Dragon Ashは近代兵器、ROSはピストルと刀だけ
──それぞれ音楽のキャリアもありますが、ROSをやっていくにあたって自分のスタイルに影響を与えたバンド、アーティストはいますか。
U:ZO:SUBLIMEかな。ROSを始めてからすごい聴くようになったなと思って。それまでは普段やらないから本当にミクスチャーに飢えてて、RAGE AGAINST THE MACHINEとかRED HOT CHILI PEPPERSとか聴いてたんですけど、なぜかROSを始めてからはSUBLIMEを聴くようになりましたね。
来門:俺はもう、HIROKIさんとU:ZOくんがすごい音楽を知ってるんで、それを教えてもらって。FISHBONEとかマリリン・マンソンとか聴いてますよ。
HIROKI:来門はすごいよね。知らなくてやれてるから。BEASTIE BOYSとか最近まで聴いたことなかったんですよ。
来門:レッチリもあんま聴いたことなかったですね(笑)。
HIROKI:日本のBEASTIE BOYSって言ったらSMORGASしかないんだよね。それが知らないんだもん、天性でそれをやってるってのはすごいことだよ。
来門:恐縮です…。
HIDE:僕はSKINDREDとかですかね…。
──すみません、ちょっと知らないですね。
U:ZO:えっと、誰もわかってないみたいだね(笑)。最近の人なの?
HIDE:いや、2010年くらいですかね。
来門:最近だよ、それは(笑)。
──外国の人?
HIDE:はい…。
U:ZO:…盛り上がらなかったね(笑)。帰ったら聴いてみるよ、SKINDREDね。HIROKIさんは?
HIROKI:俺は変わらないけどね…ルーツをミックスするっていうミクスチャーを日本で始めたのは俺たちの世代だと思うけど。それまで好きだったのが60年代のロック、パンク、モータウンとかブルースもそうなんですけど。そこら辺を聴きながらそこにラップを入れてみようってとこから始まってるんで。その中で変わらず好きなのはジミヘンですね。ジミヘンの曲はいま聴いても格好良くてぶっ飛んでいて。レッチリもジミヘンがいなかったら絶対ああはなってないし。いわゆるミクスチャーなもの、オルタナティブなものはあまり聴かないですね。
──みなさん他のバンドだったりサポートなりをやってると思うんですけど、ROSとの表現の違いみたいなものはありますか。
HIROKI:俺が一番違うと思うんですけど、機材をまず最低限、それ以下かもしれない、中学生みたいなセットでやってるんですよ。BOSSのオーバードライブとディレイだけっていう。それでできないものは違うなと思っていて。要するに機材とかそういうものを制限した中で作ってる曲だから。限りなくチョイスできるところで作ってないんで。武器はピストルと刀しかありません、ってところでどうやって殺しに行くのかって作りなんで。Dragon Ashに行ったら近代兵器が揃ってるんで撃ち放題ですよ。ROSの場合はすぐ弾が切れるからね(笑)。そういう違いです。
来門:俺は完全に取りに行けると思ってます、このバンドだと。熱量も一致…それこそ上なんで、みんな。SMORGASだと楽しむ前提とかだったりするんですけど、ROSは取りに行くって目標が完全にあるんで。そういう意味で居心地はすごくいいですね。命の懸けどころというか。
U:ZO:他の現場、サポートだったり誰かに就かせてもらったりする時は、まず求められることをどれだけできるかってところなんですよね。ROSはバンドなんで。求めてることをやるか、求められてることをやるかの違いで。それもだいぶ違いますね。こっちは0から始まりますからね。4人で自分たちの側から求めることを作って音楽にする。だから元が違うというか、やってることが全然違いますよね。
HIROKI:(HIDEに)お前、最後になると厳しいんだから早めに言ったほうがいいよ(笑)。
来門:HIDEさん、締めお願いします(笑)。
HIDE:演奏を合わせるっていうのは当然なんですけど、その中でも自分を出す、出したくなるというか…俺を見てくれ! ってなる現場だと思います。
来門:ありがとうございます(笑)。
