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INTERVIEW

トップインタビュー池畑潤二 - バンドマン兼スタッフとしてフジロックに関わり続ける理由、自身の音楽人生を集約した"ROUTE 17"という晴れ舞台

バンドマン兼スタッフとしてフジロックに関わり続ける理由、自身の音楽人生を集約した“ROUTE 17”という晴れ舞台

2022.07.04

 日本屈指の剛腕ドラマー、池畑潤二は2002年から演者として『FUJI ROCK FESTIVAL』(以下、フジロック)に出演し続ける一方、2007年からはスタッフの一員として会場内の舞台設営や資材搬入などを手伝っているのはよく知られた話だ。2012年から苗場食堂ステージで行なわれるようになった"苗場音楽突撃隊"、その発展形というべき2013年スタートの"ROUTE 17 Rock'n'Roll ORCHESTRA"ではバンマスを務め、百戦錬磨の剛腕ミュージシャンたちを一手に束ねて豪華絢爛な一大セッションを毎年繰り広げている。ザ・ルースターズのオリジナル・メンバーとしてデビューしたことを足がかりとして数々の名バンド、名サポートに貢献して代替不可の"BIG BEAT"を武器に絶大な評価と称賛を得る一方、あくまでも裏方の一人としてフジロックの屋台骨を頑なに支え続けているのはなぜなのか。フジロック開催を1カ月後に控えた6月下旬、SMASHのオフィスで石飛智紹(SMASH取締役・元ルースターズ・マネージャー)との打ち合わせを終えた直後の池畑を直撃し、これまでのフジロックとの関わりや知られざるエピソード、今年の"ROUTE 17"のテーマと布陣に至るまでを縦横無尽に語ってもらった。(interview:椎名宗之)

日高正博とのキャンプはフジロックのロケハンだった

──池畑さんとフジロックの歴史、それすなわちフジロックを主催するSMASHの代表・日高正博さんとの友情の歴史でもあると言えるのでは?

池畑:まあ、知らないうちにそういう話になっていたというか(笑)。

──1980年にデビューしたルースターズのドラマーとバンドのプロデューサーというジェニカミュージック時代の関係性は、今思うとそれほど長くなかったですよね。1983年に池畑さんはルースターズを脱退して、日高さんも同時期にSMASHを立ち上げて。それぞれの道を歩み始めてからのほうがずっと長いという。

池畑:でも、期間的な長さよりも一緒に過ごした密度がとにかく濃かったから。

──1993年頃からは日高さんといつも一緒にキャンプをしていたそうですね。それが結果的にフジロックのロケハンだったと聞きました。

池畑:それも俺の知らないうちにそんなことになっていたという話(笑)。確かにキャンプはずっと一緒に行ってたけど。仕事上の関係性というよりも、お互いに好きなことをやってる延長線上にあるっていうのかな。だってある日の朝、日高さんから突然連絡が来るんだよ? 「蕎麦を食いに行くぞ」って。一緒に車に乗って行けども行けども着かないし、しまいには高速に乗っちゃうし。結局、行き着く先は長野だった。蕎麦を食うのにわざわざ信州まで行くんだから(笑)。

──まさに一食入魂ですね(笑)。フジロックのロケハンはどんな所へ行かれたんですか。

池畑:裏丹沢とか、黒姫高原とかだったかな。信州から岐阜のほうへ上がっていったりとか。それが後でSMASHの社員旅行の行き先にもなったみたいだけど(笑)。

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──最初に日高さんからフジロックを始めると聞いたときはどう感じましたか。

池畑:感覚的によく分からなかったね。最初の富士天神山スキー場(現・ふじてんスノーリゾート)も、ロケハンで富士山の五合目にある駐車場で「よし、ここでフェスをやるぞ!」と日高さんが突然宣言したんだけど、俺はただ驚くだけで全然ピンとこなかった。海外では70年代からグラストンベリー・フェスティバルとかがあったけど、当時の自分はまだ生で体験したことがなかったし。でも日高さんは海外のフェスにもよく行っていたから、頭の中でイメージが出来上がっていたんじゃないかな。

──池畑さんは伝説のフジロック第1回にいち観客として参加されたんですよね。

池畑:うん。前日から現地入りしたんだけど、本当に素晴らしいロケーションでめちゃくちゃ気持ち良かった。前日は天候も凄く良くて、薄着の人たちも多くてね。ただ俺はそれまで日高さんたちとよくキャンプをしていたから、ハイヒールやサンダルを履いていた人を見てちょっと不安を感じたんだよ。

──その不安は的中して、台風の直撃により初日から豪雨に見舞われて。暴風雨の中のレッチリ(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)のステージもご覧になったんですよね。

池畑:あまりの暴風雨だったので、ステージの後ろに回って何かが壊れないようにずっと見張ってた。それまでのキャンプ経験で台風に見舞われたことは何度もあったし、危険を察知する能力が多少はあったんだろうね。集まる人の規模がキャンプとフェスじゃ大違いだけど、まずは各々が自分の安全を確保しないと。

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LIVE INFOライブ情報

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FUJI ROCK FESTIVAL'22
2022年7月29日(金)30日(土)31日(日)
新潟県 湯沢町 苗場スキー場
※池畑潤二 率いる“ROUTE 17 Rock'n'Roll ORCHESTRA”は31日(日)15:00〜16:00、GREEN STAGEに出演
<チケットインフォメーション>
◉一般発売:3日通し券¥49,000 / 2日券¥38,000 / 1日券¥21,000
◉駐車券:¥4,000
◉キャンプサイト券:¥4,000
主催:SMASH CORPORATION
企画・制作:SMASH CORPORATION / HOT STUFF PROMOTION
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