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トップインタビューPalastleben - 極上の模倣品こそニューウェイヴやポスト・パンクの真髄であることを知る確信犯的異能集団、待望の第2弾シングルを発表

極上の模倣品こそニューウェイヴやポスト・パンクの真髄であることを知る確信犯的異能集団、待望の第2弾シングルを発表

2022.07.28

 マリアンヌ東雲(Vo/Syn, キノコホテル)、Shinpei Mörishige(G/Key, FOXPILL CULT, etc.)、竹内理恵(Sax, PANTA&黒い鷲, etc.)、ハセガワスズナ(B)、Shintaro(Dr, MUNIMUNI, etc.)という様々なキャリアを持つ異色の5人のメンバーが集まり、それぞれの持つ音楽要素を独自のハイブリッドなニューウェイヴ/ポスト・パンク/オルタナティヴロック・サウンドに昇華させて紡ぎ出すバンド、Palastleben(パラストレーベン)。今年4月に発表された初のシングル『Monaural / Danse.Karma』に続き、待望の第2弾シングル『Neon Escape / New Order』が7月23日にリリースされた。
 Palastlebenの先鋭性溢れる音楽を端的に述べる上でニューウェイヴやポスト・パンクといった言葉を便宜的に使うけれども、彼らはそうした音楽的ジャンルを真摯に追求するのではなく、その種のジャンルをまあこんなものだろうと大胆不敵に換骨奪胎する姿勢、敢えてまがいもの感を貫こうとする意志が逆に極めてニューウェイヴやポスト・パンク的であるという実に捩れた構造を成しているのがこのバンドの大いなる魅力だと思う。ニューウェイヴとは"now here"で"no where"なものであり、"stay gold"より"imitation gold"に価値を見いだすのがニューウェイヴと称されるジャンルの本質であることを彼らは本能で理解している。だからPalastlebenの楽曲は面白い。楽しく踊れる曲なのにどこか情緒や憂いを感じたり、冷徹で無機質な音色なのに感情の豊さやエナジーを感じる曲もある。まるで一筋縄では行かぬこの稀代のプラスチックバンドの内実を知るべく、マリアンヌ東雲とShinpei Mörishigeという主犯格二人に話を聞いた。(interview:椎名宗之)

スクラップ&ビルドを絶えず繰り返すバンド

──今回の『Neon Escape / New Order』は6月上旬頃に配信するはずでしたが、なぜリリースがずれ込んだのでしょう?

Mörishige:いきなりイタいところを突いてきますね(笑)。

マリアンヌ:本当は6月どころか5月末くらいには出すプランだったの。第1弾の『Monaural / Danse.Karma』が4月末だったので。

Mörishige:そう、最初は2カ月連続リリースという華々しい計画だったんですよ。

マリアンヌ:何せ今回の配信曲をまとめて録ったのは今年の1月でしたから。ただそこからトラックダウンしたり、いろいろと調整する作業が断続的になったもので。第1弾をリリースする頃には今回の『Neon Escape / New Order』もミックスはある程度進んでいたんですけど、若干の手直しを施そうと思いながらも放置してしまって。

──手直しというのはアレンジ的側面ですか。

マリアンヌ:ワタクシの歌や音のバランス、一個一個の音の仕上がりと言いますか。エンジニアさんも忙しいし、メンバーの予定を合わせながらのんびり作業していたのがリリースの遅れた原因…というか、キノコホテルの厄除け総決算ツアーのせいか(笑)。Mörishigeにはひたすら余裕がないアピールばかりしていたんですけど、彼はジェントルマンなので、「いいよいいよ、無理をしないでやれるタイミングでやろうよ」なんて言ってくれるものだからワタクシもつい甘えてしまって。

Mörishige:ホントだよ(笑)。

──絶対にこの日までに出さなくちゃいけないとか、締め切りをちゃんと設定しないとスケジュール通りに動くのは難しいですよね。

マリアンヌ:そうなんですよ。現状、レーベルに所属もしていないのでいくらでも引っ張れてしまう(笑)。でも、こうしてリリースできただけでも立派じゃない? お蔵入りにならなくて良かったわよ。

Mörishige:締め切りが大切ってことが身に沁みて理解しました。ケツを叩くメンバーなんていないし、ドMのように自分で叩くしかないんですけど。

マリアンヌ:完全にセルフプレジャー(笑)。

──2020年12月20日に新宿ロフトで開催された『マリアンヌ東雲 性誕祭』でオープニング・アクトを飾ったのがPalastlebenのライブ・デビューですから、公の場に姿を現してから約1年半のあいだに4曲も配信リリースしているのはかなり順調な活動ペースと言えるのでは?

