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INTERVIEW

トップインタビューHOMMヨ「生きることの切なさ、生きづらさ、虚無の中から発せられる、大いなるYES」

生きることの切なさ、生きづらさ、虚無の中から発せられる、大いなるYES

2018.12.12

言いたいことは言わないとなって感じになってきた

 
——3人の共通項っていうと?
 
みちゃん ジャンルの共通点はないです(笑)。あるんでしょうけど好みはバラバラだし。 それより共通しているのはスタンスだと思います。
 
ニイマリコ 曲の向かい方とか曲がどこを目指すのかとかね。
 
みちゃん だからバラバラだなって感じたことはないんですよ。
 
ニイマリコ やっぱオルタナティブだよ!とか言ってまとめるんですけど(笑)。オルタナティブなロックを聴いてオルタナティブをやろうではなくて、本来の意味でのオルタナティブ。各々の好きな音楽、全部が共通してるわけじゃないけど、部分部分が重なってレイヤーになっているんですよ。レイヤーになっていったり、レイヤーの部分が分厚くなっていったり。自分達でもこういうジャンルですって言い切れないけど、周りもだんだん言い切れなくなってきて、HOMMヨぽいって言ってくれるようになって。
 
——「グランジっぽいね」「サイケっぽいね」ではなく、「HOMMヨっぽいね」。いい変化ですね。あと「女の子なのにクールだね」とか、「女の子なのに」って言葉がついてくることも多いと思うけど。
 
ニイマリコ そうなんです。必ず「女の子なのに」って言葉がついてきた。
 
——ジャマ臭いですよね。女性バンドは男はしなくていい苦労があると思うけど。
 
ニイマリコ 圧倒的にあります。
 
——そのへん、ジェンダーについてはどう考えますか?
 
みちゃん 私は最初、ドラムは男子がいいなって思ってたんです。女だけだと舐められるから。自分ではギャルバンに括られるのに違和感があったし女子であることを意識したこともないつもりだったけど、それが実は逆に意識してたってことなんですよね。
 
——HOMMヨというバンド名は? 
 
みちゃん ニイちゃんが男性ファッション誌を見るのが好きで、そこから。
 
ニイマリコ 記号みたいだし、読みづらいとこもいいかなって。
 
みちゃん でも、「ギャルギャルしたバンドじゃないぜ」ってメッセージも含まれてたよね? 
 
ニイマリコ メッセージもあったけど、当時はそこまで考えてなかったかな。2人をメンバーに誘ったのは、背が高いしショートカットで中性的でカッコイイだろうなって。その雰 囲気に合ったバンド名だとも思ったので。私は女の子だけでバンドやりたいって思ってい て、それは自然なことで。でも周りから「女なのに」って言われて。それが誉め言葉であっても違和感がありますよね。
 
——当たり前にやってるのに「女なのに」って言われたら、そりゃ違和感あるし、女であることを意識せざるを得なくなる。
 
ニイマリコ そうなんですよね。ギャルギャルしてないぜ!って、更に頑なになってた時期があり。
 
みちゃん つまり逆に女子であることを意識してたんだよね。
 
ニイマリコ でもそれより大事なのは自分らしさ、自分達らしさなんだって、しばらくして気づいて。
 
みちゃん 話し合ったり意識して変えたわけじゃないんですけど、3人とも頑ななとこがなくなってきたんです。
 
キクイマホ 曲作りとか演奏とかライヴとかで、やりたいことができるようになっていくのと同時に、女だからどうのってことも意識しなくなってきたんだよね。
 
——あぁ、「グランジっぽいね」とか「サイケっぽいね」じゃなく「HOMMヨっぽいね」って言われるようになってきたら、「女なのに」とも言われなくなった。
 
ニイマリコ そうなんですよ。なんかね、私はこのメンバーで、最初から手応えがあったんですよね。漠然とだけど、この2人となら安心できるなって思ったし、自然でいられるなって。
 
——それが結実してるのが今作ですよね。
 
キクイマホ やっぱ歌が大きいですよね。
 
みちゃん ニイちゃんは以前はハッキリ歌うことが恥ずかしいという感じがあったけど、それが抜けてきて。
 
キクイマホ そしたらメロディが出てきたし、どう歌を伝えるかを考えるようになったんじゃない? 
 
ニイマリコ 言いたいことは言わないとなって感じになってきた。自分自身もそうだし、世の中的にもそういう時なんじゃないかと。もうカッコつけたこと、カッコつけてたわけじゃないんですけど、もやもやしたことを歌ったところで、なんつうこともねぇよなって。アイドル(ヤなことそっとミュート)に歌詞を書いたのも大きいです。アイドルって、ファンに前向きな気持ちで帰ってもらうっていう役割じゃないですか。だからステージに立つ若い女の子達が、歌ってて気持ちいい言葉を選んで歌詞を書いた。そしたらHOMMヨとは雰囲気が真逆な歌詞になって。でも意外と自分の本心だったりもして。他人に歌詞を書くことで、自分のことも少し客観的に見られるようになった。そしたら逆に素直になれたというか。で、どっちの歌詞にも真ん中にはシニシズムがあって。私は虚無的なことから逃れられないとこがあるので、そこをどう出すか。今までは、自分の暗いとこをわかりにくい言葉でやってたんですけど、でもたぶん誰でも虚無的な気持ちって持ってるんですよね。自分だけじゃない。
 
——以前のニイちゃんの歌詞は、心象風景や脳内宇宙って感じだったけど、今作は外の世界とコミットしてるよね。
 
ニイマリコ そうですね。
 
みちゃん 変化はしてるけど、変わってないのは絶対に嘘はつかないってとこ。ニイちゃんから出た言葉ってことに嘘はないです。
 
ニイマリコ 徹底的に嘘はついてないです。でも言葉が出てこないこともあって。デヴィッド・ボウイが亡くなって、精神状態がちょっと変になって。曲も作れなくなって。でも少しずつ死を受けいれていくと、曲も、言葉も出てきた。今作、自然に作れたアルバムではあるけど、重くはあるんですよ。暗くはないけど。音が重いってことじゃなく。
 
——内包してるって感じですよね。私、歌詞にそんな言葉があるわけじゃないけど、今作のメッセージは「大丈夫だよ」ってことだと思って。
 
ニイマリコ あ、まさにそうです。生きづらさを感じてる人に、自分のままで大丈夫だよって。
 
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LIVE INFOライブ情報

山口やまぐ&松尾翔平共同企画
"ブラックナードフェス vol.4 ~Let’s Go World Nerdy Journey~"
2018年12月16日(日)
八広地域プラザ 吾嬬の里(あづまのさと)本館
〒131-0041 東京都墨田区八広4-35-17(京成線 八広駅 徒歩7分)
Open 10:30 / Start 11:00 / End 20:00
入場料 3000円+1d(500円)高校生無料 3ステージ制
 
Food:インドカレー よすが Freeお菓子あり
内装:ヤバイネーション
official site:
 
【出演】
オシリペンペンズ
割礼
RUINS(吉田達也+増田隆一)
姫乃たま
ほたるたち (穂高亜希子+松尾翔平+吉川賢治)
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