Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビュー音速ライン - 音速ライン、15th ANNIVERSARYの10大トピックと、そのグランドフィナーレを語る

アニバーサリーイヤーが終わっても、まだまだ宴は続いていく

2019.02.19

 2018年にデビュー15周年を迎えた音速ライン。そのアニバーサリーイヤーを盛大に祝い、盛り上げるべく、2017年後半より様々な企画が矢継ぎ早に行われた。10大企画にまで及び足かけ3年の大施策に至った、この音速ライン15周年記念プロジェクト。結果、それらは彼らの活動の活発を促すのみならず、これまで音速ラインに触れてこなかった、新たな層へのコミットにも結びついていった。
 これらを経て改めて気づいたこと、見えたこと、活力へとつながったものも多々あり、これからの彼らの道標としても重要なファクターになったとも強く語る音速ラインの藤井敬之と大久保剛。そんな彼らに加え、一緒にこれらの施策を立案/運営してきた新宿ロフトの樋口寛子と共に、この10大トピックを振り返ってもらい、同時に来る3/10のグランドフィナーレの新宿『〆の一杯』ロフトでの『〆の一杯』と3/31にROCK CAFE LOFT IS YOUR ROOMにて行われる『〆の一杯』後昼祭トークライブへの意気込み等も語ってもらった。[Text:池田スカオ和宏/Photo:Mami Naito]

樋口:音速ラインが現役で精力的に活動していると映らせることは重要だと感じての提案でした

──2017年末からスタートし足掛け3年をかけた音速ライン15周年記念プロジェクトも間もなく幕を閉じますね。まずはこれを始めた当初のキッカケから教えて下さい。

大久保:最初は樋口さんからの提案でした。「2018年が結成15周年なので、その助走になることをやろうよ!」と。

藤井:俺らは基本のんびりしているから、せっかくここまで来たのに、ここで止まっちゃうのはもったいないと心配を樋口さんがしてくれて。そこでケツを叩かれ、ヨシッと気合が入り動き始めたんです。

樋口:正直、当初は第10弾まで続くとは思ってはいませんでしたから。続けていくうちに上手く次から次へと転がり始めて。今の時代って情報過多状態で音楽シーンの流れもとても速いじゃないですか。反面、埋もれたり、忘れられていくのも早い。特に音速ラインに関してはマイペースなので、なかなか一般の方に動きが伝わりづらい面もあって。幅広い人たちに向け、音速ラインが現役で精力的に活動していると映らせることは重要だと感じての提案でした。

──端から見ていても次から次へと動いているように映りました。

藤井:ライブ中に次のトピックの告知が出来ていましたからね。とにかくニュースや話題を途切れさせない。それが出来たのは大きかったし意識もしていました。

樋口:まずはファンの方も安心するだろうと。実際「次の音速ラインのライブまで仕事や学校を頑張ろう!!」と思って下さる方もおられたようですし。

藤井:自分たちとしてもバンドが転がっている自覚がありましたから。それって凄く大事だし、自分たちのモチベーションや気概的にも重要なことだと改めて気づきましたね。実際それが活動のバイタリティにも繋がっていたし。

大久保:次のビジョンや目標が凄く自分たちのモチベーション的にも、お客さんたちへの約束としても大事だろうと頭では分かっていましたが、これを機に改めて実感できたんです。おかげさまでホント濃厚な2年間でしたよ。もしかたらこれまでの活動中最も濃厚な期間だったかも。

藤井:特に我々みたいなスタンスって、動いていることが表面に取り立たされないと、年に何回かのライブだけじゃ死人扱いですから (笑)。なので、この一連の活動が出来、それがキチンと成果となって現れたのは嬉しかったです。いつも通りだったら、“あの人たち最近どうしているのだろう…”的な扱いだったでしょう。

大久保:「今の自分たちだったら!!」を強く意識していました

──私も今回は音速ラインを知らない方々に向けてもニュースという形で知ってもらえたキッカケになった印象を受けました。

樋口:音速ラインは、つまらないところで足踏みをしているべきバンドじゃないし、もっと多くの幅広い人に聴かれるべき音楽だと常々思っていましたから。せっかくのいい曲たちを泣かせたくない。予算がないなら頭を使うしかないだろうと。そこから色々とアイデアを練りました。私的にもここ2年ぐらいは今までにないぐらいアンテナを張っていましたから。

藤井:それもあって、安心もそうだけど、どこか落ち着いて物事に取り組めましたからね。

大久保:もちろん周年的なこともあるので、これまでの総括やちょっと懐かしいことをやってみようという案はあったけど、どれも当時を思い出してやトレース、あの時をそのまま再び的な感覚とはまたちょっと違っていて。どちらかといったら「今の自分たちだったら!!」を強く意識していました。懐かしさはあったかもしれませんが、どれも現行の自分たちをしっかりと魅せることが出来たし、どれも次につながるライブや行為となった感はあります。

