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トップインタビューOLEDICKFOGGY - 世界の"夜"が明け始めるなか新たな地平を切り開く、ポップで先鋭性溢れる渾身のフルアルバムが堂々の完成

世界の“夜”が明け始めるなか新たな地平を切り開く、ポップで先鋭性溢れる渾身のフルアルバムが堂々の完成

2023.03.20

 OLEDICKFOGGY、フルアルバムとしては5年振りの新作『残夜の汀線 -ZANYA NO TEISEN-』がリリースされた。ベースとアコーディオンがメンバーチェンジし新体制となったオールディック。ポップで、勢いと疾走感があり、スッと耳と心に飛び込んでくるメロディが鳴り響く。だがそれだけじゃない。明るいかと思えば不穏な空気が流れ、軽快なのに憂いがあったり、熱を帯びつつクールだったり。レゲエ、アイリッシュパンク、スパニッシュ、スウィング...。様々な面を、奇をてらうことなく堂々と見せている。オールディックの王道でありつつ、ダイナミックで新鮮。
『残夜の汀線』、いい言葉だ。夜明け前の街を駆け抜けたくなる。(Interview:遠藤妙子 / Photo:Chabo)

レコーディングはゴールが見えないからこその面白さ

──最初に言っちゃいますが、今作、凄く良いです! フルアルバムとしては『Gerato』(2018年)から5年ぶりですが、その間にメンバーチェンジがありました。新メンバーが決まった流れを教えてください。

大川順堂(Drum):まず去年の春にアコーディオンのよっちゃん(yossuxi)が辞めることになり、オーディションで募集かけて、それで朋ちゃんに決まりました。メンバーも決まった、スタジオ入るぞーってなったら、今度はベースの上原子Kが辞めることになりまして。

──Kさんの脱退は急だったんですね。

順堂:そうなんですよ。次のベースを決めないといけなくなり、最初は何人か交替でヘルプで弾いてもらって。その中で鹿児島君が正式にメンバーになりたいって言ってきてくれて。

──アコーディオンのオーディションはどんなふうに?

順堂:課題曲の2曲を弾いてる動画を送ってもらって。

スージー(Guitar):朋ちゃんは、自撮りの動画で曲を弾く前に礼をして、終わってからも一礼していて、礼儀正しかったんですよ。それが決め手ですね(笑)。それだけじゃなく本当に演奏も上手いし。

順堂:技術面は申し分ないよね。あとは慣れてくれば。いやもう既に慣れてノビノビやってくれてます。

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──朋子さんはオールディックに入ろうって思った理由は?

三隈朋子(Accordion, Keyboard):オールディックのことは前から知っていてライブもずっと観に行ってたんです。私はこれまでいくつかバンドをやっていて、最初のバンドはラスティック界隈でライブしてたバンドで、アコーディオンを始めたきっかけもラスティックっていうジャンルを知ってからなんです。ラスティックならアコーディオンだ! って。一番モテそうだなって(笑)。

順堂:バエるからでしょ(笑)。

朋子:そうです(笑)。

──いいメンバーですね~(笑)。鹿児島さんは?

鹿児島大資(Bass):僕もオールディックのライブにはよく遊びに行っていて、仲良くさせてもらってたんです。で、ベースが辞めるからヘルプとして弾かないかと誘ってもらって、やります! やらせてください! って。ヘルプは僕の他に何人かいて、こんな楽しいこと譲りたくないなってだんだん思ってきて。メンバーになりたいって自分から言いました。

──もともとオールディックは聴いていたんですね。

鹿児島:オールディックは聴いていたんですけど、実はラスティックはほとんど聴いてなくて。ずっとパンク、ハードコアを聴いていたんで。僕はオールディックはパンクバンドだと思ってるんです。

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三隅朋子(Accordion, Keyboard, Vocal, Chorus)

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鹿児島大資(Electric Bass, Chorus)

──その通りですよね。オールディックに入って、どうですか? 思った通りとか、こんなはずじゃなかったとか(笑)。

朋子:ずっと楽しいです。練習するのも楽しいし、毎週のスタジオも楽しみだし。仕事しながら曲のことを考えてたり。ここはこうやって弾くのがいいかな? とか。レコーディングも楽しかったです。何度かレコーティングしたことあるんですけど、こんなに楽しいレコーディングは初めて! って。

──アコーディオンのアレンジは自分で考えるんですか?

朋子:こういう感じでって言ってもらったときは、それを意識しながら自分なりに考えてやってます。

──鹿児島さんはレコーディングはどうでした?

