていうのはあんまないじゃんね。
──ですね。それも含めて面白いです。やってる音楽自体で個性出すのは当然のこととして、レーベルカラーや対バンで色付けするのって重要ですよね。
Nan:俺はアツP(Atsuo)と一緒にいて、そういう考え方が増えてきて。多くの人に聴いてもらうためには何かをしなきゃいけないって思ってるんだけど。ただただ頑張っていれば結果が出るみたいなのも間違いじゃないけど、そういうのはもう何十年もやってきたし。
──ただ“いいライブをやってればいい”みたいな考えもわかりますけど、そのいいライブは誰が観てくれるんですか? ってのもありますし。
Nan:そう、そしてそのいいライブってのは誰が判断するんですか? っていうね。俺も何年か前はそんな感じだったんだけど、それがここ最近アツPと関わったりいろんな人と関わることによって、いろんなやり方があるんだなぁっていうのが見えてきたね。