今回のアナログ盤化に際して、当時のスタッフ全てに再び集結してもらった (大久保)
━今回聴き直して、また最近こちら側に立ち戻ってきた状況も手伝ってのことかもしれませんが、あまり当時から変わってないなって。エモさはもちろん、美しいメロディやキュンとなる部分、清涼感やエバーグリーンさや初夏の感じ等々。音速の曲はどの曲も基本夏っぽいですよね。例えそれが冬を歌っている曲でも。
藤井:自分でもそう感じる。冬の歌も結局は夏を想って書いたりしますから。
大久保:その辺りは拭っても拭いきれないところかなと。
━今回それらがアナログ盤化されますがいかがですか?
藤井:今回全て改めてマスタリングをし直して。聴き直した時にその当時の気持ちが蘇りました。「ああ、当時はこういった気持ちで演ってたな…」とか。それも今回の機会がなかったら一生思い出さなかったかも。
大久保:完成したものを聴いた瞬間、感動でしかなかったですから。実はプレス工場に立ち合いにいったんです。そこで見た完成までの過程は感動的でしたね。意外に手作業も多くて。それこそアナログ的でした。あと今回はホント奇跡的に、このCDの際のスタッフにアナログ用にミックスをしてもらったり、マスタリングをしてもらったんです。スタッフもほぼ当時の方々で。
━ちなみにアナログに思い入れ等は?
藤井:もちろんあります!!僕らアナログ世代ですから。
大久保:今の時代、自分の作品がアナログ盤化されてそれを聴ける。それって凄くヤバくないですか?
藤井:溝を削ってその振動で音楽を聴くんだぜ。その方法論ってヤバい。だって絶対に無音が無いもん。そうそう、マスタリングの際は各曲、より余韻を楽しんでもらえるように、あえて曲間も更に空けてもらったんです。
大久保:(レコードの)溝も広めにとっているので、かなりいい音ですから。あと、やはりひと手間かけて聴く作業。これにも尊さがありますよね。ホント、アナログ盤化は嬉しいです。
━ジャケットも大きいですし。
藤井:そこなんです!!実は俺、このアルバムのジャケットを拡大カラーコピーにしてリビングにずっと飾ってもん。ほんとインテリア的にもいい。
━当時、この猫は?
藤井:デザイナーさんのお知り合いの猫です。今回もデザイナーさんは当時もお願いしていた方で。その方の粋な計らいで、実は中の歌詞カードの裏には現在のこの猫ちゃんの姿も入っているという。もう14歳になったらしいのですが。
大久保:音も今回、最もアナログで聴いた時に良く聴こえるミックスやマスタリングをしてもらったので、ほんといい音だし、より当時のレコーディングした際の音に近いです。なので、CDを持っている方もそれとは別モノとして是非手に取ってもらいたい。音は当時より元気になっていますから。「あれ?俺たち昔、こんなに元気だったっけ?」と自分でも思いましたもん。可能であればにより大きなスピーカーで聴いてもらいたいです。
藤井:あの当時、綺麗にフェイドアウトで終わっている曲も最後まで収めていますから。最後、余計な音まで入っているという(笑)。その辺りの新たな楽しみやおまけもあります。もう一家に一枚飾って欲しい。
大久保:それこそ絵を買う感覚で。それから特典で先日の3ピースライヴの際の音源も入るので、来れた方も来られなかった方も楽しんで欲しいです。
━このアナログ盤の聴きどころを教えて下さい。
藤井:「音速ラインって名前だけは知っています」って方も多いと思うんだけど、そういった方にこの機会に聴いてもらいたいです。今、若い子でもけっこうアナログを聴く子たちが居るとのことなので、是非その子たちにも手に取ってもらいたい。
━では最後に年末年始にかけてのツアーの意気込みを教えて下さい。当然この盤からの曲は演るのでしようが。
大久保:やらないと詐欺ですよ。その前にキチンと思い出さなきゃいけないですね。それこそコピー感覚で演ったり(笑)。
藤井:こないだの3ピースライヴの際もそういった気概で演ったけど、結局は現行の俺たちに更新されるので。これをこのままの再現には絶対にならないと思う。今の俺たちが演ったらこうなる。そんなライヴになるでしょう。
大久保:ホントやるのが楽しみで。それこそ10年以上演っていなかった曲もあるので。で、そのライヴの感覚を帰ってアナログで聴いて、その違いも楽しんでいただければなと。