鹿児島:楽しくやらせてもらいました。やればやるほどオールディックはカッコイイなって思って、そこについていくのに必死で。こんなはずじゃなかったって、自分自身に対して思ったことは何度もあって。もっと頑張りたいと思います。

──ベースの低音と、バンジョーやマンドリンとの音の落差というか、立体感があってとてもいいです。

鹿児島:ありがとうございます。レコーディングは、前にやっていたバンドはイメージを固めてから臨むことが多かったんですけど、オールディックは作っていく中で出来上がっていくっていうやり方で。そういう作業は初めてで、わからないことのほうが多かったんで必死でした。だから出来上がったときは感動しました。こうなるんだ! スゲェ! って。

──ゴールが見えないからこその面白さ。

鹿児島:あ、ゴールが見えてないのは僕だけだと思います。みんなは見えてたんだと思います。

順堂:『Gerato』の前ぐらいからプリプロを録ってやるようにしていて。その理由は、曲を固める時間がないから、プリプロやりつつ、細かい所は考えようというスタンスですね(笑)。僕らも、ゴールは見えてないんです(笑)。

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残夜の汀線 -ZANYA NO TEISEN-

2023年3月15日(水)発売
Diwphalanx Records PX375
¥3,000円+税

amazonで購入

【Tracks】
01. 消えて行く前に
02. 夜光虫
03. 満月とポイズン
04. 少し飲んで帰ろう
05. 仄灯 -HONOAKARI-
06. 残夜の汀線
07. ゆらゆら
08. さよならセニョリータ
09. また今日が終わる
10. エンドロール
11. デリバリーヘルスウィング

LIVE INFOライブ情報

OLEDICKFOGGY『残夜の汀線TOUR 2023』
出演:OLEDICKFOGGY(ワンマン)
2023年3月21日(火・祝)東京 新宿LOFT
OPEN 17:30 / START 18:30
前売¥4,400 / 当日未定(共にDRINK代別)
チケットはイープラスにて発売中、OLEDICKFOGGY予約受付フォームにて受付中
制作協力:HOT STUFF PROMOTION
 
OLEDICKFOGGY『残夜の汀線TOUR 2023』
3月21日(火・祝)東京 新宿 LOFT(ワンマン)
3月26日(日)大阪 心斎橋 LIVE SPACE CONPASS
4月01日(土)岡山 PEPPERLAND(ワンマン)
4月02日(日)愛知 名古屋 CLUB UPSET(ワンマン)
4月08日(土)福島 いわき CLUB SONIC IWAKI
4月16日(日)東京 下北沢 BASEMENT BAR
4月22日(土)新潟 GOLDEN PIGS BLACK STAGE(ワンマン)
4月23日(日)宮城 仙台 LIVE HOUSE ENN 2ND(ワンマン)
4月28日(金)広島 CLUB CONQUEST
4月29日(土)静岡 沼津 MUSIC & BAR QUARS(ワンマン)
5月03日(水・祝)千葉 LOOK
5月04日(木・祝)埼玉 熊谷 HEAVEN'S ROCK VJ-1
5月06日(土)群馬 高崎 CLUB JAMMER'S(ワンマン)
5月13日(土)三重 四日市 CLUB CHAOS(ワンマン)
5月14日(日)静岡 浜松 G-SIDE
5月20日(土)兵庫 姫路 LIVE HOUSE BETA
5月21日(日)京都 MUSE
5月27日(土)福岡 博多 LIVE HOUSE QUEBLICK(ワンマン)
5月28日(日)滋賀 大津 U-STONE
6月03日(土)岡山 鏡野 赤壁邸
6月04日(日)愛知 豊橋 CLUB KNOT
6月10日(土)和歌山 NO.11(ワンマン)
6月11日(日)岐阜 柳ヶ瀬 ANTS
6月17日(土)福島 OUT LINE(ワンマン)
6月18日(日)神奈川 横浜 BUZZ FRONT
6月24日(土)高知 CARAVAN SARY
6月25日(日)兵庫 神戸 MUSIC ZOO KOBE太陽と虎
7月01日(土)静岡 FREAKY SHOW
7月02日(日)大阪 心斎橋 LIVE HOUSE ANIMA(ワンマン)
7月08日(土)愛知 名古屋 HUCK FINN(ワンマン)
7月09日(日)長野 CLUB JUNK BOX
7月15日(土)東京 渋谷 WWW X(ワンマン)TOUR FINAL
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