U:ZO:車の中の練習は何だったんだよ(笑)。
LOFTとSHELTERにはいいライブができる信頼感がある
──今回のツアーでSHELTER2本とファイナルはLOFTということでとても嬉しいんですが、皆さんにとってSHELTER、LOFTへの思い入れはありますか。
U:ZO:SHELTERはめちゃくちゃいいですよね。自分が地元ってのもあって贔屓してるのかもしれないですけど(笑)、やってて音もいいし、とにかく気持ちいいんですよね。大きいステージでやればその大きいステージなりの気持ち良さがあるんですけど、音の感じ方、バンド感ってのはSHELTERは他にないものがありますね。SHELTERが決まると嬉しいですもん。心配せずにライブハウスに向かえるんですよね。SHELTERなら今日は大丈夫、いいライブができるってハコに信頼感がありますね。LOFTもそうなんですけど。心配しないで来れるってのは演者にとっては素晴らしいですよね。その日の朝から気持ちいいです。
来門:SHELTERもそうですけど、LOFTはすごい好きで。昔よくやってたけど、途中全然できない時期があって。LOFTでやりたいなって思ってた中で柳沢さんと知り合えて、ソロの時とか全然人いなかったけどLOFTに立たせてくれて。あの時はすごい嬉しくて。そこでU:ZOくんとも会えたし、HIROKIさんとも会えて。LOFTは俺にとってはパワースポットなんです。ここにはロックの精霊みたいなのがいるんですよ。ここでライブやって外したことないもん、昔から。だからファイナルがここでできて嬉しいです。
HIDE:新宿LOFTって僕からしたら敷居が高いイメージがあって。前のバンドでバー・ステージに出たんですね。今回はメイン・ステージでツアー・ファイナルをやれるってのは感無量です。
HIROKI:俺の年代のバンドマンって本当にいろんなとこに出るんですけど、西新宿のLOFTに出るのがまず第一目標だったんですよね。その先はLIQUIDROOMとか。でも一番最初に新宿LOFTに出るステータスがあって。一番最初に出たのは昼のオーディションを受けて。その頃、COCOBATもいたんですけど、夜の部に初めて出る時にCOCOBATのみんなもいて。「あれ、オーディション受けたの?」って訊かれて。やり方がわからないからそうですよね。また新しくバンドを始めて、短い期間でLOFTに辿りつけて俺たちのイベントができるってのは、俺たちの世代のバンドマンにとっては嬉しいですね。今の子たちがどう思ってるか知らないですけど。俺たちにとっては特別な場所で。まずここを埋められなかったらその先はない。まだまだ俺たちには早いと思うんですけど、やらせてもらえることは感謝してます。
──1月14日のイベントのゲストも決まりましたが、どういう出会いだったのか教えてもらえますか。
HIROKI:MAYKIDZはELLEGARDENのベースの(高田)雄一くんが新しく始めたバンドで。共通の友達がいて、その人がROSのCDを渡してくれたらしいんですね。全然違うジャンルの奴とやるのもいいなと思って。だからダメ元で、まだ会ったことも観たこともないんですけど、お願いしたら快く受けてくれて。NYFってバンドは今回のツアー最多出演ですね。押しかけですね、俺たちを出させろ! って感じで(笑)。その心意気を買って、その3バンドでやってみようと。
U:ZO:NYFのボーカルのAJは自分がRIZE時代、AJも違うバンドだったんですけど、18年くらい前に対バンしてるんですよ。そのつながりもあって、ここに来てまた一緒にできて嬉しいです。
HIROKI:それこそ、LOFTに出たいんじゃないですか? 友達が出るからちょっとLOFTのステージに立ちたいって。熱い押しかけぶり出してたからね。
来門:そういうことだったのか。
U:ZO:彼らはまだ東京に出てきたばっかりで。九州のバンドで。
HIROKI:わりとまだチャラいところでしかやってないから、こういう老舗のライブハウスに出れるならってことでダメ元で熱く押しかけてきたんでしょうね。
U:ZO:やっぱりチャンスをつかみたいって思いがあるんでしょうね。
HIROKI:でもそういう気持ちがあるってのがいいよね。