10年経っても地域に根づいていなかった!?
ピクピクン:前に聞いたことがあるんですよ。「コンビニのバイトが勤まるヤツはロフトのバイトは勤まらない」って。単調な流れ仕事じゃないし、ロフトにいれば毎日がドラマなわけですよ。毎日毎日、これだけ頭のおかしいイベントをやってるわけだから、そりゃ普通の人の感覚はマヒしますよね。
はかせ:でもさ、10年の節目を迎えたこの阿佐ヶ谷ロフトAっていったい何なんだろう? って考えると、ぼくら演者側にとって阿佐ヶ谷ロフトAとは前川さんその人なんですよね。別に持ち上げるわけじゃないんだけど。ぼくらはまだ4、5年しか阿佐ヶ谷ロフトAを知らないけど、この店のイメージを決定づけてるのは間違いなく前川さんだと思う。
前川:なるほど、ステージの壁の絵の手はぼくのでしたか?
はかせ:そう! あんなふうに演者をねじ伏せてる!(笑)
ピクピクン:そろそろ締めの時間が来たからまとめるわけじゃないんだけど(笑)、10年この店が続いて、オレらは4、5年の付き合いだけれども、こうして、100回以上ここでトークライブをやってきて、店長を勤めあげている阿佐ヶ谷ロフトAの前川さんは、やっぱり、すごいと思うし……。
はかせ:別にいい言葉でまとめようとしなくていいんだよ(笑)。
ピクピクン:前川さんのことは大好きだし……。
前川:先生って、いい言葉の引き出しが少ないですよね。
はかせ:100回以上やってきてもこうなんですよ(笑)。
ピクピクン:阿佐ヶ谷ロフトAといえば、やっぱり前川さんだし……。(と、まだ続けようとする)
はかせ:阿佐ヶ谷ロフトAの店内の至る所に前川さんの雰囲気が出てるんですよね。それもあって店員の皆さんもテキパキ動ける。
ピクピクン:こんなに演者から愛されてる店長はいないよ!? バイトの子もみんな人あたりがいいし!
前川:いや、飲食業界は人気がないから万年人手不足で困ってるんですよ。
はかせ:でも、ロフトプラスワンは歌舞伎町という歓楽街のなかでいびつな形として根を張ってるけど、阿佐ヶ谷ロフトAは健全でほのぼのとした商店街の一角の地下でアンダーグラウンド感を出してるのが面白いと思うんですよ。それでいて、七夕祭りになると商店街の他の店にまじってハリボテを一緒につくったりして、地域に根づいてもいる。
ピクピクン:まわりの店からするとここは異質極まりないから、前川さんは商店街を歩いてると白い目で見られてると思うけどな。
前川:そうなんですよ。ウチのスタッフの子が近くの店の人と話してたら、「キミんとこの店によくいる髪が長くて薄気味悪い人、誰?」って言われたらしいんです。「あいつおかしいよね?」って。「それ店長です」って答えたみたいですけど。
はかせ:ぜんぜん地域に根づいてなかった(笑)。
ピクピクン:だけど、こんな下町の商店街でここまでとんがったハコを10年も続けてるのはホントにすごいことだよね。阿佐ヶ谷が頭おかしいのかな?
前川:それか、杉並区がおかしいんでしょうね。
はかせ:やめなさいって!(笑)
前川:ところで、先生はイベント100回を達成して最終回を迎えたあとはどうするんですか? トークライブに限らず、2018年のえろ漫画家ピクピクン☆にどんなプランがあるのか知りたいです。
ピクピクン:これは司会のはかせとも相談なんですけど、毎月第◯◯曜日はトークデイみたいな感じで、いままでのトークライブとは違う形のイベントをここでやっていきたいと思ってるんですよ。たとえばヌードデッサンをやるとか、歌を披露するとか。さっきも言ったように、芸術的なね。
前川:やりませんよ(きっぱりと)。