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INTERVIEW

トップインタビューHOMMヨ「生きることの切なさ、生きづらさ、虚無の中から発せられる、大いなるYES」

生きることの切なさ、生きづらさ、虚無の中から発せられる、大いなるYES

2018.12.12

 2005年に結成。ニイマリコ(G/Vo)、みちゃん(B)、キクイマホ(Dr)からなるHOMMヨ。これまで4枚のオリジナルアルバム、2枚のシングル、1枚のライヴアルバムを発表。グランジ、シューゲイザー、オルタナ、パンク、60'sや70'sなど様々なロックを吸収。そして新作『No Past To Love』が完成。そこには吸収した様々なロックが息づいてはいるのだが、まるで一度真っ白にして、HOMMヨというバンドの中から出てくるものだけを見つめ放出させたような作品だ。どこかクールな視線があるからこそ、今の時代を生きることの切なさや生きづらさを感じ取り、スッと立ち上がらせる力をくれる。豊かなメロディと歌、強靭なリズム隊は、そんな凛々しさと優しさがある。
 イベント企画も精力的で、HOMMヨのグッズやポスターのデザインを手掛ける漫画家・雲田はることの共同企画「くもはるフェス」、女性ミュージシャンを主体とした「Mama's Tattoo」シリーズなど独自に展開。本作のリリースが更なる飛躍となるだろう。(TEXT:遠藤妙子)

ただただ衝動のままに

 
——まず結成のことから。結成して何年ですか? 
 
ニイマリコ(G/Vo) 13年目です。 
 
——じゃ、学生時代から。
 
みちゃん(B) そうです。ニイちゃんは高校の軽音部の憧れの先輩で。 
 
ニイマリコ みちゃんも目立ってたんだよね。バンドをやるなら絶対この子を誘おうって。卒業してから誘ったんですけど…。 
 
みちゃん 私は浪人中で勉強しなきゃって時に(笑)。でもニイちゃんは尊敬してたし信じられないぐらい嬉しくて。マジっすか?って感じで。とりあえず2人で曲作って、いいじゃん!いいじゃん!って盛り上がってましたね。
 
——こういう音がやりたいっていうより、もっと衝動的な?
 
ニイマリコ ですね。私はパンクやグランジが好きだったんですけど、グランジをやりたいというよりは、ただただ衝動のままにっていう。グランジこそ衝動の音楽だし。で、ちょうどその頃、関西ノーウェイヴを知って。私は洋楽一辺倒だったからライヴハウスに行ってなかったけど、関西ノーウェイヴを知って行くようになって。そこで見たオシリペンペンズが衝撃で。お客さんは10人もいなかったかな、いきなりパンタロンの兄ちゃんが血ぃ流してのたうち回って。なんじゃこれ!イギーポップじゃないか!って。そういう、最初はナンセンスなことをやろうと思ってたんです。でもみちゃんはカッコイイのが好きだったので…。
 
みちゃん 私はアングラな匂いがするものはダメなんですよ(笑)。でも衝動は凄い出したいって思ってたので、そこはニイちゃんと共有していて。まぁ、かなりナンセンスなこともやってましたね。
 
ニイマリコ タイトル“厚着でサーフィン”とか(笑)。とにかく初期衝動のみで。
 
——みちゃんはもともとどんな音楽を聴いていたんですか?
 
みちゃん 兄の影響でビジュアル系です。ビジュアル系ばかり聴いてたので、どんどん暗くなっていくんじゃないかって兄が心配して、こっちも聴いてみなってメロコアを持ってきたんです。それでハイスタを聴いたら、自分もバンドをやりたい!って思った。ビジュアル系は好きでしたけど自分でやろうとは思わなかった、世界観に浸ってるのが楽しいって感じで。でもハイスタを聴いたらやりたいって思ったんですよね。
 
—–あ、話飛んじゃうけど、みちゃんがハイスタを聴いた時に感じたことと近いものを、 HOMMヨの今作に私は感じたし、きっとHOMMヨの若いリスナーも感じると思う。これまで聴き手は外からHOMMヨの世界観を見てたと思うんですよ。でも今作は中に入っていけるんですよね。
 