──あとは比較的若いバンドたちとの対バン企画も目を惹きました。いい意味で攻めているなって。

大久保:自分たち的にもどれも凄く刺激になりました。立ち位置を改めて確認、自覚出来たし。今の若い子たちが頑張っているシーン、そこにもなんとなく足を踏み入れられるしコミット出来るとの新たな自信にもなったし。

藤井:ホントこれからもその二次会、三次会は続いていきますから(笑)。

──これらのプロジェクトを締めくくるべく3月には締めのライブや後昼祭もあります。個人的には、この足掛け3年の総括的な意味合いもあるんじゃないかなと予測していますが。

藤井:全部新曲でのライブというのもアイデア的には面白いんだろうけど、それだとアイアンメイデンみたいになっちゃうから(笑)。来て下さった方々がみんないい顔で帰れる、そんなライヴにしたいですね。正直、あまり気負ってはいないです。いい時間を共に作って、共有して、いい顔で帰って欲しい。それぐらいかな。

大久保:やる曲には気を使いそうです。自分たちが演りたい曲とお客さんが欲している曲、その双方を満たし、みんなが満足できる最大の選曲をこれから色々と考えます。

藤井:逆に過度なサービス精神を出さないようにセーブするのが大変そう(笑)。それを出すと逆にいやらしく映ったり、迎合したりと思われる懸念もあり、せっかくの説得力も薄まっちゃいますからね。ちゃんとした上でみなさんにいい顔で帰ってもらう、そこでしょう。

──ライブは演者も観者も50/50ですもんね。

藤井:まさにそこ。

大久保:気持ち的に前にいけるのも観てくれている方々のおかげだし、そこにキチンと感謝は込めたいです。

樋口:私的にはそこで、「楽しかったね、またいつか」じゃなくて、そこでなんとなく次を暗示できるものを残してもらいたいです。

──いわゆるto be continued的な?

藤井:そうそう。ひょっとしたらこのバンド、次は……みたいな(笑)。

樋口:結果、これまで応援してきて良かったな、今後も変わらず応援していきたいなと思えるような爪痕はシッカリと残して、また2019年以降も見据えていって欲しいですね。このアニバーサリーイヤーが終わって、その次がこれまで以上に問われるでしょうから。今後も引き続き、点を線にしてく作業は必要だし続けて欲しいです。また、この周年期間に出来なかったことややらなかったことも次々と提案や発信できたらいいですね。

藤井:次へとワクワクさせる、そこも見据えてのライブを演るつもりです。ここで燃え尽きるわけにはいかない(笑)。

──多くの方に応援してもらい、ここまで続けられた15年でもあったわけですし。

大久保:ホントいい距離感でみなさんとここまで一緒に来れたのだと改めて感じた2年でしたから。それらも含め今は恩返ししたい気持ちでいっぱいです。でも、それを自分たちなりに返すとすれば、やはりそれは、これからもいい曲を作り、いいライブを演るしかないのかなって。

藤井:もう俺らからの感謝やお返しはそれしかないから。これ、『〆の一杯』ってサブタイトルじゃない? でも本音は締めたくない。一旦ここで締めるけど、まだまだ宴はこれからも続いていくから。とりあえずの締めって感じで。ホントこれからもその二次会、三次会は続いていきますから(笑)。

このアーティストの関連記事

音速ライン「うたかた」

品番 RTSC-0022
価格 ¥5500 (tax out)
完全生産限定盤 12インチアナログ
3/10新宿ロフト公演にて販売!!

SIDE A
1. スローライフ              
2. 冬の空
3. ひぐらし (アコースティック Ver)
SIDE B
1. 声
2. tempo115
3. 蒼ボード 
※2018年8月18日下北沢SHELTER「音速ラインTOUR がっぷりよつ2018〜13年ぶりの藤井 大久保 菅原健生-〜」公演のライブ音源CD封入付き!

LIVE INFOライブ情報

SHINJUKU LOFT 20th ANNIVERSARY PRE-EVENT
音速ライン15th ANNIVERSARY 2017〜2018プロジェクト第10弾 
音速ライン-15th anniversary final-『〆の一杯』
 
2019/3/10
OPEN 16:15 START 17:00
前売り 3900円(D別) 当日 4400円(D別)
 
出演:音速ライン
会場:新宿ロフト
チケット:イープラス、ローソン、ロフト店頭にてチケット販売中
 
「音速ライン15th ANNIVERSARY 2017〜2018プロジェクト第10弾
音速ライン-15th anniversary final-『〆の一杯』後昼祭 トークライブ」
日程 2019/3/31
場所 ROCK CAFÉ LOFT  IS YOUR ROOM
出演 音速ライン
時間 OPEN 12:00 START 12:30
料金 前売り 3000円(D別)
チケット イープラスにて発売中!!
 
休刊のおしらせ
ロフトアーカイブス
復刻