最近のロフト、守りに入ってませんか?
はかせ:ピクさんもいままで北は北海道、南は福岡までいろんな会場でイベントをやってきたけど、ロフトはやっぱりちょっと違いますよね。
ピクピクン:うん。ロフトは特殊。ホントに居酒屋を借りてるような感覚だから。
前川:ああ、そうなんですね。
ピクピクン:ロフトはとんがったイベントをいまもずっとやってますからね。
前川:そんなにとんがったイベント、やってましたっけ?
ピクピクン:あれですよ、国会議員の。
前川:上西小百合さん(元衆議院議員)ですか? あれはロフトプラスワンウエストですね。ウチではやったことないです。
はかせ:ぼくが司会をやってるアックマ様のイベント『惡熊会』も、他の店でやると怒られてますからね。他の店でやると怒られてますからね。アックマ様がお客さんとジョッキで乾杯するたびにビールをめっちゃこぼして、もういい加減にしてくれ! って言われたみたいで。そのへん阿佐ヶ谷ロフトAはビールで床が水びたしになってもぜんぜんOKですから(笑)。
ピクピクン:でも最近はどうなんですか? ヤッバいイベントがちょっと減ってきたように感じるんですけど。
前川:ああ、そうですか? まぁでもね、最近はずいぶんと守りに入っちゃってるかもしれない。
ピクピクン:いやいや、ここは攻めていきましょうよ! 壊していきましょうよ!
前川:いや、先生はこれ以上攻めなくて大丈夫です(あっさりと)。
はかせ:まぁ、最近はハコのアングラ感が薄まって、メジャー感が強まってきてるような気はしますね。
ピクピクン:そうそう! だから一回出そう、芸術として!
前川:何を?
ピクピクン:臓器を!
前川:臓器!?
ピクピクン:つい先日ですね、ヌードデッサンのモデルをしてきたんですよ。そこでオレが横たわってデッサンする皆さんのほうへお尻を突きだして、玉袋をポイッと出して向けてみたんですよ。すごいアーティスティックな場だったし、違法ではない。そこでオレは思ったんですよ! ヌードデッサンは芸術だから公共の場でもキンタマを出していいし、「芸術だもの」の一言であらゆる物事が片づくんじゃね? って! 要するに、この阿佐ヶ谷ロフトAでヌードデッサンをやればいいんですよ!
前川:やりませんよ(きっぱりと)。
ピクピクン:いや、だって、芸術ですよ!?
前川:そんなの芸術とは認めません。
ピクピクン:いいじゃないですか! オレら三人が裸でステージに上がって、お客さんに絵を描いてもらうんですよ!
前川:なんでぼくまで入ってるんですか!?
ピクピクン:(無視)で、最後は「芸術は爆発だ!」ってことで、バケツに入った真っ白なペンキをバシャー! っとステージの壁の絵に浴びせる。
前川:そういうのは阿佐ヶ谷の駅前で一人で爆発させてきてくださいよ。
はかせ:杉並警察がやって来て即逮捕ですね(笑)。
ピクピクン:そんなことでビビってるようじゃ、いつも前説でCMを流してるロフトのオーナーの本は売れませんよ!
はかせ:こらこら(笑)。平野さん、すごくエラい人なんですから。ライブハウスの生き字引なんですよ? そういえば平野さんの本で思い出しましたけど、むかしロフトプラスワンでやってた一日店長制度ってなくなっちゃったんですか?
前川:あれはプラスワンがオープンして数年経って、ぼんやりしちゃったんですよね。
はかせ:ああ、そういうものなんですね。ぼくがロフトに関わるようになってからは一日店長って感じではなくて、みんなで居酒屋にいるような雰囲気でトークをする感じですよね。ぼくは料理のイベントとかもここでちょこちょこやらせてもらってて、こんな料理をつくってみたいっていうのも前川さんがちゃんと受けてくれるんです。
前川:それも実質的には一日店長なんですよね。はかせが「こういうメニューを出したい」というのを受けて、我々が食材を用意してつくるわけだから。
ピクピクン:ああ、そういうこともできたんですね?
前川:え? 先生のイベントでもたまにやりましたよ。
はかせ:フードのレシピをこっちで考えて、前川さんに渡すんですよ。で、それが実際につくれるかどうかを判断してもらう。ピクさん、100回以上イベントをやってきたのに知らなかったんですか?(笑)
ピクピクン:えー! そうなの!? オレはいつも岩塩しか用意してなかった!