マリアンヌ:ワタクシは凄く順調だと思ってますよ。それはMörishigeみたいに曲を作ってくれて、バンドを前に進めてくれる人がいるから。PalastlebenはMörishigeとワタクシで主に事を進めて、ドラムのShintaroくんがグッズのデザインをしてくれたり、あとの2人も細々したことをいろいろやってくれるので各々に役割分担があるのが良いですね。

Mörishige:今までやってきたバンドと違って、他力本願でやってちゃダメだなと思って。

マリアンヌ:Mörishigeもワタクシと同じで根が真面目なんです。見た目はチャラチャラしてるくせにね(笑)。でも彼みたいな人がいないとPalastlebenはとっくに自然消滅してますよ。ワタクシがキノコホテルの活動で忙しくなった時点で完全に止まってしまうし、その間に彼が動きを止めずにいろいろ進めてくれるのが有難いことなんです。

──現時点でPalastlebenのレパートリーは何曲あるんですか。

Mörishige:いつも才能の枯渇に苦しんでるんですけど、40分くらいのライブを何とか保たせるだけの持ち曲はありますね。

マリアンヌ:数だけでいえばけっこうあるんですけど、もうやらなくなってしまった曲も多いですね。スクラップ&ビルドを絶えず繰り返している感じ。

Mörishige:デビュー・ライブで披露した曲で残ってるのは1曲しかないですからね。

マリアンヌ:パンダの旦旦(タンタン)をテーマにした「Exotic Panda」って曲ね(笑)。タイトルはMörishigeが考えたんですけど。

Mörishige:そのタイトルからして初期の迷走ぶりを物語ってますね(笑)。

マリアンヌ:そう、初期の闇雲な日本語曲の一つ。日本語曲が1曲ずつ消滅していって、それらと入れ替わるように英語詞の新曲群が台頭してきて少しずつこなれていったわけです。その中で「Exotic Panda」だけが未だセットリストに残っているという。

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Neon Escape / New Order

2022年7月23日(土)配信リリース

iTunesStoreで購入

【収録曲】
◉Neon Escape(作詞:Shinpei Mörishige / マリアンヌ東雲 作曲:マリアンヌ東雲)
◉New Order(作詞:Shinpei Mörishige / マリアンヌ東雲 作曲:Shinpei Mörishige / マリアンヌ東雲 / Shintaro)
レコーディング・ミックス・マスタリングエンジニア:軍司健太

Monaural / Danse.Karma

2022年4月28日(木)配信リリース

iTunesStoreで購入

【収録曲】
◉Monaural(作詞:Shinpei Mörishige / マリアンヌ東雲 作曲:Shinpei Mörishige / マリアンヌ東雲 / Shintaro 編曲:Palastleben)
◉Danse.Karma(作詞:Shinpei Mörishige / マリアンヌ東雲 作曲:マリアンヌ東雲 編曲:マリアンヌ東雲)
レコーディング・ミックス・マスタリングエンジニア:軍司健太

LIVE INFOライブ情報

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月虹密会 vol.3
出演:Isiliel / Palastleben / クリトリック・リス
2022年8月12日(金)下北沢Flowers Loft
OPEN 18:30 / START 19:00
前売¥3,000 / 当日¥3,500(共にドリンク代別)
 

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ACM::: presents『echoic::: vol.01』
LIVE:ACM::: / Palastleben / THE DIGITAL CITY JUNKIES / 曇ヶ原
2022年8月20日(土)東高円寺U.F.O. CLUB
OPEN 18:00 / START 18:30
前売¥3,000 / 当日¥3,500(共にドリンク代別)
 

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『仮面劇・犬神』サウンドトラック レコ発ライブ
LIVE:昭和精吾事務所(Dr.吉田達也ほか)/ Palastleben / 曇ヶ原 / COLLAPSE
2022年9月23日(金・祝)東高円寺U.F.O. CLUB
OPEN 18:00 / START 18:30
前売¥3,000 / 当日¥3,500(共にドリンク代別)
 

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mophing people presents ─1st. Alternative─
出演:mophing people / noodles / Palastleben
2022年11月19日(土)渋谷La.mama
OPEN 18:00 / START 18:30
前売¥4,000 / 当日¥4,300(共にドリンク代別)
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