なんかしら先入観持ってる人に聴いてもらってびっくりしてほしい
──そこに(サイプレス)上野さんも絡んだわけですが、相方のロベルトさんがSMASH〜でやってることには関心は持ってたんですかね。
Nan:そうね、上野君はもともとdisk unionで働いてて、もちろんパンクとかハードコアとかも聴いてて俺たちのことも昔から知っててくれて。だけどやっぱりジャンルが違うからいきなりフラットに仲良くなったわけじゃなくてさ。俺たち夏にOPPA-LAで毎年やってるんだけど、そこでちょっとずつ親睦を深めてって、コーラスで参加してくれたりとか勝手に煽ってくれたりとかしてたんだけど、曲として一緒にやるのは今回が初めてだね。前の俺たちってゴチャゴチャしてたからラップを乗せにくい部分もあったんだけど、今回はリズムとかもちゃんとしててある程度キッチリなったから頼むことができて。いつもの上野君の明るい感じのリリックじゃないけど、シュッとしててカッコ良かった。
──ハードコアとヒップホップの融合はもう90年代から散々ありますけど、それとは全く違う明らかに異質なものになりましたね。あとベッド・インのかおりさんのゲスト参加についても教えてください。
Nan:「Riot Days」っていう曲があって、かおりさんの能天気というか底抜けに明るい感じのテイストが欲しいねっていうところで始めて。彼女は凄かった、やっぱり歌がうまいし求めたもの以上のことをパッと出せる。
──存在感がとんでもないですよね。残りのゲストはFUCK ON THE BEACH/さかさまJr.のつよっしーさん。付き合いは長いですよね。
Nan:いや、でもね、正直そんなに対バンしたことはないのよ。
──またちょっとシーンが違うんですかね。
Nan:そうだね。世代も若干違ってて、プロレスで言うと俺がW★INGの世代でつよちゃんはI.W.A JAPAN(笑)。
──私にとってはわかりやすい例えですが、なんのことやらです(笑)。
Nan:そこに1、2年の差があるんだよ。FUCK〜はPOWER VIOLENCEのイベントに出てることが多いんだけどPOWER VIOLENCEはPOWER VIOLENCEの人たち同士でやってるからあんま絡みがなくてね。むしろこの1年で急激に仲が良くなった。
──ハードコアのシーンにいて、お互いプロレス好きなのに絡みはあまりなく……。
Nan:アイドルで仲良くなった(笑)。
──FUCK〜は最近海外での活躍が凄いですね? 完全にレジェンド扱いで。
Nan:めちゃめちゃいろんな国からリリースしてるよね。
──海外のデカいフェスで1000人の前でやってたかと思ったら、空港でペットボトルを枕にして寝てたり(笑)。
Nan:そのギャップもかわいいんだよな。つよちゃんのやり方は俺の憧れの一つでもある。海外ではそんななのに日本ではアイドルやってキャーキャーやってる。面白いよ。
──月並みですがアルバムの聴きどころも教えてください。
Nan:正直言うと、全部が聴きどころになってるんだけど、なんかしら先入観持ってる人に聴いてもらってびっくりしてほしいな。
──びっくりすると思いますよ。今後は?
Nan:やっぱり海外行きたいね。勘違いかもしれないし、勘違いだと思われてもいいんだけど、海外に行かないと俺たちもダメになるし、このジャンルもダメになると思う。こういったアンダーグランドの活動はやっぱり場所を限定してしまうと良くないと思う。いいものは作れたとしてもやっぱり多くの人に聴いてもらわなきゃね。