Chapter07:『An afterimage』~未来
──今回シンクロナイズからザ・スカーレッツまでの音源をこういう形でまとめることになったのは、どういう経緯からですか? 昔から考えていたことなのでしょうか?
白石:昔はまったく考えていませんでした。最初はシンクロナイズのスタジオ録音とライブ音源からセレクトしたものを考えていました。2枚組になりそうな感触でした。3枚組にしたいという石戸さんの意向を知ったのは昨年の秋ぐらいでしょうか。3枚ということでスカーレッツ時代の音源も加えることになりました。ケンが音源を多数所有していることで、選曲は彼に頼ってしまいました。
──選曲や内容に関して野本さんはどのようなアイデアや意見を出されましたか?
野本:というか、企画構成や選曲については私がすべてを任されていました。私が選んだ「偽装」という1曲だけは、歌詞に問題があるため収録したくないという要望が白石くんからあったため変更しましたが、それだけです。
──自分たちの過去の音源をまとめて聴き返してみて、どう思いましたか?
白石:密度が濃いなと思いました。初期の言葉の散らかり具合、曲と歌詞の緩やかな変化、その過程の曲数の多さ、それらがまとまって密度の濃さになってるなと思いました。曲のなかにはバージョン違いなども含め、忘れていたものが多く、その点は新鮮な想いで聴けました。ケン加入後から言葉がいくべき方向に向かい始めたなと。そしてそれは音も並行進行してるなと感じました。
野本:30年~40年も経っているので、すごく客観的に聴けました。活動期間が10年以上になるので、年代によって音楽性も変化しているな~と。スカーレッツは意外と古く感じない。「抱擁」なんてまさに今の曲なんじゃないかな~と。それからレコーディングを機に音を作り込むため、レコーディングごとに変化していくな~と。音楽性が変化していっても不思議とシンクロ(スカーレッツ)らしいな~と。ライブ音源は、何よりギターが下手だな~と(笑)。こんなに曲数あったっけ?
──2月19日にはCD発売記念ライブがあります。シンクロナイズは完全に再始動したと考えてよいのでしょうか? 再始動した理由は? また、今後どのような活動を計画していますか?
白石:再始動したのは、ある友人にまた演って欲しいと強く勧められたからです。彼がいなかったら再始動もなかったと思います。今の状況下では先の予定を立てるのは難しいですが。新旧含めて未収録の曲を録音できればいいなと思ってます。
野本:バンド活動は再始動しています。ただしメンバー全員が高齢なので、あくまでゆるく。(2020年11月8日の)高円寺SUB STOREでのミニライブでも新曲を演奏していますが、すでに数曲の新曲を作っていますし、活動休止でレコーディングできていない曲についても、ちゃんとレコーディングするつもりです。