ニイマリコ あぁー。自分達でも変わってきたと思います。
 
みちゃん そういう余地を作れるようになった。最初の頃はずっと突き放していて。だから話しかけてもくれないし友達できないし(笑)。そこに酔ってたとこもあったんです。孤独ってカッコイイよねって(笑)。
 
キクイマホ(Dr) 曲作りにしても、ボーカルがメロディアスにならないように、敢えて掴みどころのない感じだったのが、歌もメロディも言葉もハッキリ出すようになったし。
 
ニイマリコ なんか、頑なさが減っていったんだと思います。
 
——うんうん。そのへんの変化は追って聞きますね。話を戻して。ドラムのマホさんが加入して不動の3ピースに。
 
ニイマリコ マホさんは私の大学の先輩で。一緒にやりたいって手紙を渡したんです(笑)。
 
キクイマホ 当時、体調崩して入院してたんです。そこにお見舞いに来てくれたのはいいんだけど帰りがけに手紙くれて。「バンドやってください」って書いてあって。はぁ? 私、入院してるんですけど(笑)。
 
——誘うタイミングが浪人中に入院中(笑)。
 
キクイマホ それで2人が演奏してるMDをもらったんですけど、まんまニルヴァーナでした(笑)。ニルヴァーナは好きだからいいんですけど。
 
——マホさんはどんな音楽を聴いてきて? 
 
キクイマホ 主にJポップです。中学の頃からカスケードが好きで、それ経由なのかなんなのかナゴム系も好きになって。とにかくカスケードが好きでした。で、その頃はギターをやってたんですけど全然弾けなくて、ドラムやってみたいなって。ドラムも難しいだろうなって思ってたんですけど、叩く姿を後ろから見たら、どういうふうに叩いてるかわかって。そしたらすんなりできちゃって(笑)。
 
——おぉ、凄い。で、私がHOMMヨを知ったのは5、6年前なんです。60、70年代の匂いを感じさせていた。
 
ニイマリコ サイケ期ですね(笑)。
 
——どんどん変化してきたってことですね。
 
ニイマリコ アルバムごとに違うと思います。最初は爆音でグシャーッてことしかできなかったけど、だんだんできることも増えていくので。最初の頃はグランジっぽいって言われてて、2ndになってちょっとメロディが出てきて。3枚目ぐらいからサイケ的なものを取 り入れて、サイケっぽいって言われてました。そこからまた変化してます。
 
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No Past To Love

発売中 / SIGMA-001

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LIVE INFOライブ情報

山口やまぐ&松尾翔平共同企画
"ブラックナードフェス vol.4 ~Let’s Go World Nerdy Journey~"
2018年12月16日(日)
八広地域プラザ 吾嬬の里(あづまのさと)本館
〒131-0041 東京都墨田区八広4-35-17(京成線 八広駅 徒歩7分)
Open 10:30 / Start 11:00 / End 20:00
入場料 3000円+1d(500円)高校生無料 3ステージ制
 
Food:インドカレー よすが Freeお菓子あり
内装:ヤバイネーション
official site:
 
【出演】
オシリペンペンズ
割礼
RUINS(吉田達也+増田隆一)
姫乃たま
ほたるたち (穂高亜希子+松尾翔平+吉川賢治)
3776
SAKA-SAMA
HOMMヨ
otori
xoxo(Kiss&Hug) EXTREME
Weekday Sleepers
山口やまぐと地獄少年
MCビル風
田島ハルコ
三富栄治
内田るん
吉田和史×夜窓
ニシオカディドリー
横沢俊一郎
Cobalt
ロクトシチ
加納エミリ
しののめ
山口やまぐ Another Hell Meeting
Super Ganbari Goal Keepers
 
協賛・協力:なりすレコード、TRASH-UP!!RECORDS、なんのこっちゃい西山。
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