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INTERVIEW

トップインタビューニューロティカ×ギターウルフ - 新宿ロフト出演回数最多バンドによる渾身企画第3弾は、アツシいわく"世紀の頂上対決"!

新宿ロフト出演回数最多バンドによる渾身企画第3弾は、アツシいわく“世紀の頂上対決”!

2023.03.03

洋楽は全然聴かないのに映画は外国のを観るんだね?

──ロックの洗礼を受けたのはやはりラジオの深夜番組とかですか。

セイジ:中学の頃に空前の深夜ラジオブームがやって来て、島根にいると夜の1時くらいから朝の5時までのあいだだけ東京からの電波が微かに入ってきた。当時の島根のラジオはだいたい夜中の12時過ぎとかで終わってたんだけど、その後にジリジリジリ…と『オールナイトニッポン』や『セイ!ヤング』が聞こえてきてさ。そういう番組で討論があって、「君はRCを認めるか? 認めないか?」って話をしていて、何だろうと思ってね。RCが海外のバンドなのか日本のバンドなのかも分からない頃で、そしたら「雨上がりの夜空に」が流れてきて。「こんな夜に発車できないなんて」とか「バッテリーはビンビンだぜ」とか、10代の悶々とした頭ではなんてエッチな歌なんだ!? と思ったよ(笑)。あと覚えてるのはキャロル特集。キャロルは俺が小学生のときに解散してるから久しぶりの特集だったんだけど、キャロルとRCサクセションという二大巨頭を深夜ラジオで知れたのは大きかった。

──あっちゃんにとっての巨頭と言えば、自ずとARBになるわけですが。

アツシ:そうですね。八王子のデパートの屋上でやっていた公開放送にARBが来て、それを見てぶっ飛んでからすべてが始まりました。

セイジ:俺はARBとかはあまり聴かなかったな。洋楽っぽい歌詞に憧れていたからね。キャロルにはエルヴィスとか50'sのロックンロールを、RCサクセションからはブルースを感じたから好きだった。そういう影響を受けた上で俺が目指してるのは俳句みたいな歌詞と言うか。自分の思ったことを唄うんじゃなく情景を唄いたい。昔からやってるアメリカのロックンロール的なことを日本語に置き換えると言うのかな。

──つまり洋楽志向が強かったと。

セイジ:でもそれはあっちゃんも同じじゃない?

アツシ:いや、僕は全然。洋楽のことは何も分かりません。

──KISSやエアロスミス、ベイ・シティ・ローラーズとか当時流行りの洋楽を聴いたりは?

アツシ:中学のときに友達からKISSのレコードを借りたんですけど、1回聴いただけで返しました。「よく分かりません」って(笑)。

セイジ:ラモーンズとかは?

アツシ:分からないです。

──「You're Gonna Kill That Girl」をカバーしていたじゃないですか(笑)。

アツシ:あれはウチのメンバーが好きだろうなと思って、トリビュートが流行っていたときに僕が営業して取ってきた仕事なんです。でも英語の歌なんて自分じゃ唄えないことに後から気づいて、制作の人に「日本語で唄ってもいいですか?」と訊いてOKをもらったんですよ。パンクバンドのボーカルなのに(セックス・)ピストルズのこともよく分からないし、ビートルズも正直よく分かりません。

セイジ:キャロルの解散ライブの映像で、仲間のスタッフが「洋楽に比べたらまだまだかもしれないけど、キャロルはイケてるよな」って言うシーンがあるんだよ。つまり、当時は音楽も映画も日本のものはそこそこだけど外国には勝てないっていう風潮だったんだよね。洋楽も洋画も日本より上っていう時代。そういう認識が植え付けられていたけど、バンドで海外へ行けば現地の人たちは凄く歓迎してくれたし、日本のロックが素晴らしいことを再認識できた。と言うよりも、自分たちは日本よりも海外のほうがウケるかもしれないね。

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──ニューロティカは海外でライブをやったことがあるんですか。

アツシ:一度もないですね。

セイジ:やると面白いかも。ピエロの格好を面白がってくれそうだし。

アツシ:やりたいねとメンバーとも話してるんですけど、ノウハウがまだなくて…(笑)。

セイジ:俺たちが洋楽を聴いて何を唄ってるのか分からないのと同じで、あっちも日本語だろうと何だろうと関係ないからね。ノレればいいわけだし、パワーがあればいい。

アツシ:じゃあ、今後は海外を目指します(笑)。セイジさんの好きだった音楽を聞けたので、どんな映画が好きだったのかも聞きたいんですけど。

セイジ:さっきも話した『狂い咲きサンダーロード』や『燃えよドラゴン』も好きなんだけど、『時をかける少女』も好きだった。SFという形の中で思春期の心が振れに振れているのが描かれていて素晴らしいなと。あとは『男はつらいよ』。中でも太地喜和子がヒロインの『寅次郎夕焼け小焼け』がいい。リリーが出てくる『相合い傘』も素晴らしいけど、『夕焼け小焼け』は本当に最高。

アツシ:作品名で来た(笑)。僕も寅さんは好きで全部観てますけど、観直してみます。

セイジ:鈴木清順監督の『けんかえれじい』も好きだね。あと、みんな大好き『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。あの映画の中で描かれてることは俺たちも中学や高校の頃に似たようなことを妄想したものだけど、(スティーヴン・)スピルバーグが製作したからこそ大成功したんだと思う。仮に日本の映画人が作ったらあんなに素晴らしい作品にはならなかったんじゃないかな。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は何かがちょっとでも欠けたらヘンな映画になりそうだけど、あれは完璧だもんな。三部作で荒野へ行ったりするのも最高。『荒野の用心棒』のパロディがあったりしてさ。あっちゃんが好きな映画は?

アツシ:『灰とダイヤモンド』、『ベティ・ブルー』、『ポンヌフの恋人』ですかね。あとは『仁義なき戦い』と『男はつらいよ』。

セイジ:洋楽は全然聴かないのに、映画は外国のを観るんだね?(笑)

アツシ:ああ、言われてみれば確かに。初めて指摘されました(笑)。

セイジ:そういう部分は徹底しなくていいんだね(笑)。

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LIVE INFOライブ情報

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新宿LOFT × ニューロティカ PRESENTS 10ヶ月連続企画『Big Wednesday』vol.3
出演:ニューロティカ × ギターウルフ
2023年3月8日(水)新宿LOFT
OPEN 18:45 / START 19:30 
前売¥5500 / 当日¥未定(共にDRINK代別¥600)
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新宿LOFT × ニューロティカ PRESENTS 10ヶ月連続企画『Big Wednesday』vol.4
出演:ニューロティカ × JUN SKY WALKER(S)
2023年4月12日(水)新宿LOFT
OPEN 18:45 / START 19:30 
前売¥5500 / 当日¥未定(共にDRINK代別¥600)
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