9月1日(日)に新宿LOFTで開催の『DREAM MATCH』は、藍坊主とSAKANAMONによるツーマンライブ。そのちょうど1カ月前、「DREAM MATCH 前哨戦」と題したイベントが8月1日(木)に行なわれた。弾き語りライブに続いて設けられたトークセッションでは、お客さんと一緒に乾杯してからトークがスタート。ゆるりとアルコールを片手に語らう時間は時に大きく脱線しつつも、飲んでいるからこそ出たお話もあり、和やかでとても楽しい時間となった。さて9月の対バンでは"お互いへのリクエスト曲"の演奏はあるのか!? 『DREAM MATCH』の日に集合して、皆で答え合わせをしましょう!(当日の進行/Interview:高橋ちえ)
“SAKANAMONはキャリアを重ねて逆にどんどん尖っていく、ミュージシャンの鏡のバンド
田中ユウイチ(藍坊主/Gt):人前で、ハンドマイク持って喋るのって何か恥ずかしいね(笑)。そして今日、SAKANAMONのメンバーも皆、来てて。あそこでライブハウスの店長みたいに見てるんだよ(一同笑)。
藤森元生(SAKANAMON/Vo&Gt):問題なければ、メンバー呼んでも良いですか?
全員:もちろん!(会場内、大きな拍手)
──今日は藤森さんのソロ弾き語りからスタートして、藍坊主のお2人でのライブ、そしてトークという流れです。hozzyさんはライブのMCで“新宿LOFTの思い出はトークセッションで話そう”と仰っていたので、そこから触れていきましょうか。
hozzy(藍坊主/Vo):この場所に移転するタイミングの時が、これからバンドをやりたいなと思った時で。当時、新宿LOFTか下北沢屋根裏の2つが憧れの場所でいつか演りたいなと思ってたんですけど、テレビで新宿LOFT移転のニュースを見たんですね。憧れの場所は移転しちゃうけど、いつか新しいLOFTで俺は絶対にやってやるぜ! って決意したんですよね。それで今日のようなイベントをやらせてもらえる日が来るなんて、思ってもなかったぐらいです。
──そして、初めて新宿LOFTに立った時というのは…(会場内、笑いが漏れる)。
hozzy:僕ら、(当時)パンクバンドだったんですよね。
田中:俺が覚えているのは、hozzyがメインスピーカーに思いっきり頭突きをしたんですよね。もう二度とLOFTには出られないだろうなって思った。
藤森:何てことをしたんですか!
hozzy:もう出られなくなっても良い、それぐらいの気持ちででぶつかっていきました。パンチ見せないと、って思ったんですよ(一同笑)。ただ演奏するだけじゃ弱いなと思って。スピーカーが呼んでたんですよ(笑)、おでこに網の目の傷がつきましたけどね。
──SAKANAMONは、初めての新宿LOFTというのは?
藤森:あ…森野さん、行きます?(とマイクを渡す)
森野光晴(SAKANAMON/Ba):最初に出たのがいつだろう、って僕、調べてきたんですよ。メールを遡って、樋口さん(新宿LOFTブッキング担当)とのやり取りが、2010年8月で。ライブハウスって…ノルマっていうシステムがあるんですけども、
田中:そうね、それはどこでもそうよ。
森野:僕らはファンと呼べる人もいないし友達にチケットを売ってて、ノルマを払うのは難しいんで“誘っていただいたのにすみません、出られません”ってメールしたら“出て欲しいから、ノルマは気にしなくていいです”って言ってくれたんですよ(会場内、大きな拍手)。
田中:俺らもね、友達にチケットをタダで配ってたもんね(笑)。
hozzy:それで(ノルマを)全部、自腹で払ってたりね。お客さんをなかなか呼べなかったんで。
藤森:(声を大きくして)さぁ! ということでね……今日はどうでしたか、藍坊主さん?(SAKANAMON)カバーをしてくれたりして、ね! 僕も用意してくれば良かった…。
hozzy:大丈夫、いつも演ってくれてるから。
藤森:9月1日はね、絶対に演りましょう(会場内、大きな拍手)。
hozzy:いや、逆に俺が演って欲しい(SAKANAMONの)曲を演ってくれない? 「すっぽんぽん」なんだけど、すごい曲だよね。あれをライブで聴きたいなぁ。
藤森:分かりました! 全力でやりましょう!
田中:俺ら、あの曲がすごい好きなんだけど、褒め言葉で“頭イッてんなぁ”って思った。
hozzy:キャリアを重ねてまとまっていくバンドもいるけど、逆にどんどん尖っていくなぁって(笑)。ミュージシャンの鏡のバンドだなと。
藤森:やったー! ありがとうございます!
田中:キメが続く展開をライブでどうやって合わせてるんだろう? って思ってるんだよね。
藤森:なるほど、じゃあそこはお楽しみにしててください!
──では逆に、SAKANAMONからリクエストはどうでしょう?
木村浩大(SAKANAMON/Dr):俺はやっぱり「オレンジテトラポット」(2010)かな…。
hozzy:この前、一緒にツアーで演ったんですよ(※木村のドラムサポートの件は後述)。
木村:あとは「言葉の森」(2008)とか「春風」(2004)も聴きたいしなぁ…「セブンスター」(2003)とかも。(自分がドラムを)叩いたからこそ「卵」(2023)も聴きたい、(ステージ)袖で見ていたい。
藤森:「伝言」(2010)か「シュート」(2023)でお願いします(会場内、“おぉ〜!”の声)。「シュート」は「すっぽんぽん」に負けないぐらい、僕は面白い曲だと思いますけどね。
hozzy:あの曲はちょっと、ウチらの中でも変わった曲ではあるよね。
森野:「生命のシンバル」(2011)か「トマト」(2018)ですね(どよめく会場内)。
田中:森野の意見はファンの意見だよな(笑)。じゃあ俺も、『HAKKOH』(2022)ってアルバムができた時、森野が送ってくれたじゃない。連絡をくれたり、森野って真面目じゃん?
森野:(田中と)同じポジションですよ。
田中:そう、外交的なことをやる立場じゃん。俺、あのアルバムがメッチャ好きで「MAD BOLLER」って曲(会場内、拍手)、サビのところで皆でコーラスで“もっと”っていうところ、あそこでいっつも泣きそうになるんだよなぁ。分かる? この気持ち?(会場内、盛大な拍手) ライブではお客さんが“もっと”って返してくれるんだよね、それをメッチャ見たいって曲を聴きながら思ってたから。
藤森:いや〜…あれはしんどいです(一同笑)。
hozzy:あと「丘シカ地下イカ坂」(2020)も演ってほしい! 実は今日、カバーしようか迷ったもう1曲がその曲で[補足:この日のライブで藍坊主は「花色の美少女」(2013)をカバー]。
藤森:9月は僕らのリクエストからも、何か演ってくださいね!
田中:今のところ「トマト」だけどね、でも意外と全部、演るかもしれないし?