ほのぼのとしたパール商店街の一角にある異空間
前川:そう考えると、学びの5年間でしたね。
はかせ:ホントに。何がOKで何がNGかを見極めてきたし、今日もピクさんが育てあげた新米のコシピクリ(2017年度一等米コシヒカリ10トン)の食べ放題イベントじゃないですか。それもこんなことをやれたらいいなってところから始まってるんですよ。それを実際にやれちゃうのがすごいと思ったし、ロフトの懐の深さですよね。今年の年越しもここでピクさんと一緒にトークライブをやらせてもらいますけど、ライブハウスの年越しイベントってやっぱりそのライブハウスの顔だし、純粋に嬉しいですよ。
ピクピクン:この阿佐ヶ谷ロフトAって商店街のアーケードのなかにあるじゃないですか。家族連れを含む老若男女がひしめく、いい感じの下町の風景なんですよ。その途中に阿佐ヶ谷ロフトAの看板が置いてあって、そこに我々のトークライブのタイトルが書いてある。『オレはキミを守るでっかいタンポンになりたい☆』(第92回)なんてね。
はかせ:最初の頃はタイトルも気をつかって、イープラスにも出せるように◯とかで伏字をしてたんですよね。いまはもうやりたい放題ですけど(笑)。
ピクピクン:イープラスさんも喜んでるんですかね?
前川:喜んでるというか、せめぎ合いですよ。苦肉の策として『まんこちん・こうんこ・まんこちん・こうんこ皆で一緒にタンポン茶☆』みたいにヘンなところに中黒(・)を打ったりして。
ピクピクン:そうそう。いつだったか、まんこを連発したタイトルにしようとしたらイープラスさんからNGが出て、膣に変えたんですよね。
はかせ:医学的な用語ならOKだったと。まぁ、ダメですけどね(笑)。
ピクピクン:ちなみにその、例の事件以外に過激なイベントって何かあったんですか? あれはヤバかった! みたいな。
前川:いやぁ、もう何が過激なのかとか、そういうのがよくわからなくなってきてるんですよね。こういう仕事をしてると倫理観がマヒしてくるんですよ。
ピクピクン:前川さんってここの店長ですよね。店長ってエラい人なのに、深夜にここで宗教イベント(『御満幸教ノ秘密集会』)をやる時も前川さんは幹部魔琴として三角頭巾をかぶってノリノリですもんね。
前川:ええ、まぁ。
はかせ:水を一杯1,000円で売ってる、あのイベントですか? あれもネタイベントとしてよく続いてますよね。
前川:いや、あれはネタじゃないんです。
はかせ:ガチなんだ(笑)。でも、宗教というタブーを扱うイベントがロフトでもどんどん減っていくなかで、よくやってると思いますよ。
ピクピクン:いままでロフト以外のいろんな場所でイベントをやってきたけど、オレなんてただの一般人だからさ、単なる一般人の目線で考えた時に、ロフトというか前川さんのめっちゃいいのは、家族ぐるみの付き合いみたいな感じで接してくれるところ。これはお世辞抜きでね。ロフトとは何ら関係のない個人的なイベントにも、前川さんはここでやってるイベントの続きということで参加してくれたりするから。いろんな相談ごとにも乗ってくれるしね。
はかせ:新宿でハグ屋(先生が男女問わず抱きしめてくれる無料のファン交流イベント)をやった時、前川さんが腰を痛めて杖をつきながら列の整理を手伝ってくれたことがありましたよね。懐かしいなぁ。
ピクピクン:そういうのはロフトの強みじゃないかな、演者からしたら。ホントにありがたいですよ。
はかせ:だいたいのオーダーにも応えてくれますしね。ピクさんの言う家族ぐるみの付き合いもさることながら、ロフトグループのハコの枠を飛び越えてお付き合いさせてもらってるし。
ピクピクン:新宿のロフトプラスワンでもファイサラ(音楽ユニット、日本ファイナルサラマンダーのこと)を入れて2回やらせていただいたしね。
はかせ:ハコによって色があるんだよね。新宿には新宿の色があるし、阿佐ヶ谷には阿佐ヶ谷の色がある。ピクさんのお客さんは女性が多いから、歌舞伎町をくぐり抜けるよりも阿佐ヶ谷の商店街を通るほうが安心できるかもしれないね。
ピクピクン:8時間連続のトークライブをやってる大阪のロフトプラスワンウエストも変わってるよね。いい意味でだけど、スタッフの宮武(孝至)さんもアホだもんね(笑)。親しみやすくするためにアホになってくれてるのかもしれないけど、出る側としてはすごくやりやすい。